【QAあり】ルネサンス、オアシス統合効果により前期比2桁の増収増益 望月新社長のもと事業間シナジーを高め、成長加速を目指す

2025年5月17日 09:26

印刷

記事提供元:ログミーファイナンス

【QAあり】ルネサンス、オアシス統合効果により前期比2桁の増収増益 望月新社長のもと事業間シナジーを高め、成長加速を目指す

【QAあり】ルネサンス、オアシス統合効果により前期比2桁の増収増益 望月新社長のもと事業間シナジーを高め、成長加速を目指す[写真拡大]

社長略歴

望月美佐緒氏(以下、望月):本日はお忙しい中、株式会社ルネサンス決算説明会にご参加いただきまして誠にありがとうございます。2025年3月期の決算についてご説明します。

私は、2025年4月1日付で代表取締役社長執行役員に就任した望月美佐緒です。健康のソリューションカンパニーの実現とさらなる成長を目指し、さまざまな変革にもチャレンジしていく所存です。今後とも、どうぞよろしくお願いします。

目次

本日はスライドの目次に沿って、決算についてご説明します。

1.業績ハイライト

まず、業績ハイライトです。スライドに記載のとおり、当社は2024年3月31日付で、株式会社スポーツオアシス(以下、オアシス)の全株式を取得し、100パーセント連結子会社としました。これにより、2025年3月期の決算には一部、昨年までの動向と連動しない影響がありますので、ご承知おきください。

連結損益計算書

スライドは連結損益計算書の概要です。売上高は637億3,700万円、営業利益は19億4,600万円、経常利益は12億2,400万円、親会社に帰属する当期純利益は7億6,600万円となりました。すべて前期を上回り、おおむね前回の予想どおりの結果となりました。

増収の主な要因としてはオアシスを100パーセント連結子会社にしたことが大きく、中でもオアシスのホームフィットネス事業が計画を上回って好調に推移したことが寄与しました。

また営業利益増加要因については、売上高の伸びに連動した利益増に加え、下期にずれ込んだオアシスのPMI費用が計画の範囲内で進捗したことや、全社的な省エネ対策と政府の補助等により光熱費のコストが計画を下回ったことが主な要因となります。

連結営業利益 増減要因(前期比)

スライドのグラフは、前期からの営業利益の増減要因を比較したものです。ルネサンス単体では、2024年3月期に開業した4店舗と同4月に営業継承した「スポーツクラブ&サウナスパ ルネサンス KSC金町24」の店舗増に伴い会員が増加したことと、既存店における会員数の増加および2024年3月期の7月と10月に実施した会費の改定が寄与し、大幅に増加しました。

一方で費用に関しては、同じく2024年3月期に開業した4店舗と「スポーツクラブ&サウナスパ ルネサンス KSC金町24」の増加の影響の他、成長の源泉ともなる従業員の給与および初任給を引き上げたことや、既存店のリニューアル投資を積極的に行ったことなどにより、人件費および設備費等が前期から増加しました。

子会社については、主にオアシスの業績を上乗せしたことなどにより7億9,600万円増となりました。その結果、当期の営業利益は19億4,600万円となりました。

連結部門別売上高

連結の部門別売上高については、すべての部門で増収となりました。

連結貸借対照表

連結貸借対照表はスライドのとおりです。

連結キャッシュフロー・計算書

連結のキャッシュフロー計算書はスライドのとおりです。

スポーツクラブ事業

事業別概況についてご説明します。まず、スポーツクラブ事業についてです。売上高はオアシス32店舗と2024年3月期にオープンした4店舗、さらに「スポーツクラブ&サウナスパ ルネサンス KSC金町24」の純増分を含め、前期比35.3パーセント増となりました。

ルネサンス単体では、会員数は前期比3.1パーセント増と順調に推移し、2025年3月期末の会員数は35万1,355名となりました。また、会員単価についても前期比2.0パーセント増加しています。

特に、ご契約いただいている企業・健康保険組合の従業員および組合員向けマンスリーコーポレート会員は、健康経営に関する意識の高まりと新たな入会プランを導入したことなどにより、新規入会が着実に増加しました。2025年3月期のマンスリーコーポレート会員は、前期比15.1パーセント増となっています。

スポーツクラブ事業 部門別会員数

スライドはオアシスと統合したスポーツクラブ事業の部門別会員数です。統合の影響により、すべての部門で増加しています。その結果、2025年3月期末の会員数はオンライン部門を含めて50万126名となり、前期比26.6パーセント増の過去最高となりました。

スポーツクラブ事業 既存クラブ動向

前期実績との比較が可能な既存クラブの動向については、スライドのとおりです。売上高、期末会員数、会員単価ともに前期から増加しました。また退会率についても、価格改定の影響があった前期と比較して抑制できています。

スポーツクラブ事業周辺ーBtoG(地域の健康づくり)

地域の健康づくり事業についてご説明します。こちらは、オアシス純増分も含め前期比69.6パーセント増となり、大きく伸長しています。

ルネサンス単体でも、主力である介護予防教室など自治体からの受託案件数の増加に加え、学校の水泳授業の受託が大きく増加し、売上高は前期比15.5パーセント増となっています。

指定管理やPFI、公共施設などの官民連携事業を展開するPPP事業においては、2024年3月期に獲得した7施設の運営受託を2025年3月期に開始しました。また、2026年3月期より運営受託を開始する9施設もすでに確定しています。

オアシスにおいても、大阪ステーションホテルのジム・スパエリアの運営受託を開始するなど、民間企業からの受託も増加しています。

スポーツクラブ事業周辺ーBtoB(企業・健康保険組合向け働く人の健康づくり)

続いて、企業・健康保険組合向け働く人の健康づくり事業についてご説明します。こちらは、オアシス純増分を含めると売上高は前期比71.8パーセント増と、地域の健康づくり事業同様、大きく伸長しました。

ルネサンス単体では、企業・健康保険組合向け働く人の健康づくりに寄与できるサービスや、企業の有する顧客に向けたオンラインレッスンサービスが好調で、売上高は前期比10.4パーセント増となりました。

今後は、オアシスが保有していた企業向けの健康コンテンツなどの販売にも注力し、さらなる事業の拡大に努めていきます。

介護・医療周辺事業

次に、介護・医療周辺事業についてご説明します。こちらは、リハビリ特化型デイサービス「元氣ジム」を神奈川県鎌倉市と横浜市に2施設開業したことなどにより、売上高は前期比4.9パーセント増となりました。

またこの2施設では、採用難易度が高く不足しがちな介護職に頼らない新たな運営モデルを開発し、導入しました。いずれも店舗の順調な立ち上がりとなっており、社会課題でもある「リハビリ等提供サービスの不足」を踏まえ、今後も出店を加速していきます。

ホームフィットネス事業

最後に、ホームフィットネス事業についてご説明します。こちらはオアシスが強みとする、主にスポーツクラブに通っていない顧客層を対象とした通販事業となります。

ネット販売については、売れ筋商品の「ツイストステッパー」シリーズが計画を大きく上回り好調に推移したことで、売上を大きく伸ばすことができました。また卸売販売においては、座ったまま内転筋を鍛えることができる充電式振動ボール「スタイリーボール」の販売が好調となりました。

今後はルネサンスの介護領域や介護予防で培ったノウハウも組み込み、新たな商品を開発し、販売網を拡大していきます。

新規出店実績

新規出店の実績等についてご説明します。2025年3月期の新規出店および受託運営開始施設は、スライドのとおりです。

退店・運営終了及び2025年度以降の新規出店・受託予定

契約満了等により2025年3月期に運営を終了した施設は、スライド上段の5施設となります。

2026年3月期の新規開設については、スポーツクラブ2施設、介護リハビリ施設2施設、4自治体9施設の新たな指定管理を予定しています。さまざまな状況を鑑みながら、今後は期中においても出店を検討していきます。

施設数(2025年3月末時点)

この結果、2025年3月末の施設数は国内282施設、ベトナム3施設の合計285施設となりました。また、2025年4月よりオアシスの直営各店舗は、「OASIS RAFEEL(オアシス ラフィール)」として運営する3店舗を除き、すべて「スポーツクラブ ルネサンス」へブランド変更しました。

2024-2027中期経営計画(2024年5月発表)

最後に、2026年3月期の見通しについてご説明します。まず、中期経営計画の全体像についてです。ルネサンスは「人生100年時代を豊かにする健康のソリューションカンパニー」を長期ビジョンに掲げてきました。今後もその歩みを止めることなく取り組んでいきます。

具体的には、私たちのコアビジネスである総合型スポーツクラブにおいて、付加価値の追求と効率的な店舗運営を推し進め、さらに事業を成長させていきます。

また、スポーツクラブ周辺およびそれ以外の新たなビジネスに関しては、その市場で求められる商品やビジネスモデルの開発と、さまざまな事業で培ったノウハウを掛け合わせることで市場を拡大していきます。

2024-2027中期経営計画(2024年5月発表)

創業50周年となる2029年に向け、中期経営計画のゴールとなる2027年には、社会課題の解決に取り組むことで過去最高益の達成を目指していきます。

2026年3月期 事業環境

2026年3月期における当社を取り巻く環境についてご説明します。まず、外部環境についてです。政府の取り組みなどの後押しもあり、健康に関する意識の高まりは継続し、雇用情勢等の改善も含め、個人需要の増加は見込まれます。一方で、世界経済の不安定化による光熱費等の高騰などにより、スポーツクラブの運営コストが高まることも懸念されています。

次に、内部環境についてです。オアシスとの統合により、2025年3月期には総合型スポーツクラブを中心とする企業で売上高No.1となる見込みです。しかし、本来の統合効果を発揮し、足し算を掛け算にしていくのはこれからだと考えています。また、付加価値創出のための人材への投資は必要不可欠と考えていますので、引き続き投資していきます。

厳しい環境が予見される中でも収益の改善を目指すべく、施設の市場環境に応じた投資判断、ヒト×デジタルによる付加価値創出、働き方の見直し等による全社的な生産性向上に取り組み、成長を加速していきます。

2026年3月期 各事業の取組

2026年3月期の各事業の主な取り組みは、スライドのとおりです。スポーツクラブおよび「元氣ジム」については止めることなく出店していきます。また、先ほどもお伝えしたように、事業間シナジーを高めることで各事業を拡大していきます。

2026年3月期 連結業績予想

2026年3月期の通期連結業績予想です。売上高については、主にスポーツクラブ事業における新規出店を含めた会員数の増加および会員単価の上昇、介護・医療周辺事業における新規施設の開設、ホームフィットネス事業等の着実な成長により、前期比5.1パーセント増となる670億円を目指していきます。

また、各段階利益については人件費・設備費等の上昇が続くものの、オアシス合併後のシナジー創出および全社的な生産性向上に取り組みます。これにより、営業利益は前期比13.0パーセント増の22億円、経常利益は前期比14.3パーセント増の14億円、親会社に帰属する当期純利益は前期比11.0パーセント増の8億5,000万円を見込んでいます。

配当については、安定的な企業成長と経営環境の変化に対応するため、必要な内部留保の資金を確保しながらも、株主のみなさまへの継続的な利益還元を行うという基本方針に基づき、1株当たり年間13円とさせていただく予定です。

望月氏からのご挨拶

今回の決算は、中期経営計画で掲げた道筋に向けて、非常に重要な1年であったと認識しています。今後の成長に向けた基盤ができたとも考えていますので、この基盤を活かし、市場環境の変化や事業の実態を踏まえながら、適時リソースの配分を変化させ、中期経営計画を遂行していきます。

みなさまにおかれましては、引き続きのご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。本日はご参加いただきまして、誠にありがとうございました。

質疑応答:中期経営計画初年度の進捗について

司会者:「中期経営計画初年度としての進捗について教えてください。今後の計画の見通しや見直しの可能性などを、現時点でどう考えていますか?」というご質問です。

望月:本日ご説明したとおり、今回発表した2025年3月期決算では、期中に2度上方修正し、その数値を達成できています。売上・営業利益も予想を上回ることができたため、基本は予定どおりに進捗しています。

ただし、人件費や設備投資などの費用は、予想以上に利益を圧迫する要因になっていることも事実です。それに対しては、当初から掲げているヒト×デジタルの施策や、生産性向上のための取り組みを加速させていきます。したがって、中期経営計画で掲げている目標は変えることなく進めていきたいと思っています。

質疑応答:ホームフィットネス事業の見通しについて

司会者:「オアシスの合併によりルネサンスの事業に加わったホームフィットネス事業について、2026年3月期の売上見込みや、増収に向けてどのような計画をしているかについて教えてください」というご質問です。

望月:昨年までオアシスの社長を務め、今回の計画策定を遂行した専務執行役員の吉田からご説明します。

吉田智宣氏:ホームフィットネス事業の2026年3月期の売上見込みは、前期比で約5パーセント増の約50億円を計画しています。ルネサンスの介護リハビリのノウハウを活用し、シニア向けの商品を新しく開発していくことで、この計画を達成したいと考えています。

質疑応答:営業利益と経常利益の伸びの差について

司会者:「前期との比較で、営業利益の伸びと比べて経常利益の伸びが大きかったように見えますが、その理由は何でしょうか?」というご質問です。

安澤嘉丞氏:CFOの安澤です。これは、前期2024年3月期にイレギュラーな数字が入っているためです。2024年3月期は、持分法適用会社であったオアシスにおいて期末に減損損失を計上し、最終的な赤字でした。そのため、前期は持分法による投資損失3億6,200万円が営業外費用に計上されています。

その結果として、今期は営業利益の伸びに比べて経常利益の伸びが大きく見えています。そちらを除けば、ほぼ営業利益に近い経常利益の伸びとなっていますので、ご理解いただければと思います。

質疑応答:スポーツクラブ事業の会員数の見込みについて

司会者:「2025年3月期から2026年3月期にかけて、スポーツクラブ事業の会員数の見立てはどのような計画でしょうか?」というご質問です。

望月:2026年3月期は前期比7.5パーセント増を見込んでいます。今期から本格的に取り組む旧オアシス施設におけるマンスリーコーポレートの導入や、スポーツクラブの価値をさらに再評価できる施策に取り組み、会員数の増加に努めていきます。

質疑応答:オアシスとのシナジーについて

司会者:「オアシスとのシナジーについてご説明がありましたが、具体的に取り組んでいることや、今後期待できる効果を聞かせてください」というご質問です。

望月:最も大きなシナジーを見込むのは、企業・健康保険組合の従業員および組合員向けマンスリーコーポレート会員の導入です。旧オアシスは、ターミナル立地の周辺人口が多い店舗が多くあるため、利用者を十分に増やしていけると考えています。

また、ホームフィットネス事業においても、リハビリ特化型デイサービス「元氣ジム」の理学療法士とコラボレーションした商品開発はすでに進めており、商品を会員の方やそのご家族、退会者、さらにはルネサンスが得意としてきたBtoBやBtoGの領域にも広げられると考えています。

質疑応答:総合型スポーツクラブの今後の成長について

司会者:「総合型スポーツクラブは、コロナ禍で相当ダメージを受けたと見ています。今後、フィットネス業界、総合型スポーツクラブはどのように成長していくと考えていらっしゃいますか?」というご質問です。

望月:社会保障費の増大のような外部環境を鑑みると、予防や運動に対する意識の高まりは長期的に続くと感じています。その中でも総合型スポーツクラブの強みは、アイテムの豊富さや人によるサービス、さらにはお風呂やラウンジといった周辺機能も充実していることだと考えています。

運動だけではなく、お風呂に入りマッサージしていただくことで気分を変え、仕事をしていただくことなども、総合型スポーツクラブの価値だと思っています。そのような多様な活用方法をご提案していくことにより、お客さまにとってこれまで以上に価値のある場所になっていくと感じています。その点をしっかり訴求し、市場を拡大していきたいと考えています。

質疑応答:「元氣ジム」における専門職の採用について

司会者:「『元氣ジム』の店舗数増加とともに、専門職の採用ハードルが上がってくると思います。採用環境や採用に関する手応えをお聞かせください」というご質問です。

望月:決算説明の中でもご説明したように、私どもは介護職に頼らない新たなモデルの開発を進めており、非常に好調に推移しています。今後は、理学療法士や柔道整復師といった介護職だけに頼らないモデルを開発することで、社会課題の解決をキャッチアップしていきたいと考えています。

関連キーワード

関連記事