全世界で航空輸送量が大幅削減 新型コロナ感染拡大で

2020年3月24日 07:47

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●キャセイパシフィック航空は輸送量96%削減

 香港のキャセイパシフィック航空とその子会社であるキャセイドラゴンは23日、新型コロナウィルスによる需要の減少を受けて、2020年4月、5月の輸送量を96%削減すると発表した。キャセイパシフィック航空は期間中、ロンドンやロサンゼルス、東京(成田)など12都市のみに就航し、便数も各週3便程度とする。キャセイドラゴンと合わせても就航都市はわずか15都市のみとなり大幅な便数の削減となる。

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●シンガポール航空も96%の削減

 シンガポール航空もシンガポール政府の入国制限を受けて、4月末までの輸送量を96%削減すると発表した。保有している147機のうち138機は地上待機となる。また、同社の子会社であるシルクエア、スクートは全便が欠航となる。政府による入国制限がいつまで続くのか見通しが持てない中、いつまで削減するのかは発表されていない。

●エミレーツ航空も全便運行停止へ

 UAE(アラブ首長国連邦)では、政府により入国の規制が始まった。UAEにはエミレーツ航空やエティハド航空などがハブ空港を持っているが、トランジット扱いの客も入国制限の対象となることから、エミレーツ航空では3月25日まで全便の欠航を決めている。南アフリカでは、5月末まですべての国際線の運航を停止する措置が取られるなど影響が広がっている。

●貨物は好調なため旅客便を貨物機として利用

 新型コロナウィルスの拡大に伴って、旅客需要は世界中で大幅に減少する一方で、国際貨物便については輸送に対する需要が高まっている。キャセイパシフィック航空では、旅客便は大幅に削減をするものの、貨物便については現在の便数を維持すると発表している。

 また、貨物需要が増加していることを受けて、同社の保有している旅客機の貨物スペースのみを利用した貨物機としての運航も行われている。同様の措置は、シンガポール航空やアメリカン航空などでも実施され、貨物スペースの大きい大型機が活用されている。(記事:speedbird・記事一覧を見る

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