三菱地所、多関節型ロボで超高層ビル外窓清掃の実証実験 国内初

2019年2月23日 11:11

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多関節アーム搭載「多目的壁面作業ロボット」(写真:三菱地所発表資料より)

多関節アーム搭載「多目的壁面作業ロボット」(写真:三菱地所発表資料より)[写真拡大]

 三菱地所(東京都千代田区)は22日、日本で初めて超高層ビルの外窓清掃に多関節アーム搭載の作業ロボットを活用する実証実験を行うと発表した。2月28日~3月15日、大手ゴンドラメーカーの日本ビソー(東京都港区)と共同で、新丸の内ビルディング(地上38階、地下4階)にて取り組む。検証によって作業性能や品質を確保し、既存の無人自動清掃・有人清掃の代替を図るほか、将来的にはより多目的な壁面作業ロボットの実現も目指すという。

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 作業に用いるのは、高所外壁で行われる様々な作業を自動化した多関節アーム搭載「多目的壁面作業ロボット」。人の動作がプログラムされているため、窓全体を拭き降ろす従来の自動清掃ユニットよりもスムーズに作業ができ、清掃クオリティ向上が期待できるという。本体は、ベースシステムと作業ヘッドで構成されており、今回の実証実験ではヘッド部に窓清掃用スクイジーを使用。今後、新たな作業ヘッドを開発することで、外壁調査やシール打替え、広域災害の建物診断といった窓拭き以外の作業にも活用の幅を広げる考えだ。

 また、有人清掃を作業ロボットに置き換えた場合、人手不足に悩むビルメンテナンス業界の働き方改革につながるだけでなく、ビル内で働く人に清掃作業員の人目を感じさせずに作業することができるため、テナントサービスの向上も期待できるとする。

 同社では、丸の内エリアの「オープンイノベーションフィールド」化を進めるため、街づくりにおける先進技術の有用性などについて検証を行う「Marunouchi UrbanTech Voyager(マルノウチアーバンテックボイジャー)」プロジェクトに取り組んでいる。これまで、23区内での自動運転バス走行実験や、AI解析で困っている人を検知するサービスなど様々な実証実験を実施してきた。今回の実証実験も同プロジェクトの一環として行われる。(記事:西舘妙子・記事一覧を見る

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