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様々なエネルギーを電気に変換、エネルギーハーベスティング技術とは
エネルギーハーベスティングとは、環境発電技術とも呼ばれるもので、光・熱(温度差)・振動・電波など様々な形態で存在する微小なエネルギーを集めて電力に変換する技術のこと。充電・取り換え・燃料補給なしで長期間エネルギー供給が可能な電源として期待が高まっており、研究・開発が進む一方でその普及・実用化は間近とも言える状況にある。
今年に入り、東京エレクトロンデバイスがドイツのマイクロペルト社と販売店契約を締結し、温度差発電型のエネルギーハーベスティングデバイスおよびモジュールなどの関連製品の取り扱いを開始。マイクロペルト社の温度差発電素子は110mV/K(TGP751の場合)の発電が可能で、これに昇圧コンバーターICや昇圧回路を組み合わせることにより、CPUで利用できる程度の出力電圧を生成することができるという。さらに通信の省電力化を組み合わせることで、バッテリー交換やメンテナンスが不要な自立型のワイヤレス・センサー・ネットワークの実現が可能とのこと。さらに同社は7月に、リニアテクノロジー社の環境発電ICを使用した、生活住環境エネルギーから蓄発電可能な「環境発電お手軽評価キット」も開発するなど、エネルギーハーベスティングに積極的な姿勢を見せている。
また、自立型のワイヤレス・センサー・ネットワークの実現等に不可欠な長期間使用・省電力化のための技術についても、エネルギーハーベスティングへの利用を想定した機器が次々と開発されている。例えば村田製作所は、電解液など材料を最適化することで高温下での特性劣化を抑制して、高温対応を実現し、70℃/5年の期待寿命を達成した高信頼性電気二重層キャパシタの量産を6月から開始。さらに産業技術総合研究所は、薄膜形成プロセスを最適化し、ナノ結晶粒子を整列させることで有機導電性高分子PEDOT:PSS薄膜の導電性を向上させ、熱電変換素子の無次元性能指数(ZT)=0.27という、室温では世界最高レベルとなる高い熱電変換性能を達成している。
このまま研究開発が進めば近い将来、生体の体温から作られる電気を携帯用のGPS機器や腕時計の電源として活用することなどが実現するかもしれない。微小なエネルギーでも無駄なく利用出来れば、その有用性は再生可能エネルギーによる発電の比ではないであろう。まだまだ発展途上ではあるが、数年後には大きな潮流となる技術ではないだろうか。
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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