日本電産、ベトナムに携帯向け精密小型モーター生産工場を建設

2012年6月22日 11:29

印刷

第一期工事の完成イメージ(画像:日本電産)

第一期工事の完成イメージ(画像:日本電産)[写真拡大]

 日本電産は21日、同社の子会社である日本電産セイミツが、ベトナムに子会社を設立し、携帯電話向けの精密小型モーターを生産する新工場を建設すると発表した。

 新会社の名称は「ベトナム日本電産セイミツ会社」で、所在地はホーチミン市内のサイゴンハイテクパーク。精密小型モーターなどの開発、製造及び販売を行う。新会社は6月28日に設立する予定。その後、7月に新工場建設に着手し、今年12月に完成する予定。操業開始は2013年1月の予定。携帯電話用振動モーターを生産する。総投資額は4,000万ドル(約32億円)。

 携帯電話用振動モーターをはじめとする精密小型モーター市場は、今後も高い成長率が見込まれている。日本電産セイミツは、すでに中国(深セン、東莞)、インドネシア(バタム)に工場を持ち、携帯電話用振動モーターでは世界シェア1位のモーターメーカーだが、今後も市場拡大に対応した生産能力の増強と、これまで以上に高い生産性と高品質を実現するべく、新工場の建設を検討してきた。

 ベトナムは、豊富な人材と地理的条件にも恵まれていること、また、日本電産グループ会社が先に工場展開を進めていることから、日本電産セイミツの第三のモーター生産拠点国として適当であると考え、子会社・新工場を設立することを決定した。

 日本電産グループは、1997年に日本電産トーソク・ベトナム会社を設立して以来、既に同国ホーチミン市内に9社、ハノイ市に1社の合計10社のグループ企業が進出しており、新会社はベトナムとして11社目、ホーチミン市内としては10社目のグループ企業の進出となる。また、工場設立予定地のホーチミン市内サイゴンハイテクパークでは、既にベトナム日本電産、ベトナム日本電産サンキョー、日本電産コパル精密(ベトナム)、ベトナム日本電産サーボが工場を構えて生産を行っており、新会社はサイゴンハイテクパーク内では5社目のグループ企業の進出となる。

 現状、日本電産グループは、ホーチミン市内で約2万2千人を雇用し、市内最大規模の企業グループとなっているが、新工場稼動後は約2万5千人を雇用することになる。今後、さらに各社とも工場の拡張、増産を進めていく予定だという。

関連記事