ストラテジー、ビットコイン急落で株価大幅下落 今後の行方は?

2025年12月2日 18:08

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 ビットコイン(BTC)相場が12月に入り一段と下落基調を強めている。1日には8万5788ドルと、約6%安。一時は8%の下落が記録された。

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 それにともない、大量のビットコインを保有するストラテジーの株価が急速に低下している。

 同社株は直近高値から60%超の下落となり、暗号資産価格の変動に財務が色濃く反映されるビットコイントレジャリーの脆弱性が、改めてリスク要因として浮き彫りになった。

 ストラテジーは1日、ビットコインの不振を理由として、通期純損益予想を黒字から赤字に転落すると発表した。最大で約55億ドルの赤字になるとしている。

 10月には通期純損益を240億ドルの黒字と予想しており、同社が苦境に立たされていることがうかがえる。

 これを受けて、同社は約14億ドルの現金準備金を確保するとも発表した。

 これは今後12~24カ月の優先株配当などのキャッシュアウトに備えるもので、不安定な相場環境でも事業継続と現状の戦略維持を図る狙いがある。またビットコインのさらなる低迷があった場合の、投資家の懸念を一掃したい意図も見受けられる。

 その一方で、同社はビットコイン買い増しの姿勢を崩していない。12月に入り新たに130BTCを取得した。先述の現金準備金は、公開市場においてクラスA普通株を売却する手段によって得たものである。

 同社は引き続き、ビットコインを長期的に価値ある資産と位置付けており、戦略の根幹は変わらないとしている。売却は想定していないことを強調しており、引き続きビットコイントレジャリーを実践する見通しだ。

 また同社CEOのフォン・レ氏も、今後の戦略に関して、強気の姿勢を崩していない。

 一方で投資家はこれまでの値動きによって多大な損失を被っていると考えられる。また同社株に連動するレバレッジETFの値動きによっても、すでに影響を受けている。

 現在の市況を踏まえると、ビットコインは短期的には下振れリスクが優勢とみられ、個人投資家はストラテジーの動きとビットコインの相場を慎重に見極めている。

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