NEDOと三菱重工、災害現場用の陸上ロボットの性能評価試験を実施

2018年2月9日 12:00

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試験で使用された陸上ロボット。(画像:新エネルギー・産業技術総合開発機構発表資料より)

試験で使用された陸上ロボット。(画像:新エネルギー・産業技術総合開発機構発表資料より)[写真拡大]

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と三菱重工業は、トンネル災害やプラント災害などの場面での活用が期待される遠隔操縦型陸上移動ロボットの性能評価基準の策定に向けた、実証試験を開始したと発表した。

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 大規模災害時に向けた、無人ロボットの現場投入。理論的な次元ではともかく、実用化までの道のりは長い。いまだ、配備以前に、それらのロボットをどのような性能、どのような基準で開発すればよいのか、というところについてのコンセンサスが得られていない段階である、というのが現実である。

 そのため、今回の研究は行われる。一部の研究は、福島県で実施される。2017年11月にNEDOと福島県は「福島ロボットテストフィールドを活用したロボット・ドローンの実証等に関する協力協定」を締結し、「福島ロボットテストフィールド」を設置しているのであるが、そこにある試験用トンネルや、試験用プラントが研究に利用される。また一部の知見は、福島県側にも提供され、テストフィールドそのものの改善にもフィードバックされていくことになる。

 具体的には、人が入り込むことが困難であったりまた危険であったりといった、例えば水たまり、障害物、暗闇、ガス発生源などの特殊環境条件を人工的に再現し、陸上移動ロボットの走行距離、時間、各種センサの動作の具合などを検証していくことになる。

 なお、長岡技術科学大学の構内にも、三次元狭部障害ジャングルジムを構築し、ロボットの走破性などを検証するためのデータを収集しているという。

 ロボット関連産業は、2030年には7,000億年規模になる、と見込まれている。無人航空機、陸上ロボット、水中ロボット。それらが社会に実際に投入され、珍しくもない存在となっていく日が、まもなくやってこようとしているのだろうか。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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