トヨタ・シエンタから見る、コンパクトミニバンの現代事情

2015年7月16日 18:58

印刷

記事提供元:エコノミックニュース

多様なライフスタイルに応えるべく、“Active&Fun”をキーワードに従来の四角いハコ型というミニバンの概念を打ち破るスポーティなエクステリア、機能性と質感を両立させたインテリアを採用したという。

多様なライフスタイルに応えるべく、“Active&Fun”をキーワードに従来の四角いハコ型というミニバンの概念を打ち破るスポーティなエクステリア、機能性と質感を両立させたインテリアを採用したという。[写真拡大]

 トヨタ<7203>は、コンパクトミニバンのシエンタをフルモデルチェンジし発売を開始した。

 新型シエンタは、広く世代を超えて、ユーザーの様々なライフスタイルをサポートする「ユニバーサルでクールなトヨタ最小ミニバン」として開発された。多様なライフスタイルに応えるべく、“Active&Fun”をキーワードに従来の四角いハコ型というミニバンの概念を打ち破るスポーティなエクステリア、機能性と質感を両立させたインテリアを採用したという。

 また、低床フラットフロアによる高効率パッケージが、コンパクトでありながら、3列目までゆとりある室内空間とスライドドア乗り込み高さ330mm(2WD車)を実現し幅広い世代に優しい乗降性を実現している。新型シエンタはアクティブでありながらも、誰もが快適に過ごせる空間を提供するとしている。

 今回のシエンタはデビュー12年目にして初のフルモデルチェンジである。これは裏を返せばモデルチェンジの必要がないほど、ユーザーから支持されたことの証である。5ナンバー枠のコンパクトボディにも関らず7人乗車が可能というところがこのクルマの最大の魅力だったのだと思う。もちろんこれは今回も継承されている。

 デザインは初代の剽軽な顔立ちから、イマドキの精悍なものに変化した。シエンタの発表会で、チーフデザイナーは、外観デザインは色々なものを詰め込んで、アクティブに使える大きなスポーツバッグをイメージしたとのことだ。スポーツバッグは肩肘を張らずに気軽にカッコよく背負えるものであるのも特徴で、今回のシエンタも従来の箱型のミニバンとは違う斬新なスタイルにしているともコメントしている。

 確かに、初代シエンタは、絵に描いたような「箱形ミニバン」であった。シンプルで華美ではないけれど質実剛健、といったところだろう。12年前はそれでよかったのだろう。しかしこの間、コンパクトミニバンはどんどん競合車も表れて、熾烈なマーケットになった。そこで他車との差別化をはかる為に、現代という時代を見据えたマーケティングに基づくクルマ造りが進められたのは想像に容易い。

 もちろん新型シエンタは、コンパクトだけど広くて低燃費で魅力に溢れている。でも12年も続けたデザインをもっと継承してもよかったのではないかと考えるのは、筆者のセンチメンタルな気持ちなのかもしれないが。価格はガソリン車168万9,709~228万円、ハイブリッド車222万6,753~232万9,855円となっている。(編集担当:久保田雄城)

■関連記事
トヨタ製最小ミニバン、シエンタが12年ぶりにモデルチェンジ。ハイブリッド車が加わる
人気モデルが復活しつつある新車販売6月期、2015年半期累計。カローラの躍進が光る6月
ハイブリッドで先行した日本、欧州で始まったダウンサイジング。2つのトレンドが市場で激突する
軽自動車は2カ月連続大幅減。登録乗用車は前年実績をどうにか維持
トヨタ、国内販売の半数が高効率なハイブリッド車。その技術基盤を支えるSiC半導体

※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

関連キーワード

関連記事