7月のSC売上、猛暑と「鬼滅の刃」効果で好調 百貨店は前年の反動減続く

2025年8月26日 10:34

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 日本百貨店協会と日本ショッピングセンター協会が7月の売上高を発表。百貨店は前年度の反動によりインバウンドが大幅マイマスで前年割れが続く一方、ショッピングセンターは猛暑で夏物商材が好調だったことに加えて、シネマ需要で好調が続いていることが分かった。

【前月は】6月の百貨店売上はインバウンド減少で前年下回る SCは猛暑で好調続く

■百貨店売上高は6カ月連続で前年同月下回る

 25日、日本百貨店協会が7月度の全国百貨店売上高概況を発表した。売上高は前年同月比(店舗数調整後)6.2%減の4,683億3,145万9,000円となり、6カ月連続で前年同月を下回った。

 猛暑が続いたことで夏物商材やファッションが好調だったものの、前年度の反動によりインバウンド需要が大幅に減少したことで、全体の売上は引き続き前年割れとなった。

■大都市は全て前年同月下回る

 大都市は全て前年同月を下回った。特に札幌(前年同月比:6.6%減、以下同じ)、東京(10.0%減)、京都(9.6%減)、広島(7.4%減)、福岡(11.5%減)でマイナス幅が大きめ。一方で名古屋(1.1%減)、神戸(1.9%減)はマイナス幅が小さめだった。

 都市以外の地区は7地区中6地区で前年同月を下回った。特に中部(5.3%減)、中国(5.1%減)でマイナス幅が大きめ。唯一、東北(0.7%増)のみ前年同月を上回った。

 商品別売上高は、ほとんどが前年同月を下回っている。その中では、その他衣料品(11.0%減)、身の回り品(16.1%減)、サービス(19.6%減)などでマイナス幅が大きめ。前年同月を上回った商品分野は、その他雑貨(2.4%増)、家電(15.4%増)2種類のみだった。

■ショッピングセンターは41カ月連続で前年同月上回る

 同日、日本ショッピングセンター協会が7月度SC販売統査報告を発表した。売上高は前年同月比2.4%増の6,794億8,138万8,000円となり、41カ月連続で前年同月を上回った。

 猛暑により夏物商材や夏物飲食が大きく動いたことに加えて、劇場版『鬼滅の刃』や『国宝』のヒットによりサービス部門のシネマが好調、さらに来館客の飲食への波及効果もあった。

■東北や九州・沖縄で売上好調

 売上のうち、テナントは同3.0%増の5,210億8,186万6,000円で、全体同様に41カ月連続で前年同月を上回った。キーテナントは同0.4%増の1,583億9,952万2,000円となり、2カ月連続で前年同月を上回っている。

 大都市は14都市中11都市で前年同月を上回った。その中では札幌市(前年同月比:4.6%増、以下同じ)、名古屋市(6.0%増)、大阪市(5.3%増)、福岡市(5.6%増)などでプラス幅が大きめ。一方で京都市(2.0%減)、神戸市(1.8%減)、広島市(3.1%減)の3都市が前年割れだった。

 その他の地域では9地域中7地域で前年同月を上回った。その中では東北(7.0%増)、北陸(4.1%増)、四国(4.9%増)、九州・沖縄(6.0%増)でプラス幅が大きめ。反対に北海道(0.8%減)、中部(1.4%減)の2地域で前年同月を下回った。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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