日清紡、ブラジルで自動車ブレーキ用摩擦材増産へ 約64億円を投資

2013年11月5日 12:49

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 日清紡ホールディングス(HD)は5日、コア事業のひとつであるブレーキ事業で南米ビジネスを拡大するため、連結子会社であるTMD Friction do Brazil S.A.(以下TMDブラジル)を新立地に移転し、生産能力を拡充すると発表した。

 日清紡HDは、2011年に世界有数の摩擦材メーカーであるTMD Friction Group S.A.を買収し、自動車ブレーキ用摩擦材の世界シェアでナンバーワン・メーカーの地位を獲得した。中国、アメリカ、日本に次ぐ世界第4位の自動車販売台数国であるブラジルは、今後の成長が見込まれる南米市場の中心であり、日清紡HDは同社ブレーキ事業のグローバルリーダーシップを確固たるものにするための重要な拠点と位置づけている。

 TMDブラジルは、ブラジル乗用車摩擦材市場でトップシェアを獲得している。現在、サンパウロ州インダイアトゥーバ市に拠点を構えているが、周辺の市街地化が進んでいること、工場増設に必要な敷地の余裕がないこと等の理由から、今回、同州のサウト市郊外に移転し、増産体制を構築することとした。操業環境を改善するとともに品質と生産性をさらに向上させ、収益力の強化を図る。

 今回の投資額は1億4200万レアル(約64億円)であり、2016年末までに新工場を建設し、移転を完了させる予定。これにより、現在の売上を2020年には倍増させる計画。

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