週刊ダイヤモンド今週号より~世界を駆け巡る市場の動揺、浮上する米国景気への疑念

2014年2月10日 08:02

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記事提供元:フィスコ


*08:02JST 週刊ダイヤモンド今週号より~世界を駆け巡る市場の動揺、浮上する米国景気への疑念
世界の市場を覆う不安の目は、新興国から米国に移ってきました。市場参加者は経済指標と米連邦準備制度理事会(FRB)の動向を固唾を飲んで見守りますが、動揺は簡単には収まりそうにはありません。

新興国リスクや中国の景気減速を補うほどに、米国経済の回復が力強くないのではないかという疑念が頭をもたげてきています。2月3日に発表された1月の米ISM製造業景況指数は、前月の56.5から市場予想を大幅に下回る51.3に急減速、景気回復に疑問を抱かせるには十分な減速ぶりとなりました。

撹乱要因となっているのが、12月から1月に米国を襲った大寒波です。この影響によって一時的に下振れしているという見方がある半面、「どこまでが天候要因なのか見極めにくい」とする声も多いようです。FRBの金融政策で最も重視されている雇用関連統計についても、大寒波にかき回されている格好です。

2月7日に発表される雇用統計においても、解釈に迷う数字が出ようものなら、焦点は2月11、13日のイエレンFRB新議長による議会証言に移ります。テーパリングを始めるに当たって、新興国に配慮した言及がなかったことに対する市場の不満は根強く、また、量的緩和政策の立役者であったバーナンキ前議長の退任などで、FRBはタカ派色を強めるとも見られています。“デビュー戦”でイエレン議長がどんなメッセージを発し、それが不透明感を払拭できるのか、早くも大きな試練となりそうです。《NT》

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