JX日鉱日石エネルギー、太陽電池用シリコンウエハー事業から撤退

2012年11月6日 19:31

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 JX日鉱日石エネルギーは6日、連結子会社であるスペースエナジーが展開する太陽電池用シリコンウエハー事業からの撤退を決定したと発表した。

 太陽電池市場は欧州債務危機の深刻化等により需要が伸び悩む一方、中国メーカー等の設備増強により大幅な供給過剰状態にある。これに伴い、太陽電池における主要な部材であるシリコンウエハーについても世界的な供給過剰解消の目途が立たない状態にあるという。

 このような厳しい経営環境下、スペースエナジーの採算は著しく悪化しており、これまで合理化努力を続けるとともに生き残りに向けてあらゆる可能性を検討してきたが、今回、同事業の継続は困難であると判断し、撤退を決定した。今後は2012年12月(予定)をもってシリコンウエハーの製造を終了するとともに、撤退に関する具体的なスキームを検討していく。

 なお、JXエネルギーは、今後とも太陽光発電事業については家庭用燃料電池「エネファーム」の製造・販売事業と並ぶ新エネルギー事業の重点分野と位置付け、同社独自のマンション向け戸別太陽光発電システムを含む住宅向けのシステム販売や、メガソーラー事業を含む公共・産業用システムの提供を中心に取り組んでいく方針。

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