橋の性能チェックのための無人航空機の飛行試験、NEDOなどが実施

2018年1月14日 07:52

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福島ロボットテストフィールド 試験用橋梁 完成予想図。(画像:新エネルギー・産業技術総合開発機構発表資料より)

福島ロボットテストフィールド 試験用橋梁 完成予想図。(画像:新エネルギー・産業技術総合開発機構発表資料より)[写真拡大]

 橋はメンテナンスが大切である。一度建てればそれで終わりというわけにはいかない。単純に建替えるという話のほかにも状態の確認、長寿命化など様々なアプローチがあるわけだが、現在研究の対象になっているのが、無人飛行機を用いて、橋の性能を評価したり計測したりするというアプローチだ。これを、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、富士通、日本電気、イクシスリサーチ、エンルート、プロドローンなどの各社が進めている。

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 飛行試験は2017年10月16日から行われている。千葉県東金市に実験設備を設立し、そこで無人航空機による近接画像の撮影、打音検査などの橋梁点検プロセスを実施した。

 また、特別に設置した送風の設備を用いて、強い風のもとで安定して運用ができるかどうかという問題も検証された。

 この試験で各種のデータを得ることができたので、NEDOは今後さらに、2017年11月22日に福島県と締結された「福島ロボットテストフィールドを活用したロボット・ドローンの実証等に関する協力協定」に基づく取り組みを、福島県の「福島ロボットテストフィールド」で行っていく予定である。

 ちなみに社会インフラのためのロボットによる管理維持・更新などのシステムは、ロボット関連市場の創出において大きな役割を占めており、2030年には7,000億円規模にまで発展すると目されている。

 そのために投入されている2017年から2021年にかけての5カ年計画の、ロボット・ドローンが活動する省エネルギー社会の実現プロジェクトは、2017年だけで33億円が投入されている。

 ロボット。かつては夢の技術であった。近年では日常生活の中にもその姿を見せつつあるが、もちろん縁の下の力持ち的な役回りもしっかりと果たしているのである。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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