スーパーカーよりも速い「隼」の国内販売が開始

2014年1月19日 21:30

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記事提供元:エコノミックニュース

価格や性能、維持費を考えたらオトクな「隼」。年間目標販売台数は500台となる。

価格や性能、維持費を考えたらオトクな「隼」。年間目標販売台数は500台となる。[写真拡大]

フェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレンなど、いわゆるスーパーカーと呼べる自動車はどれも高額で、庶民がおいそれと気軽に乗れる代物ではないことはご存知の通り。それに速いというのがスーパーカーの代名詞でもある。速さとは、どれくらいのスピードが出るのか。また、停止状態から時速100kmまで何秒かかるのかなどが、一つの指標になっている。

 たとえば、ランボルギーニの「Gallardo LP 570-4 SQUADRA CORSE」は、排気量5204ccで、最高速度は320km/h、0-100km/hは3.4秒と、あくびしている間に時速100kmにあっけなく到達してしまう性能を誇る。ただし、価格も3165万6450円という驚きの金額で、家が買えてしまうほど高額だ。高級スーパーカーと同等の加速性能を持ち、それでいてロープライスで、今までの高級スポーツカーの既成概念を壊したともいえるのが、日産<7201>が誇る「GT-R Pure edition」。そのGT-Rでさえ価格は905万1000円と高額だ。

 ところが、これらのスーパーカーよりも速く、それでいて、価格はランボルギーニの20分の1以下の156万4500円で購入できる乗り物がある。それが2月10日に国内発売されるスズキ<7269>の「隼」だ。隼の名前の由来は、鳥類の中でも時速300kmで飛行できるハヤブサからきており、その名のとおり、時速300kmを超える速度を出せ、100kmまでの加速はメーカー公認ではないが2.6秒ほどという、量販車最速クラスのバイクとなる。

 よく自動車やバイクの加速能力を示す指数として、パワーウェイトレシオというものが自動車雑誌など使われているが、このパワーウェイトレシオとは、車両重量を馬力で割ったもので、数値が少ないほど優れた加速性能を持っているというもの。

 あくまでも性能を測る目安にすぎないが、より実践的な数値を出すために、運転手1人の体重を55kgとして加算し計算してみると「隼」は馬力197psで車両重量は321kg(266kg+55kg)だから、パワーウェイトレシオは1.62となる。

 先ほど登場したGT-Rの馬力は550psで、車両重量は1795kg(1740kg+55kg)なので、パワーウェイトレシオは3.26。ランボルギーニでは、馬力570psで、車両重量1625kg(1570kg+55kg)で、パワーウェイトレシオは2.85。これを見てもいかに「隼」の1.62というのが飛び抜けて凄い数値なのかがわかるだろう。ちなみに、プリウスだと14.19となり、フォーミュラーマシン最高峰のF1では、なんと0.9を切っている。

 「隼」は、「究極のスポーツバイク」を構想に開発された、高い空力特性を持つ独特のデザインと、優れた走行性能を誇る1339ccの大型ロード・スポーツ・バイク。海外仕様はすでに1999年より欧州や北米で販売されていて、近年ではインドなど新興国へ投入するなど、スズキが誇るフラッグシップモデルとして世界中で好評を得ているバイクだ。

 今回、発売する国内仕様モデルは、海外仕様と同様の最高出力、最大トルクを実現させ、国内初となるETC車載器を採用し、メーター内の表示で動作状況の確認もできるようになっている。スズキはこの「隼」で、大型二輪車の商品を拡充するとともに、ブランドイメージのさらなる向上を図る狙いがある。

 直線距離が長い場合や、サーキットでのラップタイムとなるとスーパーカーの方に分があるが、ゼロヨンや100km/hまでの加速は「隼」の独壇場。問題は、この「隼」をフルスロットルできるテクニックと勇気、そして、走らせる場所があるかだ。これはもちろん、その条件を満たした人だけしか知るよしもない。(編集担当:鈴木博之)

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