【相場展望】テクニカル面ではリバウンド期待、国内要因は手掛かり材料難

2011年8月21日 15:06

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【株式市場フューチャー:8月22日~26日の株式市場見通し】

■海外要因を睨みながら引き続き神経質な展開

  来週(8月22日~26日)の株式市場は、引き続き米国株式市場や外国為替市場の動向などを睨みながら、海外要因で神経質な展開となりそうだ。

  世界的なリセッション(景気後退)や、ソブリンリスクの波及拡大に対する警戒感は強い。米国をはじめ世界の株式市場は、一旦は落ち着きを見せ始めたかに見えたが、再び神経質な展開となった。米国株式市場でダウ工業株30種平均株価は、18日には前日比419ドル63セント安と大幅反落し、19日には前日比172ドル93セント安と大幅続落した。

  日本株式市場も19日の終値は、日経平均株価が3月15日以来の安値水準となり、TOPIXが年初来安値を更新した。外国為替市場では19日の海外市場で、円が一時1ドル=75円95銭まで上昇して戦後最高値を更新した。こうした流れを受けて、週初22日の日本株式市場は売り先行でのスタートが想定される。

  世界の金融市場の関心は、26日予定のジャクソンホール・シンポジウムの講演で、バーナンキ米FRB(連邦準備制度理事会)議長が、量的緩和策第3弾(QE3)を示唆するかどうかに集まっている。したがって、QE3督促相場でさらに株安が進行するのか、QE3期待で反発の兆しを見せるのかが、当面の焦点となるだろう。外国為替市場における円売り市場介入も焦点となるだろう。

  10年夏のジャクソンホール講演で量的緩和策第2弾(QE2)を示唆したときと比べて、インフレリスクが高まっているなど状況が異なるため、QE3の可能性は小さいとの見方が優勢である。しかし何らかの対応策を示唆しなければ、失望感で金融市場が混乱しかねない状況だけに、何らかの対応策を示唆するとの見方が広がっている。QE3を示唆すれば株式市場にとって好材料と考えられるが、QE3期待が後退した場合には米国株安、ドル売り圧力につながるという見方が優勢である。

  テクニカル面で見ると、東証1部市場の騰落レシオ(25日移動平均)は前週末19日時点で67.5%に低下し、日経平均株価の19日時点の移動平均線に対するマイナス乖離率も、25日移動平均線に対して8.52%、75日移動平均線に対して9.37%、200日移動平均線に対して11.96%に拡大している。テクニカル面ではリバウンドが期待される水準だが、世界株安の流れが続き、国内要因は手掛かり材料難だけに、海外要因で神経質な展開となりそうだ。

■注目スケジュール

  来週の注目スケジュールとしては、国内では22日の7月スーパーマーケット売上高、7月コンビニエンスストア売上高、24日の7月企業向けサービス価格指数、26日の7月全国コア・8月東京都区部消費者物価指数(CPI)などがあるだろう。

  海外では22日の米7月シカゴ連銀全米活動指数、23日の独8月ZEW景気期待指数、ユーロ圏8月総合・製造業・サービス部門PMI速報値、米7月新築1戸建て住宅販売、米週間チェーンストア売上高、米週間レッドブック大規模小売店売上高、米2年債入札、24日の独8月IFO業況指数、ユーロ圏6月鉱工業受注、米6月住宅価格指数、米7月耐久財受注、米7月住宅着工許可件数改定値、米住宅ローン借り換え申請指数、米5年債入札、25日の独9月消費者信頼感指数、米新規失業保険申請件数、米7年債入札、ジャクソンホール・シンポジウム(27日まで)、26日の英第2四半期GDP改定値、ユーロ圏7月M3、米第2四半期GDP改定値、米第2四半期企業利益、米8月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値、バーナンキ米FRB(連邦準備制度理事会)議長のジャクソンホール・シンポジウムでの講演などがあるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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