エスプール、中間期は計画上振れ、26年11月期2桁増益へ、主力サービス好調で再成長基盤を整備

2026年7月28日 07:48

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 エスプール<2471>(東証プライム)は、障がい者雇用支援などのビジネスソリューション事業、およびコールセンター向け派遣などの人材ソリューション事業を展開し、広域行政BPOや環境経営支援などの拡大も推進している。26年11月期中間期は前期の一時的収益の反動で減益だが、計画比では大幅に上振れて着地した。障がい者雇用支援サービスや広域行政BPOサービスが好調に推移した。そして通期の2桁増益予想を据え置いた。環境経営支援サービスは売上が第4四半期に集中する見込みだ。26年11月期は基盤整備を完了し、27年11月期からの再成長を目指すとしている。積極的な事業展開で収益回復基調だろう。株価は5月の年初来安値圏から反発して戻り歩調だ。高配当利回りなども支援材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■ビジネスソリューション事業と人材ソリューション事業を展開

 ビジネスソリューション事業(障がい者雇用支援サービス、広域行政BPOサービス、環境経営支援サービス、通販発送代行サービス、採用支援サービス、販売促進支援サービスなど)、および人材ソリューション事業(コールセンター向け派遣、販売・営業スタッフ派遣、施工管理技士派遣など)を展開し、新規事業の拡大も推進している。

 グループは事業持株会社・新規事業開発の同社、人材派遣・アウトソーシングのエスプール・ヒューマンソリューションズ、障がい者雇用支援のエスプールプラス、広域行政BPOのエスプールグローカル、サステナビリティ経営支援のエスプールブルードットグリーン、通販発送代行のエスプールロジスティクス、販売促進支援のエスプールセールスサポート、採用支援のエスプールリンク、事業承継支援のエスプールブリッジ、サイバーセキュリティ支援のCyberCrewで構成されている。なお26年6月1日付(予定)で同社のプロフェッショナル人材活用サービス事業をエスプールブリッジに承継する。

 25年11月期のセグメント別業績(セグメント間取引および全社費用等調整前)は、ビジネスソリューション事業の売上収益が165億54百万円(障がい者雇用支援90億45百万円、広域行政BPO13億68百万円、環境経営支援19億28百万円、通販発送代行13億31百万円、採用支援8億04百万円、販売促進支援14億14百万円)で営業利益が35億85百万円、人材ソリューション事業の売上収益が95億79百万円(コールセンター75億96百万円、販売支援8億02百万円、その他11億82百万円)で営業利益が8億22百万円だった。

 ESG関連では、25年2月に環境情報開示システムを提供する国際的な非営利団体であるCDPによる評価で最上位のリーダーシップレベルに位置する「A―」の評価を2年連続で獲得した。25年12月にはJobRainbowが主催する「D&I AWARD 2025」において最高評価となる「ベストワークプレイス」に初めて認定された。26年2月にはエスプールプラスが一般社団法人日本障害者雇用促進事業者協会に正会員として加盟した。26年3月には「健康経営優良法人」に7年連続で認定された。また福利厚生の充実・活用に注力する法人を認証・表彰する制度「ハタラクエール2026」において「福利厚生推進法人」として認証された。

■ビジネスソリューションは障がい者雇用支援が主力

 ビジネスソリューション事業は障がい者雇用支援を主力として、広域行政BPO、環境経営支援、通販発送代行、アルバイト・パート求人応募受付代行(OMUSUBI)の採用支援、対面型会員獲得・販売促進の販売促進支援なども展開している。

 障がい者雇用支援「わーくはぴねす農園」は、障がい者雇用を希望する企業に対して農園を貸し出し、企業が主に知的障がい者を直接雇用する。障がい者の職業的自立および社会参加の支援を通じて、ノーマライゼーション社会の実現に貢献する事業である。売上高の内訳は運営管理費、設備販売、人材紹介料などである。25年11月期末の農園数は59農園(屋外40、屋内19)で、管理区画は9883区画、就労者数は4942名(定着率92%)となった。期末時点の顧客数は前期末比58社増の722社、通期の設備販売は1308区画だった。26年6月には川崎市幸区に全国62施設目となる「わーくはぴねす農園」を開設した。

 25年12月には産直通販サイト「食べチョク」を運営するビビッドガーデンと、障がい者雇用支援サービス「わーくはぴねす農園」において収穫された野菜の販路拡大を目的としたPoC(概念実証)を開始した。販売モデルの構築・検証を行い、野菜の収益化を目指す。26年2月には、東京大学国際高等研究所ニューロインテリジェンス国際研究機構(WPI-IRCN)の長井志江特任教授が率いる「認知発達ロボティクス研究室」より学術指導を受け、発達障がい者理解浸透の新施策を開始すると発表した。

 通販発送代行は抜本的な収益性改善に向けて品川センターの撤退を決定した。採用支援(OMUSUBI)は飲食・小売業を中心に求人応募受付業務を行っている。販売促進支援は24年3月にエスプールセールスサポートがベルシステム24と共同で「リアルプロモーションCRM」サービスの提供を開始した。顧問派遣サービスについては23年1月に企業のプロ人材の活用を支援するサービスの名称を新ブランド「TAKUWIL(タクウィル)」に変更した。

■広域行政BPO

 広域行政BPOはエスプールグローカルが人口10万人以下の地方都市を中心に、隣接する複数の自治体業務を受託する地方自治体向けシェアード型BPOサービスを全国展開している。

 25年6月には山口県宇部市よりリモート窓口およびDXコールセンター業務を受託した。本事業は総務省が主導する「フロントヤード改革モデルプロジェクト」の一環として、広域的な行政改革を推進する先駆的事例に採択されている。26年3月には、奈良市からAI活用による電話業務の高度化においてBPOパートナーに選定された。米ZOOM社の日本法人であるZVC JAPANのAI音声関連基盤を活用し、電話応対業務の刷新を図る。26年7月にはZVC JAPANと自治体領域における連携を開始した。

■環境経営支援

 環境経営支援は環境ビジネス分野での新たな収益柱の構築を目指し、20年6月にエコノス<3136>からカーボンオフセット事業を展開するブルードットグリーンの株式を取得して子会社化(22年4月に株式追加取得して完全子会社化、現エスプールブルードットグリーン)した。CO2排出量算定支援から、CDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)関連の排出量削減コンサルティング、クレジット仲介支援まで、ワンストップサービスの展開を推進する。

 ゼロカーボンシティ実現に向けた包括的連携協定・未来共創パートナーシップ協定については、直近では25年3月に北海道上川町、埼玉県児玉郡上里町、大阪府門真市、25年4月に兵庫県朝来市、福岡県宇美町、山梨県上野原市、25年5月に埼玉県宮代町、25年6月に福島県南会津町、25年7月に三重県大紀町、26年3月に山梨県北杜市、26年6月に栃木県高根沢町と締結して全国31件となった。

 また25年3月にはゼロカーボンタウンの実現を目指し、沖縄県嘉手納町および地域事業者と共同で設立した嘉手納町脱炭素推進コンソーシアムに参画した。26年2月にはエスプールブルードットグリーンが、Unravel Carbon合同会社とサステナビリティ経営支援に関して業務連携した。

■人材ソリューション事業はコールセンター派遣が主力

 人材ソリューション事業はコールセンター業務の派遣を主力として、販売・営業スタッフ派遣や施工管理技士派遣なども展開している。

■その他分野

 その他分野では、24年6月に地域中小企業の課題解決に向けて事業承継支援を展開する子会社エスプールブリッジを設立した。24年9月にはエスプールブリッジが地方創生支援の取組として、地域特産品を販売するオフィスコンビニ「ふるさとすたんど」サービスを開始した。24年10月にはサステナビリティ研修ツール「PivottAサステナ」を活用し、ニフコと共同でニフコのサプライチェーンマネジメントにおける実証実験を開始すると発表した。

■中期経営計画(25年11月期~29年11月期)

 25年1月に策定した中期経営計画では最終年度29年11月期の目標値に売上収益360億円、営業利益45億円、営業利益率13.3%、連結配当性向30%以上、高水準のROE維持を掲げている。24年11月期実績を基準とするGAGR(年平均成長率)は売上収益が7.1%、営業利益が10.1%となる。重点戦略として主力事業を軸としたオーガニック成長の継続、グループシナジーによる事業推進、AI/DX活用による収益性および経営効率の向上、次世代を担う多様な人材の育成を掲げている。

 注力事業の戦略として、障がい者雇用支援(売上収益29年11月期目標130億円、GAGR10.6%)については、農園サービスの全国展開(24年11月期53農園、29年11月期目標90農園)を推進し、26年11月期より既存モデルの7大都市圏への拡大、27年11月期より小規模な新型モデルの地方都市への展開を推進する。

 26年1月には「障がい者雇用支援事業の成長戦略」を策定した。重点戦略として農園サービスの持続的成長(既存課題への対応による事業基盤の強化)、事業領域の拡充(障がい者支援の幅を広げる新たなサービス展開)、アカデミア・ディープテック連携(先端技術活用による新たな雇用支援の高度化・開発)を推進し、障がい者本人とその家族のウェルビーイング向上に貢献する。

 広域行政BPO(同29年11月期目標29億円、GAGR14.0%)については、広域行政モデルの確立に向けて、BPOセンターの拡充(24年11月期21拠点、29年11月期目標30拠点)や、広域行政業務比率の引き上げ(24年11月期30%、29年11月期目標70%)を推進する。

 環境経営支援(同29年11月期目標24億円、GAGR8.5%)については、サステナビリティ経営コンサルティングのリーディングカンパニーを目指し、顧客基盤拡大、サービスメニュー拡充による顧客深耕、コミュニティプラットフォーム立ち上げなどを推進する。

 また、人材アウトソーシングサービス(同29年11月期目標110億円、GAGR0.7%)では、フィールドコンサルタントの専門性向上による現場改善機能強化や、派遣スタッフの定着率アップによる顧客満足度向上などにより、高付加価値化を推進する。

 25年2月には「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」をリリースした。25年1月に公表した新中期経営計画の着実な実行を通じて、資本収益性を一層向上することを前提に、効果的なIR活動を推進し、市場評価の向上と資本コストの改善に取り組む。

■26年11月期2桁増益予想

 26年11月期連結業績(IFRS)予想は売上収益が前期比3.1%増の268億44百万円、営業利益が13.0%増の27億33百万円、親会社所有者帰属当期利益が14.9%増の16億59百万円としている。配当予想は前期と同額の10円(期末一括)としている。予想配当性向は47.2%となる。

 中間期の連結業績は売上収益が前年同期比1.5%増の126億81百万円、営業利益が19.6%減の6億48百万円、親会社所有者帰属中間純利益が30.9%減の2億83百万円だった。

 前年同期比では環境経営支援サービスにおける一時的収益の反動で減益だったが、計画(26年1月14日付の期初公表値、売上収益123億69百万円、営業利益4億39百万円、親会社所有者帰属中間純利益1億94百万円)比では大幅に上振れて着地した。障がい者雇用支援サービスや広域行政BPOサービスが好調に推移した。

 セグメント別(内部取引、全社費用等調整前)に見ると、ビジネスソリューション事業は売上収益が9.1%増の83億09百万円で、営業利益が6.0%増の15億05百万円だった。

 障がい者雇用支援サービスの売上収益は11.5%増の49億90百万円だった。設備販売は前年同期比18区画増の710区画、期末時点の顧客数は前年同期比53社増の750社だった。農園は3施設(屋内3施設)を開設し、期末時点で62農園(屋外40、屋内22)となり、管理区画は1万477区画、就労者数は5239名(定着率92%)となった。設備販売は第2四半期が482区画となり、計画405~455区画に対して上振れた。新年度の農園利用開始に伴う需要を取り込んで伸長した。

 広域行政BPOサービスの売上収益は60.5%増の7億76百万円だった。物価高騰対策等のスポット業務受注が牽引した。安定収益基盤となる共同BPO業務については一部案件で立ち上がりに時間を要した。なお長崎県対馬市に23拠点目となる新センターを開設した。離島における共同BPOモデルの構築に取り組む。環境経営支援サービスの売上収益は27.9%減の3億25百万円(企業向けが38.0%減の3億25百万円、自治体向けが47.6%増の1億03百万円)だった。カーボンクレジットの大口販売の反動で減収だが、コンサルティング案件の納品が第4四半期に集中する見込みだ。

 通販発送代行サービスの売上収益は7.7%減の6億03百万円だった。26年5月に品川センターの撤退および流山センターへの統合が完了した。採用支援サービスの売上収益は2.4%減の4億10百万円だった。採用支援サービスの応募数が減少した。また健康診断業務代行サービスはイレギュラー対応の増加で生産性が低下し、損失を計上した。販売促進支援サービスの売上収益は2.4%増の6億96百万円だった。下期からの業務拡大に向けて人員採用および運営体制の強化を推進した。

 人材ソリューション事業は売上収益が10.0%減の44億23百万円、営業利益が23.6%減の2億82百万円だった。売上収益の内訳は、コールセンター派遣が10.2%減の35億13百万円、販売支援が4.1%増の4億31百万円、その他(建設技術者派遣など)が18.2%減の4億81百万円だった。コールセンター派遣は減収だが、スタッフの新規投入および退職抑制の取り組みの効果により、第2四半期は第1四半期比で増収に転じた。販売支援は大型スポット案件により堅調に推移した。建設技術者派遣は運営体制変更によりスタッフ新規投入が計画を下回った。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上収益が59億38百万円で営業利益が36百万円、第2四半期は売上収益が67億43百万円で営業利益が6億12百万円だった。

 通期連結業績予想は前回予想(26年1月14日付の期初公表値)を据え置いている。なお環境経営支援サービスの売上が第4四半期偏重のため、四半期別営業利益の期初計画は第1四半期が2億05百万円の損失、第2四半期が6億44百万円、第3四半期が5億17百万円、第4四半期が17億77百万円としている。

 通期のセグメント別(内部取引、全社費用等調整前)計画は、ビジネスソリューション事業の売上収益が9.5%増の181億24百万円で営業利益が19.8%増の42億95百万円、人材ソリューション事業の売上高が7.1%減の89億円で営業利益が16.1%減の6億90百万円としている。ビジネスソリューション事業は障がい者雇用支援サービスを中心に増収増益を見込む。人材ソリューション事業は前下期比で増収転換を目指す。

 売上収益の計画についてはビジネスソリューション事業の障がい者雇用支援サービスが10.9%増の100億29百万円、広域行政BPOサービスが15.1%増の15億75百万円(上期6億25百万円、下期9億50百万円で下期偏重)、環境経営支援サービスが0.8%減の19億13百万円(企業向け1.1%減の16億35百万円、自治体向け0.5%増の2億78百万円)、通販発送代行サービスが12.2%減の11億69百万円、採用支援サービス(OMUSUBI)が28.0%増の10億30百万円、販売促進支援サービスが13.1%増の16億円、そして人材ソリューション事業のコールセンター派遣が11.8%減の89億円、販売支援が0.2%減の8億円、その他が18.5%増の14億円としている。

 障がい者雇用支援サービスの農園開設は6農園、設備販売は1350区画(第3四半期250~300区画、第4四半期340~390区画)の計画である。就労者のキャリアアップ支援強化や野菜の活用拡大など農園の価値向上に注力するほか、来期以降の農園の地方展開を見据えて足元の課題対応に注力する。

 広域行政BPOサービスは前期の反省を踏まえ、未確定の国策案件を含まずに売上計画を策定した。またスポット業務の一巡により第3四半期の売上が一時的に落ち着く見込みだ。環境経営支援サービスはコンサル案件の納品時期の影響により、売上が第4四半期に集中(第4四半期の売上高計画11億51百万円)する見込みだ。

 通販発送代行サービスは品川センターの統合が完了(営業利益約1億50百万円の押し上げ効果)し、下期からの本格的な収益改善を見込む。採用支援サービス(OMUSUBI)は、収益改善が困難な健康診断業務代行サービスを今期中に終了し、採用支援サービスに経営資源を集中する。販売促進支援サービスは既存主要顧客との取引拡大を推進する。

 コールセンター派遣は受託業務を本格開始し、ニーズの強い発信業務を中心に受注拡大を図る。販売支援は案件ラインアップ拡充により堅調な売上推移を目指す。建設技術者派遣は事業方針見直しにより新規営業を抑制する。

 26年11月期は2桁増益予想としている。基盤整備を完了し、27年11月期からの再成長を目指すとしている。積極的な事業展開で収益回復基調だろう。

■株価は戻り歩調

 株価は5月の年初来安値圏から反発して戻り歩調だ。高配当利回りなども支援材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。7月27日の終値は271円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS21円24銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の10円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS130円77銭で算出)は約2.1倍、そして時価総額は約214億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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