ロシア、ウクライナ戦で北朝鮮ミサイルを改良か 成果を平壌へ還元

2026年7月28日 12:50

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記事提供元:Tech Times

ウクライナのゼレンスキー大統領は2026年7月25日、ロシアが北朝鮮の弾道ミサイルをウクライナ戦で実戦改良し、その成果を平壌に還元しているとする情報を明らかにした。また、ロシアが中東にある米軍基地の衛星画像をイランに提供していることや、追加で3万人の北朝鮮兵士を受け入れる準備を進めているとも主張した。ロシア政府が確認していない情報も含まれるが、ロシア、北朝鮮、イランによる軍事協力の深化は、アジアや中東の安全保障環境に構造的な変化をもたらす可能性がある。

■ウクライナ戦で劇的に向上した北朝鮮ミサイルの精度

ウクライナのゼレンスキー大統領は7月25日、広範な情報開示を行い、ロシアが国境地域のヴォロネジ州で追加の北朝鮮兵士3万人を受け入れる準備を進め、中東の米軍基地を撮影した衛星画像をイランに提供していると非難した。しかし、こうした内容の陰に隠れた技術的な詳細こそが、最も長期的な影響をもたらすかもしれない。ロシアはウクライナ戦争を北朝鮮の弾道ミサイル部隊のための実弾開発プログラムに変え、改良された設計が平壌に還元されているという。

北朝鮮の短距離弾道ミサイル「KN-23」が2023年12月にウクライナ戦に投入された当初、その誤差は非常に大きく、初期の失敗では目標から1〜3キロメートルも外れていたため、ウクライナ軍はこれを笑い草にしていた。しかし2026年6月までに、ウクライナ軍の情報筋は半数必中界(CEP)が1〜5メートルになったと報告している。この数値が正しければ、世界で最も精度の高い短距離弾道ミサイルの一つに位置付けられる。18カ月間で300〜3,000倍もの改善が達成されたのは、北朝鮮国内の試験プログラムによるものではない。実際のウクライナの目標に対する実戦発射を通じて、ロシアのミサイル技術者がテレメトリー(遠隔測定データ)を分析し、その修正内容を生産ラインへ直接フィードバックした結果だという。

民主主義防衛財団(FDD)は2026年5月、ロシアがKN-23の誤差を50〜100メートルにまで縮小したと確認し、少なくとも1種類の改良型ミサイルが、性能を高めた仕様ですでに北朝鮮へ移転されたと報告した。この点を踏まえれば、ウクライナ戦争は、ロシアが平壌の利益のために運営し、ウクライナの民間人と軍人の命を犠牲にする、世界で最も成果を上げた弾道ミサイル開発プログラムの一つになったといえる。

■ロシア、北朝鮮の不完全なミサイルを精密兵器に改良

KN-23(正式名称「火星11A」)は、単段式の固体燃料ミサイルであり、低高度で機動して迎撃を回避できる準弾道軌道を持つ。ウクライナ戦争前からすでに重大な脅威であり、最大射程は900キロメートルに達し、韓国全土を射程に収める能力があった。

しかし、精度を伴わない射程は精密攻撃のための兵器ではなく、恐怖を与える兵器にすぎない。KN-23のウクライナへの初期投入は、アナリストが疑っていたことを裏付けた。北朝鮮は高度な機体を開発していたものの、誘導システムは実戦環境に対応できる水準に達していなかったのだ。韓国紙「朝鮮日報」のインタビューに応じたウクライナ国防省情報総局のキリロ・ブダノフ局長によると、ロシアが2023年12月下旬にウクライナの目標へKN-23を発射し始めた際、初期の攻撃では誤差が最大2キロメートルに達し、軍事目標を狙う兵器としては事実上、着弾地点が予測できない状態だった。

改良は直接的な方法で行われた。計画に参加したロシアのミサイル専門家は、各実戦発射から得られたテレメトリーを分析した。これは北朝鮮が国内試験だけでは得られない実際の飛行データである。専門家は誤差の原因となっている誘導システムの問題を特定し、修正を進めた。2025年初頭までに、ウクライナの指揮官たちは性能の質的な変化に気付き始めた。独立した推計では、KN-23の半数必中界は50〜100メートルとされ、ウクライナ軍の情報筋は、さらに高い精度を示唆する結果も報告している。

この技術移転が実際に双方向であることも報告されている。Global Defense Corpによると、FDDは、ロシアが北朝鮮の技術的な解決策を自国のイスカンデルMミサイルにも取り入れたと報告した。具体的には、敵の防空システムを混乱させるため、ミサイルが目標へ最終接近する際にデコイ、ダイポール反射体、熱源デコイを放出する、改良型の9B899対抗手段モジュールである。

迎撃率の低下も、ミサイルの改良と整合する。英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)によると、イスカンデルとKN-23を合わせたパトリオットによる迎撃率は、2024年夏の約37%から2025年初頭には約15%に低下した。これは、ミサイルに改良型の対抗手段や終末段階での機動能力が組み込まれたことと整合する傾向である。

平壌に還元されるのは、目標を狙う能力の向上だけではない。既存の韓国および米国の戦域ミサイル防衛を突破し得ることが、ウクライナでの戦闘を通じて検証された設計そのものだ。RUSIが記録した条件では、イスカンデルとKN-23に対するパトリオットの迎撃率は約15%まで低下していた。

2025年10月、北朝鮮は極超音速滑空体を組み込んだKN-23系列の後継機「火星11Ma」を公開した。これはロシアの技術支援とウクライナで得られた戦闘データの恩恵を受けて開発された可能性が極めて高い。Military Watch Magazineによると、2026年6月には国営メディアが金正恩氏によるKN-23生産施設の視察を報じ、5年間で生産能力を2.5倍に拡大する計画を発表した。

ウクライナへの投入当初は笑い草にされたミサイルが、実戦で設計改良を検証され、急速な増産に向かう実証済みのプラットフォームへ変わろうとしている。

■自国製ミサイルを消費するロシア、追加の発射機を必要とする

北朝鮮がロシア軍に追加の弾道ミサイル発射機を移転する準備を進めているというゼレンスキー氏の7月25日の発表は、ロシアがミサイルを製造するより速いペースで消費していることを示すデータを背景としている。

ウクライナ空軍のデータを引用した戦争研究所(ISW)によると、2026年7月1日から19日までの間に、ロシア軍はウクライナに対して107発の弾道ミサイルと20発のツィルコン極超音速ミサイルを発射した。ウクライナ国防省情報総局は、ロシア国内の月間生産量をイスカンデルMミサイル約60発、S-400システム用ミサイル約40発の計約100発と推定している。

New Voice of Ukraineが報じたように、ロシアは1カ月で生産する量を上回るミサイルを19日間で発射し、すでに減少していた備蓄を取り崩した。7月19日の攻撃前、ウクライナ国防省情報総局は、ロシアが予備として約100発のイスカンデルMミサイル、400発以上のS-400システム用ミサイル、約120発のツィルコンミサイルを保有していると推定していた。イスカンデルMの推定在庫は2025年12月時点の200発から下方修正されており、実際に在庫が減少していることを示唆する。

7月19日までに発射された20発のツィルコンミサイルは、ロシアが計画していた2026年の年間生産能力30発の約3分の2に相当する。

北朝鮮からのKN-23およびKN-24の供給は、ロシアの生産量と消費量の差を継続的に埋めてきた。Kyiv Postによると、ウクライナの軍事情報機関は、ロシアが2023年6月以降、北朝鮮から100発以上のKN-23およびKN-24弾道ミサイルを発射機とともに受け取り、少なくとも80発をすでに投入したと報告している。The War Zoneが伝えたブダノフ氏の2025年1月時点の推定では、北朝鮮は2025年中に少なくとも148〜150発のKN-23を追加でロシアへ引き渡すと見込まれていた。

ゼレンスキー氏が発表した発射機の移転は、この傾向と一致する。ロシアは弾道ミサイル攻撃のペースを維持するため、より多くの発射能力を必要としている。KN-24ミサイルシステムと発射機を多数保有し、さらなる増産を進めている北朝鮮は、必要とされる規模で供給できる唯一の国だという。

■ゼレンスキー氏、ロシアの衛星がイランによる米軍基地攻撃を支援と主張

ゼレンスキー氏が7月25日の演説で明らかにした2つ目の主要な情報は、ウクライナから1,600キロメートル離れた別の戦域に関するものだ。Ukrainska Pravdaの報道によると、ゼレンスキー氏は、ウクライナの情報機関が7月初旬以降、湾岸諸国や米軍施設を対象としたロシアの衛星撮影の増加を記録しており、その画像が後にイランへ渡ったと述べた。撮影時期と、イランによる米軍への攻撃時期には相関がみられるという。

ゼレンスキー氏によると、ロシアの衛星は標的地点を攻撃前に監視し、攻撃後には被害状況を評価している。これによりイランは、攻撃計画に必要な目標情報と、次の攻撃を計画するための戦闘被害評価の双方を得ているという。CBSニュースによると、ゼレンスキー氏は7月19日と20日だけで観測された4つの基地を特定した。内訳はバーレーンの2カ所、ヨルダンの1カ所、クウェートの1カ所である。

ゼレンスキー氏は「ロシアによるこれらの施設の衛星撮影とイランの攻撃との間には、明確な相関関係がある。攻撃前にはその準備として、攻撃後には生じた被害の評価として撮影されている」と述べた。

今回の発表につながる先行事例もある。New Voice of Ukraineの報道によると、ゼレンスキー氏は2026年3月、NBCニュースに対し、イランが施設を攻撃する直前の数日間に、ロシアの衛星がサウジアラビアの米空軍基地を3回撮影したと語った。ウォール・ストリート・ジャーナルは同月、情報筋の話として、ロシアが衛星画像や高度なドローン技術を提供し、イランとの軍事協力を拡大していると報じた。

CBSニュースも以前、事情を直接知る米政府高官を含む複数の情報筋の話として、ロシアが中東における米軍の配置情報をイランへ提供していると報じていた。これはゼレンスキー氏による今回の発表より前に出ていた情報である。

2026年7月21日の週に開かれた上院公聴会では、ピート・ヘグセス米国防長官が、ロシアと中国がイランを支援しているかどうかを直接問われた。ヘグセス氏の回答は、両国がそれぞれ異なる程度でイランの作戦を制約する一方、一部を可能にもしていることを認める内容だった。その数日後、ドナルド・トランプ大統領は、ロシアと中国からイランへの武器支援は行っていないと伝えられたと述べた。これは、ヘグセス氏の証言や、ゼレンスキー氏が示したとする証拠と整合しない可能性がある。

米国とイランの紛争は、2026年2月28日の「エピック・フューリー作戦」以降、急激にエスカレートした。この作戦では、米国とイスラエルの部隊がイランの核施設と軍事インフラを攻撃し、最高指導者アリ・ハメネイ師を殺害した。その後も米国はイランの軍事施設を攻撃した。CNNが7月11日に報じたところによると、キプロス船籍のコンテナ船に対するイスラム革命防衛隊の攻撃への報復として約140カ所を標的にした第3波の攻撃も行われ、イランはバーレーン、ヨルダン、クウェートなどにある米軍基地を報復攻撃した。ロシアの衛星情報がこうしたイランの報復攻撃に目標情報を提供しているのであれば、ロシアの行為は政治的な後押しを超え、米軍関係者への攻撃に実質的に関与するものとなる。

ゼレンスキー氏は、ウクライナが収集した情報を同盟国政府と共有する意向だと述べた。

■兵力不足のロシア、3万人の北朝鮮兵士を追加受け入れか

ミサイルと衛星情報に関する発表に加え、ゼレンスキー氏は、ロシアが2026年6月以降、ヴォロネジ州の施設で追加の北朝鮮兵士3万人を受け入れる準備を進めていると述べた。Newsweekが報じた。ウクライナの情報機関によると、準備は6月から進められているが、ロシア政府はこの主張を確認していない。

この配備が実現すれば、ロシアの戦争に対する北朝鮮の軍事的関与は、これまで確認されている規模の2倍以上になる。2024年には、ウクライナ軍による越境侵攻を撃退するため、推定1万4,000人の北朝鮮兵士がクルスク州に配備された。2026年初頭までに、韓国の国家情報院(NIS)は、約1万1,000人の北朝鮮兵士が依然としてクルスク州に駐留しており、北朝鮮へ帰還した約1,000〜1,100人の兵士も再配備に向けて準備している可能性があると推定した。

人的犠牲は深刻である。韓国国家情報院によると、クルスクでの北朝鮮軍の損失は死傷者合わせて約6,000人に上り、このうち死者は約2,000人と推定されている。こうした損失にもかかわらず、NISは、北朝鮮軍がロシアの技術支援を通じ、現代的な戦闘戦術、戦場データ、兵器システムの改良を獲得したと評価した。この評価は、KN-23の精度に関するデータが示す傾向とも一致する。

集結地としてヴォロネジが選ばれたことには、軍事的な意味がある。Euromaidan Pressが指摘したように、北朝鮮軍が特定のウクライナ軍による侵攻を撃退するために配備されたクルスクとは異なり、ヴォロネジ州はウクライナ東部と直接国境を接し、ハルキウ方面のウクライナ支配地域から約200キロメートルの位置にある。この配置は、新たな部隊が限定的な国境防衛任務ではなく、東部戦線での継続的な作戦に投入される可能性を示唆する。

兵力を巡る数字も、その判断の背景にある。ゼレンスキー氏によると、ロシアは2026年の最初の7カ月間に約22万1,000人を軍に採用した一方、同じ期間に約22万5,500人の損失を出した。UNITED24 Mediaによると、両者がほぼ拮抗しているため、ロシア国内での新規採用によって兵力が純増していないことになる。これらはウクライナの情報機関が示した数字であり、独立した検証はできていない。ただし、2026年を通じたロシアの死傷者数と採用数に関する公開情報に基づく評価とは整合しているという。

人的な面でロシアの戦争を支える存在として、北朝鮮兵士の重要性が増している。

■ウクライナ戦後も続く防衛技術ネットワークを構築するロシア

ゼレンスキー氏が7月25日に明らかにした兵士、ミサイル、衛星情報に関する一連の内容は、ロシア、北朝鮮、イランの間に構築された複数領域にまたがる体系的な連携を映し出している。防衛アナリストによれば、これは2022年や2023年にみられた機会主義的な武器取引とは質的に異なる。

民主主義防衛財団によると、ロシアによる北朝鮮への安全保障支援は、電子戦システム、陸上および海上で使用できる防空システム、衛星打ち上げ支援、北朝鮮のミサイルシステムに対する直接的な技術改良にまで広がっている。2024年6月にプーチン氏と金正恩氏が結んだ相互防衛条約は、北朝鮮の核兵器開発も依存する関係を正式なものにした。2025年1月、北朝鮮の国家航空宇宙技術総局は金正恩氏に報告書を提出し、偵察衛星計画でロシアの支援を必要とする3分野を特定した。高解像度センサー技術、小型衛星の製造に使う金属、打ち上げロケットの信頼性向上である。

在韓米軍司令官のザビエル・ブランソン大将は2025年4月、議会で「ロシアは、宇宙、核、ミサイルに応用可能な技術、専門知識、材料の北朝鮮への共有を拡大している」と証言した。さらに「ロシアとの協力拡大により、今後3〜5年間に北朝鮮の大量破壊兵器計画が進展することになる」と述べた。

その影響はアジア全域に及ぶ。韓国NISの評価によると、北朝鮮軍は6,000人の死傷者を出した一方、国内だけで開発していれば何年もかかったとみられる成果を得た。現代的な戦闘戦術、実戦でのドローン戦の経験、精密弾道ミサイル能力などである。戦略国際問題研究所(CSIS)のアナリストは、北朝鮮が推定1,500万発以上の砲弾をロシアへ移転し、1万4,000〜1万5,000人の兵士を前線に配備したと指摘する。その見返りとして北朝鮮は、制裁下ではこれほど速く構築できなかった現代的な軍事力の基盤を受け取ったという。

KN-23の改良を巡って確立された仕組みは、ウクライナだけに関係するものではない。ロシアは、不完全な兵器システムを持つ制裁対象国でも、第三国の戦争で実戦試験を重ねれば、国内の試験場を使わずに18カ月で実用的な精密攻撃能力を獲得できることを示した。これは他国でも再現し得るモデルである。短距離弾道ミサイルを製造しているものの、実戦で試験する環境を持たず、他国の戦争を利用できる国家にとって、北朝鮮が得た成果に至る道筋が実例として示されたことになる。

ゼレンスキー氏は「ロシアは北朝鮮が戦い方を学び、兵器を改良し、それを使用する実際の戦闘経験を積むのを助けている。これらすべては、北朝鮮のミサイルの射程内にいるアジアのすべての人々にとって脅威だ」と述べた。

モスクワと平壌のいずれも、7月25日の発表には応じていない。ロシアは以前、北朝鮮軍がロシア領内で活動していることを否定していた。しかしNPRが報じたように、この否定は韓国の情報機関や複数の西側諸国政府が示した情報と矛盾していた。さらに2025年4月には、ロシアと北朝鮮の両政府が、クルスクでの戦闘に北朝鮮軍が参加したことを正式に認めた。

■政策立案者、韓国、日本、インド太平洋地域の司令官はどう考えるべきか

ゼレンスキー氏が明らかにした3つの問題には、それぞれ異なる政策対応が必要であり、対応の緊急性も関係者によって異なる。

ソウルと東京にとって、KN-23の誤差が2キロメートルから数メートル規模へ縮小したとの報告は、地域の脅威環境に構造的な変化が生じたことを意味する。韓国のミサイル防衛システムは、以前の世代の北朝鮮による脅威を想定して設計された。北朝鮮が現在保有し、増産を進めているミサイルには、朝鮮半島有事でも直面し得る条件の下で、迎撃を困難にする能力が実戦を通じて示された。RUSIによると、イスカンデルとKN-23を合わせたパトリオットの迎撃率は約15%まで低下していた。こうした実戦データは、ウクライナ戦争以前には得られていなかった。

湾岸地域を担当する米軍の作戦立案者にとって、ロシアの衛星情報がイランに攻撃前の目標情報と攻撃後の被害評価を提供しているとの主張は、ロシアが政治的にイランを後押ししているだけでなく、米軍関係者への攻撃を実質的に支援している可能性を示す。7月21日の公聴会におけるヘグセス氏の認識は慎重なものだった。CBSニュースが報じたように、ゼレンスキー氏が示したとする証拠が予定通り同盟国政府と共有されれば、事実関係が大幅に明確になる可能性がある。

より広範な同盟諸国にとって、ロシア、北朝鮮、イランは、並行しながらも互いに独立した反西側戦略を進める3つの主体ではなくなりつつある。軍事技術の移転、兵士の配備、衛星情報の共有は、単一の統合されたネットワークの形成を示している。まだ正式な同盟ではないものの、単なる取引関係より構造的に持続しやすい。このネットワークが生み出しているのは、ウクライナ上空、ホルムズ海峡周辺、アジアの米国の同盟国を狙うミサイル戦力など、複数の地域における西側の軍事的優位の低下である。

今回の状況が、ロシア、北朝鮮、イランの連携を巡る以前の警告と異なるのは、もはやすべてが推測だけに基づくものではない点だ。KN-23の精度向上に関するデータが報告され、北朝鮮軍の死傷者数も情報機関によって示されている。ヘグセス氏の証言は公的な記録に残り、ロシアによる衛星情報の提供についてはウォール・ストリート・ジャーナルも報じている。ゼレンスキー氏が保有するとする証拠が同盟国政府に共有されれば、これまでの情報を裏付ける可能性もあれば、より複雑な実態を示す可能性もある。ただし、議論の出発点はすでに単なる推測の段階を越えている。

■注目ポイントQ&A

●ロシアが使用し始めた頃と比べて、北朝鮮のKN-23ミサイルは現在どの程度正確ですか?

2023年12月下旬にロシアが北朝鮮の短距離弾道ミサイルKN-23をウクライナに対して初めて使用した際、ウクライナの指揮官は、着弾地点が目標から1〜3キロメートル外れたと報告しました。精度が極めて低かったため、ウクライナ軍は当初、このミサイルを信頼性に欠けるものとみていました。2025年半ばまでに、ウクライナ国防省情報総局のキリロ・ブダノフ局長は、ロシアのミサイル技術者が誘導システムの問題を修正したと述べました。2026年6月までに、ウクライナ軍の情報筋は半数必中界が1〜5メートルになったと報告しており、この数値が正しければ300〜3,000倍の改善に相当します。一方、民主主義防衛財団は2026年5月、ロシアが誤差を50〜100メートルにまで縮小したと報告しています。改良された設計仕様は北朝鮮へ移転されたと報じられており、平壌が国内試験だけでは開発できなかった可能性のある、実戦で検証された精密攻撃ミサイルを手にしたことを意味します。

●ロシアによる北朝鮮へのミサイル支援が、ウクライナ以外の国々にとって重要なのはなぜですか?

ウクライナ戦争が北朝鮮の弾道ミサイル部隊にとって実弾開発プログラムとして機能し、国内の試験場では再現できない実戦データを平壌にもたらしているためです。これは、制裁によって抑制されるはずだった兵器開発を加速させます。報告されているような数メートル規模の精度を持つKN-23は、2024年以前に北朝鮮が保有していたミサイルよりも、韓国、日本、インド太平洋地域の米軍にとって大きな脅威です。このミサイルは非武装地帯付近の発射地点から韓国全土へ到達できます。在韓米軍司令官のザビエル・ブランソン大将は2025年4月、ロシアとの協力が「今後3〜5年間に北朝鮮の大量破壊兵器計画を進展させることになる」と議会で証言しました。KN-23の改良はその過程で確認された最初の成果であり、北朝鮮は現在、5年間で生産能力を2.5倍に拡大しようとしています。

●ロシアは実際に、湾岸地域の米軍基地を標的とするイランを支援しているのですか?

ウクライナのゼレンスキー大統領は2026年7月25日、ロシアの衛星が7月初旬以降、バーレーン、ヨルダン、クウェートの米軍施設を撮影しており、その画像が後にイランへ渡ったと主張しました。また、撮影時期とイランによる攻撃の時期には相関があると述べ、7月19日と20日に観測された4つの基地を挙げました。この主張は一部、先行報道と一致しています。CBSニュースは以前、事情を直接知る米政府高官の話として、ロシアが米軍の配置情報をイランへ提供していると報じました。ウォール・ストリート・ジャーナルも2026年3月、ロシアが衛星画像の共有などを通じてイランとの軍事協力を拡大していると報じています。ピート・ヘグセス米国防長官は7月21日の上院公聴会で、ロシアと中国がそれぞれ異なる程度でイランの行動の一部を可能にしていることを認めました。ただし、ゼレンスキー氏が7月に示した具体的な主張について、米国政府は公式に確認も否定もしていません。ウクライナは、保有する情報を同盟国政府と共有するとしています。

●現在、何人の北朝鮮兵士がロシアに駐留しており、彼らは何を得たのですか?

韓国の国家情報院(NIS)は、2026年初頭の時点で約1万1,000人の北朝鮮兵士がロシアのクルスク州に駐留していると推定しました。2024年後半に配備が始まって以降、約2,000人の死者を含む推定6,000人が死傷しています。こうした損失にもかかわらず、NISは、北朝鮮軍がロシアの技術支援を通じて、現代的な戦闘戦術、戦場データ、兵器システムの改良に関する知見を得たと評価しています。これには、実戦でのドローン戦の経験や、電子戦環境を直接経験したことも含まれます。ゼレンスキー氏は7月25日、ロシアがヴォロネジ州で追加の北朝鮮兵士3万人を受け入れる準備を進めていると発表しました。この数字が確認され、実際に配備されれば、ロシアの戦争に対する北朝鮮の軍事的関与は、これまで確認されている規模の2倍以上になります。

元記事: Russia Ran North Korea’s Ballistic Missile Lab in Ukraine, Is Sending Results Home

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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