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上位4社の持株比率65%強、特定株比率76%強 サンヨーホームズ株の投資はどうか
サンヨーホームズ(1420、東証スタンダード市場)。戸建住宅、マンション、賃貸・福祉住宅の設計・販売が主体。近畿圏中心に首都圏・中部圏で事業展開。
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コロナ禍の余韻を依然として引きずった2023年3月期の「19.9%減収、営業赤字1億4900万円」を底に、立ち直り基調。「11.9%増収、営業黒字9億5200万円」「0.7%減収、0.3%営業増益」、そして今3月期は「34.0%増収(610億円)、109.2%営業増益(20億円)」計画と収益状況はステージアップ基調。かつ、この間25円配を継続している。
この限りでは本稿作成中の株価:600円台終盤は予想税引き後配当利回り2.9%強、4月安値(600円)から3月高値(742円)への戻り基調を勘案すると投資妙味を感じる。ちなみに過去9年5カ月余りの修正済み株価パフォーマンスは、40%近く。
四季報の流し読みで出会ったが【続伸】の見出しの業績欄に目を通し「なるほどな」と思った次の瞬間だった。主要株主欄が目に入り、「うーん」と考えさせられた。
24年3月末の上位株主は、「LIXIEL:保有比率26.05%/オリックス:16.17%/関西電力:12.44%/セコム:10.92%」-計65.58%。特定株比率76.1%。いささか「?」を感じた。
個人投資家という立ち位置からすると、「株価の上下動を懸念し、投資対象として???」となるのではないだろうか・・・。安定配当に加え株主優待も「単元株あたりクオカード1000円分」と手厚い。
穿った見方をすれば「大株主/特定株主に配慮の株主優遇策」と捉えることもできる。サンヨーホームズの問い合わせ欄から「大株主企業との間で、持ち株逓減の話し合いなどは進めているのか」と問い合わせた。答えは後述する・・・。
翻って、サンヨーホームズの沿革を確認した。
クボタハウスの全株式を旧三洋電機が取得し設立されている。「が三洋電機の親会社のパナソニックにも住宅会社が存在した」「三洋電機とサンヨーホームズの取引(太陽光発電事業)が限定的だったこと」などで、両社の間の距離が明らかになったなどと語り継がれているが関係が悪化。提携関係は解消。三洋電機は保有株を徐々に手放し、その間に前記の4社が株式を取得している。
歴史を追っていくと、サンヨーホームズ株の歴史はなんとも奇妙。
「上位4社、及び特定株主との解消関係の話し合いは」という問いにIR部門から返ってきた答えは、「現時点で行っていない」。
個人的には株式投資の対象とするためには、特定株主解消の動きが出るのをまずは見定めたいと思うが・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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