【アナリストの眼】アールテック・ウエノは新薬研究が目白押し、今期増配、株価上値追いへ

2013年3月15日 10:04

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

<業績&株価分析>

 創薬ベンチャーのアールテック・ウエノ<4573>(JQS)に注目したい。株価は短期調整が一巡して2月6日に付けた高値を試す動きのようだ。

 緑内障・高眼圧症治療レスキュラ点眼薬の製造販売、および米スキャンポ社の便秘症治療薬アミティーザの受託製造を展開し、ドライアイ治療薬やアトピー性皮膚炎治療薬などの研究開発を進めている。

 今期(13年3月期)の業績(非連結)見通しについては2月12日に増額修正している。売上高は1億61百万円増額して前期比13.3%増の45億94百万円、営業利益は1億79百万円増額して同25.0%減の7億97百万円、経常利益は2億27百万円増額して同20.7%減の8億51百万円、純利益は1億25百万円増額して同22.0%減の5億30百万円の見込みである。レスキュラ点眼薬が薬価改定の影響を受けるが、アミティーザの日米での販売が想定以上の増収となることに加えて、研究開発費が想定を下回るため前回予想に比べて減益幅が縮小する模様だ。また配当についても前回予想から1000円増額して年間3000円(期末一括)とした。

 米スキャンポ社はアミティーザに関して、日本と欧州での販売承認を取得するとともに、米国では追加新薬の承認を受けている。販売地域や適応の拡大が来期(14年3月期)収益に本格寄与することが期待されるだろう。

 なお1月21日には、開発中のVAP-1阻害剤による糖尿病白内障発症抑制効果の確認について、岩手医科大学と共同研究を実施すると発表した。またウノプロストン(開発コードUF-021)点眼液の網膜色素変性に対する第3相臨床試験について、3月5日に独立行政法人科学技術振興機構の支援によって実施されると発表し、さらに3月13日には症例登録の開始を発表している。

 株価の動きを見ると、2月6日の33万9500円まで上昇した後、目先的な過熱感を強めたため2月18日の18万9000円まで調整したが、足元では30万円台を回復する場面もあり短期調整一巡感を強めている。ウノプロストンが科学技術振興機構の支援を受けることも刺激材料となり、中期的な収益拡大に対する期待感を強める動きだろう。3月14日の終値28万8200円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS5387円79銭で算出)は53倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間3000円で算出)は1.0%近辺、そして実績PBR(前期実績のBPS8万2230円44銭で算出)は3.5倍近辺となる。

 日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形で強基調を継続している。2月6日の高値を試す動きであり、上値追いの展開が期待されるだろう。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

【関連記事・情報】
【狙い場・買い場】メディアスHD株価に勢い増す、医療・福祉関連好調、指標割安(2013/03/11)
【狙い場・買い場】稲葉製作所は今期増額に見直し余地、一段高へ(2013/03/11)
【狙い場・買い場】東京エレクトロンデバイスは来期期待から上げ足速める公算(2013/03/11)
【編集長の視点】アートスパークHDは業績黒字転換で3分の1戻し水準から全値戻しへ(2013/03/11)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事