ルノー・日産連合とダイムラーが提携を拡大、エンジンの共同生産など

2013年9月12日 12:42

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 ルノー・日産アライアンスと独ダイムラーは、2010年4月に締結した提携関係を拡大している。当初は、主に欧州に焦点を置いた3つのプロジェクトを柱として提携を開始したが、現在は北米や日本での主要なイニシアティブを含む10の重要プロジェクトに拡大。また、各関連事業部門では、それぞれの成功事例の共有などといった協業も行っている。

 両社がパートナーシップからのメリットを享受している良い例として、デカード(米テネシー州)におけるメルセデス・ベンツの4気筒ガソリンエンジンの共同生産があげられる。同エンジンの工場建屋は、2012年5月の着工後わずか1年半で完成。現在は生産設備の設置を行っており、2014年半ばには生産が開始される予定。デカード工場で生産されるエンジンは、タスカルーサ(米アラバマ州)のダイムラーの工場で生産されるメルセデス・ベンツCクラスおよび新型インフィニティモデルに搭載される。

 また、ターボチャージャー付直噴3気筒・4気筒ガソリンエンジンファミリーの共同開発も計画通り進んでいる。同エンジンは最新の技術を採用し、燃費も大きく向上する予定。

 共同エンジン開発におけるもう一つの成功例が、今春にジュネーブで公開され、今秋に発売予定のインフィニティ「Q50」。これは、ダイムラーの協力の基、ディーゼルエンジンとオートマチックトランスミッションを組み合わせたパワートレインを搭載する初めてのインフィニティモデルとなる。

 メルセデス・ベンツ「シタン」など、両社の協業から生まれた最初の車両はすでに発売されている。また、インフィニティは、2015年からダイムラーのコンパクトモデルの構成部品を使った車両を2015年より発売する。そのコンセプトカー「Q30コンセプト」は、現在開催中の独フランクフルトモーターショーで初めて公開された。

 さらに、商用車の領域においても協業は継続している。ダイムラー・トラック・アジア部門の三菱ふそうトラック・バスは、今後日産から商用バン「NV350アーバン」の供給を受け、海外市場向けに発売する予定。

 なお、このような戦略的供給は2013年初頭から開始しており、三菱ふそうの小型トラック「キャンターガッツ」(積載量2.0tクラス)は日産へ、日産の小型トラック「アトラスF24」(積載量1.5tクラス)は三菱ふそうへ供給している。これらの相互供給台数は日本市場で約1,300台となっている。

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