相場展望12月4日号 米国株: FRBは12/10利下げ▲0.25%の実施確率が高い⇒株高要因 日本株: 日経平均大幅高も新高値銘柄数と新安値数が拮抗、相場変調が忍び寄る?

2025年12月4日 14:00

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■I.米国株式市場

●1.NYダウの推移

 1)12/1、NYダウ▲427ドル安、47,289
 2)12/2、NYダウ+185円高、47,474ドル
 3)12/3、NYダウ+408ドル、47,882ドル

【前回は】相場展望12月1日号 米国株: 米国景気の先行きは (1) クリスマス商戦 (2) 最高裁の判決が焦点 日本株: 日経平均は、「天井を意識」させる展開

●2.米国株:FRBは12/10に利下げ▲0.25%を実施する確率が高い⇒株高要因

 1)米国連邦準備理事会(FRB)は12/10に、利下げ▲0.25%を実施する確率が高い
  ・利下げの要因は、
   ・雇用状況を示す指標の悪化がある。
   ・米国経済指標も強くない。
   ・FRB高官のなかで、金利引下げ支持者が増えている。
  ・先行き不安は、インフレ率が目標の+2%を上回り、低下の兆しがないこと。

 2)FRBの大きな目的は「インフレの守り神」であること
  ・トランプ米国大統領は、自身の経済政策の失敗を、FRBの利下げで穴埋めようとしている。

  ・トランプ経済政策の失敗
   ・関税による雇用の萎縮。
     特に、従業員が50人未満の企業における雇用者数の減少が目立った。
     トランプ経済のマイナス影響が、経済の底辺にまで及んでいる。
   ・低所得者層に対する所得減対策。
   ・オバマケアの縮小に対する医療費負担の増加。
   ・富裕層の減税強化による、低所得者層との貧困格差の拡大。
    「生活の足」の車価格は既に750万円となり、富裕層しか購入しづらい。
    このため、追加関税は価格転嫁できていない。
    これは、トランプ経済政策が、米国民の生活を困難にした1事例。

  ・FRBの目的に「インフレの守り神」があるが、時の政権に迎合してよいのだろうか?

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

 1)12/1、上海総合+25高、3,914
 2)12/2、上海総合▲16安、3,897
 3)12/3、上海総合▲19安、3,878

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)12/1、日経平均▲950円安、49,303円 
 2)12/2、日経平均+0.17円高、49,303円
 3)12/3、日経平均+561円高、49,864円 

●2.日本株:日経平均大幅高も新高値銘柄数と新安値数が拮抗、相場変調が忍び寄る

 1)ビットコイン(仮想通貨)12/1、86,146ドルに下落
  ・暗号資産市場の全体が不安定となっている。

  ・ビットコインの推移
     09/18  117,099ドル
     12/01  86,146
     12/03  92,953

  ・ビットコインは9/18⇒12/1で▲30,953ドル安・▲26.4%安となった。12/2~3は短期間に急落したことで反発。

  ・ビットコインの急伸は、米国株と歩調を合わせて上昇してきた。つまり、ビットコインの大幅安は、米国株の先行き不透明感を示唆している可能性がある。

  ・そうなった場合、日本株にも波及するため、ビットコインの動向も注目したい。

 2)日経平均と寄与度上位5銘柄
  (1)12/1、日経平均▲950円安、寄与上位5銘柄で▲482円安・▲50.7%を占めた
   ・日経平均寄与度上位5銘柄
                日経平均寄与額  株価
      アドバンテスト   ▲234円安   ▲875円安
      ファーストリテイ  ▲95    ▲1,190
      ソフトバンクG    ▲58     ▲290
      フジクラ      ▲54    ▲1,605
      TDK        ▲41     ▲82
       合計       ▲482

   ・日経平均下落に対する寄与上位5銘柄で、50.7%の占有率と低水準だった。占有率低下での日経平均の下落は、それだけ幅広い銘柄が売られたことを示す。全体情勢としては、勢いに弱さが広がっており、動向に注目が必要。

  (2)12/2、日経平均の寄与上位の上昇・下落が拮抗
   ・プラス寄与上位3位
                日経平均寄与額    株価
      ファーストリテイ    +80円高   +1,000円高
      ファナック       +55     +328
      アドバンテスト     +29     +110
       合計         +164
   ・マイナス寄与上位3位
      ソフトバンクG     ▲173円安   ▲865円安 
      東京エレクトロン   ▲33     ▲330
      リクルート      ▲17     ▲166
       合計        ▲223

  (3)12/3、日経平均+561円高、寄与上位5銘柄は+697円高
   ・日経平均寄与度上位5銘柄
                日経平均寄与額   株価
      アドバンテスト    +281円高   +1,050円高
      ソフトバンクG     +201     +1,000
      東京エレクトロン   +148     +1,480
      リクルート      +39     +392
      レーザーテク     +28     +2,070
       合計        +697

 3)12/3、日経平均は大幅上昇も、他の指数はマイナスとマチマチ、相場変調の兆し?
  ・12/3、株価指数の動向
     日経平均     +1.14%高
     TOPIX      ▲0.20%安
     JPX日経400    +0.04%高
     グロース250    ▲0.77%安

  ・日経平均は大幅高も、値下がり銘柄数が多数
    ・値上がり銘柄数   432
     値下がり銘柄数   1,120

  ・新高値銘柄数と新安値数が拮抗、相場に変調の兆しが忍び寄る
    ・新高値・安値銘柄数の推移
          新高値銘柄数  新安値銘柄数  日経平均の動き
      11/26    214       4      +899円高
      11/27    233       1      +603円高
      11/28    218       2      +86円高
      12/01    206       10     ▲950円安
      12/02    66       24      +0円高
      12/03    36       30      +561円高
     ・12/3、日経平均は+561円高も、新高・安値銘柄数が拮抗。

●3.日清食品、チキンラーメンやカップニュードル、来年4月から5~11%値上げ(読売新聞)

 1)即席袋麺「日清ラ王」「日清カレーメン」など即席カップライスの計5シリーズは内容量を7~17%減らして実質値上げする。原材料や包装材などの高騰が理由。

●4.ウエルシアとツルハ、12/1付けで経営統合、5,600店舗、売上2.3兆円、世界6位(HTB北海道)

■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)

 ・3197 すかい    業績好調
 ・7606 Uアローズ   業績好調
 ・8411 みずほ    業績好調

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。http://note.com/soubatennbou

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