AI関連株は「集中」か「分散」か 新NISA初心者が陥る3つの誤解

2026年5月27日 13:48

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 新NISA制度の開始から2年余り、運用初心者の関心は急速にAI関連株へと向かいつつある。生成AIや半導体銘柄の上昇が続くなか、SNSでは「AI一点集中」を勧める投稿が広がる。

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 だが、過去相場で繰り返されてきた構図を踏まえると、NISA成長投資枠でAI関連株を厚く持つ戦略には、初心者が見落としがちな落とし穴が複数ある。

■現状:個別株は高配当が主役、AIは「裾野」で広がる

 楽天証券のNISA個別株買付動向を見ると、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)や日本電信電話(NTT、9432)、三菱商事(8058)といった高配当・時価総額上位銘柄が常に上位を占める。

 一方で、東京エレクトロン(8035)、レーザーテック(6920)、ソフトバンクグループ(9984)などのAI関連銘柄も、成長投資枠でも買付対象として注目を集めている。

 加えて、つみたて投資枠で人気の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」や全世界株式インデックスを通じても、エヌビディアやマイクロソフトといったAI半導体・クラウド大手への間接的なエクスポージャーはすでに厚い。直接保有と間接保有の両面で、AI関連の比率が高まっている構造だ。

■背景と分析:初心者が陥る3つの誤解

 1つ目は「テーマが正しければ銘柄も正しい」という誤解である。AI需要の伸びが本物であっても、それが個別銘柄の株価上昇継続を保証するわけではない。期待先行で買われた銘柄は、業績未達の局面で大きく調整する。

 2つ目は「分散」と「分散もどき」の混同だ。AI半導体ETFと個別AI銘柄を組み合わせる運用は、保有銘柄数こそ多くなるが、テーマ性が崩れた局面では同時に値下がりする。本質的には同じ方向へのベットになる。

 3つ目は「NISAだから損切りしない」という思い込みである。NISAの非課税メリットは、利益が出た場合に税金がかからないという制度であり、含み損の銘柄を保有し続けるための根拠にはならない。

■今後の展望と課題:「土台と裁量」を切り分ける

 新NISAの成長投資枠は、初心者にも個別銘柄やテーマETFへの広いアクセスを開いた制度である。しかし、長期の資産形成で本当に重要なのは「テーマで張る」ことよりも、「資本の分散規律」を維持することだ。

 つみたて投資枠で全世界株式や米国株式といった広範な指数を土台に置き、成長投資枠の一部を自分が理解できる範囲の個別株に充てる。たとえば「土台8割・裁量2割」のような自分ルールを先に決めておくことが、AI銘柄ブームの渦中でも判断軸を失わないための最も現実的な備えとなる。

 投資家は、テーマの熱気そのものに資金を委ねるのではなく、自身が制御できる範囲の規律をまず整えるべきだ。

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