住友商事、米エネルギー鋼材・鋼管問屋を約510億円で買収

2013年10月2日 13:08

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 住友商事は2日、同社と米国住友商事会社(合わせて「住友商事グループ」)が、米国のエネルギー産業向け鋼材・鋼管問屋であるEdgen Group Inc.(エジェングループ)、及びその56パーセント株主であるJefferies Capital Partnersとの間で、住友商事グループが設立する特別目的会社とエジェン社の合併を通じ、エジェン社の全株式を一株12ドルで取得することに合意したと発表した。株式取得額は約5億2千万ドル(約510億円)。住友商事グループは今後、米国内外における必要手続きを行った上で速やかなクロージングを目指す。

 エジェン社は、傘下に石油・ガスの生産井戸や、輸送および石油精製・発電プラント等に使用される鋼材・鋼管(パイプ・継手・フランジ・バルブ等)をグローバルに取り扱う問屋であるEdgen Murray(エジェン・マーレイ)社と、米国において油井管を取り扱うBourland & Leverich(ボウランド&レバリッチ社、以下B&L社)の2つの事業を有している。

 エジェン・マーレイ社は、1983年創業の鋼材・鋼管問屋Thomas Pipeを前身とし、その後数々の買収や持続的成長を通じて、現在は米国、アジア、中東および欧州等18カ国35拠点においてエネルギー産業の上・中・下流向けに鉄鋼製品を供給する世界有数のグローバル企業。また、B&L社は1935年創業の老舗油井管問屋で、テキサス州Pampaを拠点として全米で幅広い販売ネットワークを有し、成長著しいシェール開発を背景に事業を拡大させている。

 住友商事グループは、大手オイルメジャーをはじめとする全世界向け鋼管輸出を軸に、使用現場におけるリアルタイムでの供給を可能にするSCM(Supply Chain Management)構築のほか、最大の油井管需要地である米国を中心とした問屋販売ネットワークの拡充、鋼管製造ミルや加工業への出資を通じた供給力の強化、さらには油井関連機器の加工問屋の買収等、油井周辺のバリューチェーン構築に力を注いできた。

 今回のエジェン社買収は、シェール開発向けの需要が旺盛な油井管やラインパイプに関して住友商事グループが築き上げてきた製造・流通市場でのネットワークをさらに強化するとともに、活発な石油精製・石油化学・発電プラントの新設を背景とした鋼管・継手・フランジの需要を取り込み、また、堅調な成長が見込まれる海洋石油ガス開発向けの鋼材・厚板・鋼管の需要に対応しうる販売体制の拡充を図るもの。

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