8月のパート・バイト時給は上昇傾向に 最低賃金改定を前に

2025年9月17日 08:59

印刷

 求人サイトを運営する各社が8月度のパート・アルバイトの時給動向を発表。マイナビが過去最高時給を更新するなど平均時給の上昇が2社、下落が2社と分かれたものの、最低賃金の改定を前に多くの業種で時給の上昇傾向が続いていることが分かった。

【前月は】7月パート・バイト時給、求人会社で傾向分かれるも今後は上昇予想続く

■ディップは11カ月連続で前年同月下回る

 12日、ディップが8月の「アルバイト平均時給調査」を発表した。全国平均時給は前年同月比34円減の1,333円となり、11カ月連続で前年同月を下回った。「バイトル」に掲載された求人件数は、同4.1%減の約313,000件だった。

 地域別では関東が同20円減1,415円、東海が同68円増の1,297円、関西が同7円減の1,335円、九州が同280円減の1,152円だった。

■リクルートは4カ月連続で前年同月上回る

 同日、リクルートの調査研究機関『ジョブズリサーチセンター(JBRC)』が、8月の「アルバイト・パート募集時平均時給調査(三大都市圏)」を発表した。平均時給は前年同月比48円増の1,268円となり、4カ月連続で前年同月を上回った。

 地域別では首都圏が同44円増の1,311円、東海が同50円増の1,184円、関西が同55円増の1,236円となり、3地域とも前年同月を上回っている。

■エン・ジャパンは2カ月連続で前年同月下回る

 同日、エン・ジャパンが8月の「アルバイト・パート募集時平均時給調査」を発表した。全国平均時給は前年同月比55円減の1,235円となり、2カ月連続で前年同月を下回った。

 エリア別では関東が同4円減の1,373円、東海が同73円減の1,231円、関西が同5円減の1,322円、三大都市圏が同11円減の1,339円だった。都道府県別で前年同月を上回ったのは5都府県、変わらずが1県、下回ったのが41道府県だった。

 大きく時給が上がったのは、京都府が1,330円(前年同月比:43円増、以下同じ)、東京都1,438円(24円増)、沖縄県が1,050円(18円増)。大きく下がったのは、福井県が1,115円(214円減)、岐阜県が1,137円(177円減)、岩手県が1,214円(163円減)。

 職種別では9職種中5職種で平均時給が前年同月を上回った。その中では企画・事務・管理系が1,345円(前年同期比:166円増、以下同じ)、営業系が1,429円(107円増)でプラス幅が大きめ。反対に販売・サービス系が1,254円(59円減)、医療・福祉系が1,403円(61円減)でマイナス幅が大きめだった。

■マイナビは過去最高時給を更新

 16日、マイナビが8月の「アルバイト・パートの平均時給レポート」を発表した。全国平均時給は前年同月比55円増の1,319円となり、36カ月連続で前年同月を上回るとともに、5月の平均時給1,306円を超えて、調査開始以来の最高時給を更新した。

 地域別では北海道・東北が同137円増の1,229円、関東が同28円増の1,382円、甲信越・北陸が同165円増の1,275円、東海が同111円増の1,290円、関西が同29円増の1,310円、中国・四国が同125円増の1,217円、九州・沖縄が同89円増の1,223円と全てのエリアで前年同月を上回った。

 最低賃金の改定により、全7エリアで平均時給が上がったものの、エリア間の賃金格差がそれほど縮まっていないこともあり、人件費の負担が増える中小企業の事業継続の危うさが示唆されている。(記事:県田勢・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事