好調・巨人、連勝を支える打撃陣

2018年5月1日 05:52

印刷

 巨人の勢いが止まらない。

 プロ野球セリーグ、巨人は首位広島に次ぐ2位で4月を終えた。開幕から波に乗り切れず、6連敗を記録するなど一時は最下位に落ちるも、4月20日の阪神戦からは8連勝と一気に勢いを取り戻した。好調の要因はリーグトップのチーム打率を誇る強力打線だ。

■レギュラー陣の活躍、期待の岡本の開花も

 8連勝中二桁得点を4度記録し、25日の中日戦ではチーム63年ぶりとなる20得点での大勝、30・31日は連日の11得点。チーム総得点136はセリーグではトップ、打率.291(何れも4月終了時)も6球団で断トツだ。

 貧打に泣きBクラスに沈んだ昨年とは打って変わり、今年の打線は迫力、そして破壊力に溢れ、ここまで他球団の脅威となっている。

 リードオフマンの坂本は打率.360を超え毎試合の様にヒットを放ち、昨季打率リーグ2位のマギー、中日から加入のゲレーロの両外国人も好調を維持している。

 またキャッチャーの小林も今シーズンは打撃にも磨きがかかり、3割を超える活躍で打撃成績リーグ上位に名を連ねる。さらにここ数年、期待されながらも自らの殻を破ることが出来なかった岡本和馬が開幕2戦目で初の猛打賞を記録しクリーンナップに定着するなど、打線を引っ張る存在として、その打撃センスをいかんなく発揮している。

■打線の繋がりをチームの支えとして

 4月最後のゲームとなった30日のヤクルト戦でも畳みかける打線の威力を見せつけ、早々にゲームを決めた。

 この日、ヤクルト先発・館山から4回までで4点を奪いマウンドから降ろすと迎えた5回、二番手・梅野を攻め、先頭のゲレーロのソロホームランを皮切りに一挙に7点を挙げる。但し、本塁打はその1本だけで、残りの6点は全て安打と四球を絡めてのものだった。

 四球と亀井の安打などで無死満塁とすると、長野が押し出しの四球を選び、続く小林が直球をレフトに弾き返し追加点となる2点タイムリー、その後も坂本、ゲレーロのタイムリーと続き、見事なまでの打線のつながりをみせている。この日、2・3回にも2点づつを挙げているが、何れも安打を重ねたものであり、本塁打はなくとも得点を量産するという打線の好調ぶりが表れた試合内容だった。

 この日巨人の放った16安打という数字以上に打線のスキの無さが感じられた。これで貯金も3とし2位に浮上、最高の形で5月を迎える。昨年にはみられなかった打線の繋がりを今後も続けていくことが出来れば、暑さが増し交流戦も始まる5月以降、投手陣の助けにもなるだろう。

 一時の不調の記憶は連日の大量得点と共に完全に消え失せ、いよいよ首位・広島追撃への準備は整った。(記事:佐藤文孝・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事