中国への警戒、リスク回避の動きが一段と強まる可能性も【クロージング】

2013年6月24日 16:06

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記事提供元:フィスコ


*16:06JST 中国への警戒、リスク回避の動きが一段と強まる可能性も【クロージング】

24日の日経平均は大幅下落となり、167.35円安の13062.78円(出来高概算22億9000万株)で取引を終えた。為替市場で円相場が1ドル98円前半と前週末から円安水準で推移していることを受けて買いが先行した。また、参院選の前哨戦として注目された東京都議選は、自民党が都議会第1党の座を奪い返した。「ねじれ」国会解消への一歩となり、安定政権への期待を背景に買い安心感につながっている。これにより日経平均は13400円を回復して始まり、寄付き直後には13426.13円まで上げ幅を広げた。

しかし、米国の量的緩和縮小によるポジションの巻き戻しによる影響は、引き続き見極めが必要。また、中国経済の減速懸念も重しとなるなか、じりじりと上げ幅を縮める展開となり下げに転じている。特に中国経済への懸念は相当強く、上海指数の下落率が5%を超える中、先物主導で下げ幅を広げており、一時13026.23円と13000円割れ寸前まで下げる局面をみせている。このような状況のなか、東証1部の出来高は今年最低となった。

先物主導によるインデックス売りが指値の薄い中を一気に下押す展開であり、依然として不安定な相場展開が続いている。中国に対する警戒感が高まっているが、ポジションの巻き戻しが進むなか、新興国市場からの資金流出が加速すれば、リスク回避の動きが一段と強まる可能性がある。

もっとも、日本株は十分に調整し、需給整理も進んでいるとみられる。週末には投信設定も多く、投信経由での資金流入が相場の下支えとして期待される。物色は個人主体による材料系の銘柄に集中しやすいとみられるが、波乱の中での冷静な対応が試されるところか。《KO》

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