日立製作所、「Physical AI」で加速するインフラOS化と新NISA投資価値

2026年6月24日 09:30

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2030年に新設予定の次世代型社会インフラ研究の中核拠点「調和の丘」(画像: 日立製作所の発表資料より)

2030年に新設予定の次世代型社会インフラ研究の中核拠点「調和の丘」(画像: 日立製作所の発表資料より)[写真拡大]

 日立製作所(6501)が、リアルな社会インフラにデジタル技術を融合させる「Physical AI」の実装を加速させている。

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 同社が誇る独自プラットフォーム「HMAX」を社会インフラのオペレーティングシステム(OS)として位置づけ、次世代の成長ドライバーへと育てる戦略だ。

 市場では同社の中長期的なEPS(1株当たり利益)成長率を年率15%以上と試算する見方もあり、新NISA(少額投資非課税制度)を活用して成長の果実を享受したい個人投資家にとっても、有力な選択肢として浮上している。

■「Physical AI」が牽引するインフラ革新と利益成長

 日立の成長戦略の核となるのが、ミッションクリティカル(MC)領域における「Physical AI」の実装である。

 これはエネルギーやモビリティ、インダストリーといった、社会の根幹を支えるリアルな産業現場にAIを組み込み、運用を高度化する試みだ。この中核を担うのが「HMAX」であり、同社のデジタルソリューション「Lumada 3.0」の利益貢献を力強く牽引している。

 現在、世界的なインフラの老朽化に伴う更新需要は持続的に拡大しており、日立が持つ幅広い領域での強いプロダクトがその受け皿となっている。

 「HMAX」が社会インフラのOSとして浸透すれば、一時的な機器の売り切りにとどまらない、安定した高収益ビジネスが確立される。これを背景に、市場では中長期で年率15%以上のEPS成長が可能との高い評価が維持されている。

■CIセクターが推進するインダストリー領域への特化

 同社の主要事業は、リアルな領域を扱う「Physical領域」の3セクターと、デジタルやセキュリティを担う「Cyber領域」の1セクター(DSS:デジタルシステム&サービス)に大別される。

 Physical領域のうち、エネルギーとモビリティはすでに明確な戦略のもとで好調な業績を維持しており、中長期的な成長の道筋が見えている。

 今後の焦点となるのが、インダストリー領域における「Physical AI」事業への特化だ。先般開催されたインベスター・デイ(Investor Day)において、CI(コネクテッドインダストリーズ)セクターは、強力なプロダクトを起点に同領域のリーディングカンパニーを目指す姿を明確にした。

 具体的には、「ファシリティ」「半導体」「医療診断」「医薬品製造」という4つの注力領域に経営資源を集中させる。この選択と集中により、全4セクターが揃って高成長・高収益体制を確立するシナリオが現実味を帯びている。

■世界水準の「FDE Team」強化とリカーリングモデルへの進化

 日立はさらなる運用高度化に向け、DSSが持つ最先端のAI・セキュリティ技術と、各セクターが培ってきた現場のOT(制御技術)を融合させた専門組織「Physical AI FDE(Frontier Development Engineer)Team」を強化している。参入障壁が高いとされるMC領域において、同社独自の知見が最大の強みとなる。

 同社は国内で5,000人規模のFDE人材の拡充を目指すほか、1万5,000台のインストールベース(既設機器)のAI-Ready化を支援し、継続的な収入が見込めるリカーリング型(ストック型)モデルへの転換を図る。

 さらに、米AI新興企業のAnthropic(アンソロピック)との協業により、北米・欧州・アジアを横断するグローバル組織「Frontier AI Deployment Center」を設立。両社による共同チームを始動させ、AIの社会実装における世界水準のベストプラクティスを創出していく方針だ。

■新NISA視点から見た日立製作所の投資価値

 新NISAを活用した中長期投資において、重視すべきは「持続可能な成長性」と「強固なビジネスモデル」である。

 日立が進めるインフラOS化とリカーリングモデルへの転換は、景気動向に左右されにくい安定した収益基盤をもたらす。さらに年率15%以上と期待される利益成長力は、新NISAの成長投資枠を活用し、日本の製造業トップランナーとしてポートフォリオの核に据えるに値する高い魅力を放っている。

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