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アスカネット、27年4月期2桁営業・経常増益予想、葬儀市場回復と新規顧客増加が牽引
アスカネット<2438>(東証グロース)は、葬儀社・写真館向け遺影写真加工のフューネラル事業、写真館・コンシューマー向けオリジナル写真集制作のフォトブック事業、空中結像ASKA3Dプレートの空中ディスプレイ事業を展開し、写真加工技術、印刷技術、XR技術、空中映像技術を融合した新サービスの開発・展開を本格化させている。27年4月期は2桁増収、2桁営業・経常増益予想としている。前期に落ち込んだ葬儀市場の回復などを見込んでいる。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は6月の安値圏から反発して下値を切り下げている。調整一巡して出直りを期待したい。
■写真加工関連を主力として、空中ディスプレイやXR領域も展開
葬儀社・写真館向け遺影写真加工のフューネラル事業、写真館・コンシューマー向けオリジナル写真集制作のフォトブック事業、空中結像ASKA3Dプレートの空中ディスプレイ事業を展開している。
さらに写真加工技術、印刷技術、XR技術、空中映像技術を融合した新サービスの展開を本格化させている。23年12月に子会社化したXR領域のBETは、Vライバー(バーチャルキャラクターにて各種アプリサービスを利用し、ライブを行う配信者)事務所Razzプロダクションの運営を行うスタートアップ企業で、所属Vライバーが550名を超える最大手のVライバー事務所である。また26年6月にはフェニックスホールディングが宮崎県を中心に大分・熊本エリアにて「ドリームランド」ブランドで展開するペット葬儀・霊園事業を譲り受けた。
26年4月期のセグメント別売上高(外部顧客への売上高)はフューネラル事業が33億01百万円、フォトブック事業が36億95百万円、空中ディスプレイ事業が1億05百万円、営業利益はフューネラル事業が6億32百万円、フォトブック事業が6億77百万円、空中ディスプレイ事業が▲2億83百万円、全社費用等調整額が▲6億34百万円だった。フューネラル事業は葬儀関連、フォトブック事業はウェディング・卒業・入学イベント関連などが主力市場のため、いずれも下期の構成比が高い季節特性がある。なお27年4月期よりBETをフォトブック事業から空中ディスプレイ事業へ移管する。
また新規事業も視野に入れて、人工知能搭載ソーシャルロボット「unibo」を開発・製造するユニロボット、全身高速3Dスキャナーおよび3Dデータ処理システム開発・製造のVRC社、AIカメラソリューション開発のAWLと資本業務提携している。22年1月にはベンチャーファンド「XVC1号投資事業有限責任組合」へ出資した。26年4月にはcizucuと資本業務提携した。cizucuは、写真表現を行うクリエイターを繋ぐコミュニティ・プラットフォーム「cizucu」を運営しているほか、誰もが撮影した写真を気軽に展示できる新しい体験「photo poster project」の国内および海外展開にチャレンジしているスタートアップ企業である。
■フューネラル事業は葬祭市場をIT化する葬Techを推進
フューネラル事業は、全国の葬儀社をネットワークで繋ぎ、葬儀に使用する遺影写真のデジタル加工処理を行うサービスである。同社の専門オペレーターがデジタル加工を行い、葬儀社に設置されたハード機器に出力する。収益は加工オペレーション収入、サプライ品売上、ハード機器売上などである。
92年に国内初となる遺影写真デジタル加工・出力を開始し、26年4月期末時点のハード設置件数は前期末比3.5%増の3241カ所、25年4月期の新規加工枚数は前期比4.0%減の47万7827枚となっている。同社の推定市場シェアは約3割~4割(1位)である。
成長戦略として、葬祭市場における豊富な顧客基盤(葬儀社)を活用し、葬儀社・喪家・会葬者を繋ぐ訃報配信・香典サービス「tsunagoo(つなぐ)」(特許取得済)の拡大、動画やサイネージを活用した新たな演出ツールの提供など、葬祭市場をIT化する「葬儀×TECH=葬Tech」を推進している。なお「tsunagoo」は全国の葬儀社810社以上(3800会館以上)に導入され、WEB訃報配信数が17年のサービス開始以来累計58万件を突破している。
25年6月には新映像サービス「snapCINEMA」をリリースした。故人の写真をもとにAI技術と長年の遺影写真加工ノウハウを融合させることで、自然な表情や仕草、優しい眼差しなどを丁寧に再現し、まるで「映画のワンシーン」のような臨場感と感動をもたらす映像を制作する新サービスである。葬儀社・互助会を通じて提供する。導入葬儀社(会館数)は25年6月のサービス開始から約半年間で850箇所を突破した。
25年12月には、故人の洋服やネクタイ生地などを利用して表紙をカスタマイズできる小さな写真フレーム作成キット「ポケフレ」の提供開始を発表した。また葬儀業界初となる葬儀社向けECサイト作成サービス「ECプラス」の提供開始を発表した。26年5月には葬儀会場での香典キャッシュレス決済の提供を開始した。26年6月にはペット葬儀・霊園事業を譲り受けてペット葬祭市場へ本格参入した。フューネラル事業とのシナジー創出とDX推進により新たな成長領域開拓を推進する。またAIを活用してオリジナル楽曲と映像を制作するサービス「Dear Song」の提供を開始した。
■フォトブック事業は写真集製作サービス
フォトブック事業はオリジナル写真集をネットで受注・製作するフォトブックサービスである。高度なカラーマネジメント技術やオンデマンド印刷制御技術などを強みとしている。全国の写真館・プロフェッショナル写真家向け(BtoB)の「ASUKABOOK」と、一般消費者向け(BtoC)の「MyBook(マイブック)」を主力に、NTTドコモのフォトブック印刷サービス「dフォト」にフォトブック・プリント商品を供給するOEMも展開している。
25年末には「ASUKABOOK」の累計出荷冊数が500万冊を突破、さらに「ASUKABOOK」「MyBook」を中心にOEMも含めたフォトブック全体の累計出荷冊数が2200万冊を突破した。
26年3月期の分野別売上高構成比はBtoBが61%、BtoCが27%、海外が1%、ライブ配信・送料・その他が12%だった。26年4月期末時点のBtoB契約件数は前期末比5.5%増の1万8977件、稼働件数は4.0%増の6161件、マイブック会員数は6.0%増の41万6789人となった。
成長戦略として、BtoBではスタジオ写真向けや建築写真向け製品などの拡販、BtoCでは子どもの成長記録やカレンダー・卒業アルバムなど季節製品の拡販、等身大アルバム付き出張撮影サービスなど、付加価値の高い新サービスの開発・提供を推進している。
25年10月には資本業務提携先でウェディングDX事業を展開するトキハナと共同で、結婚式や前撮り後からでも注文できる高品質アルバム「メモリアルブック」の提供を開始(トキハナよりリリース)した。26年4月にはcizucuと資本業務提携した。シナジー創出を推進する。26年7月には京都の御朱印帳から着想を得た新商品として、プロフォトグラファー向けフォトブックやパネルの発売を開始した。
■空中ディスプレイ事業は空中結像ASKA3Dプレート
空中ディスプレイ事業(サービスブランドはASKA3D)はASKA3Dプレート)の製造・販売を展開している。プレートだけで空中に映像を浮かばせる空中ディスプレイが可能となるシンプルな構造が特色であり、サイネージ分野の他、車載、医療、飲食、アミューズメント、エレベータの操作パネルなど多方面の業界・業種から注目されている。
技術面では受動系と能動系に大別される。受動系は画像映像を表す光を受け、特殊なパネルを通過することによって反対側の空中に映像を結像する。能動系は自ら立体映像を空中に創出する技術である。いずれも特許を取得しているが、第3の柱の育成に向けて現在は受動系を優先して開発・事業化を進めている。高品質の空中結像を可能にする小ロット向けの大型ガラス製プレートはサイネージ用途、大ロット向けに低コストでの供給が可能な樹脂製プレートは製品組込用途として開発・製造・販売を進めている。また樹脂製プレートについては従来よりも大きいサイズの開発により、操作パネルとしての用途拡大を推進している。
26年3月には空中ディスプレイ事業の技術開発センター閉鎖、および中国の戦略的パートナー企業であるYesar社との中国におけるライセンス契約締結(契約期間10年)を発表した。ガラス製ASKA3Dプレートについては、自社での生産体制確立に向けた投資を中止し、保有する在庫の販売を優先する。将来的に保有在庫が枯渇した場合は外製による生産体制を再構築する。安価な樹脂製ASKA3Dプレートについては保有する特許や製造に関するノウハウをライセンス供与し、新たな収益源とする戦略を推進する。この方針に基づいて中国のYesar社にライセンス供与し、樹脂製ASKA3Dプレートの現地生産に向けた準備を開始した。同社はYesar社からイニシャルライセンス料および樹脂製ASKA3Dプレートの販売数量に応じたライセンス料(年間ミニマムライセンスの設定あり)を受け取る。またYesar社が製造した樹脂製ASKA3Dプレートを同社も販売する。
26年6月にはVライバー事務所を運営する子会社BETが、事務所内最高位のプロフェッショナルライバー制度「STELLAR」を始動し、約600名の所属ライバーの中から選ばれた5名が第1期STELLARライバーとして活動開始した。
26年7月には空中結像ASKA3Dプレートが、日立プラントサービスが開発した手技AI解析ソリューション「SHUGY」の操作インターフェースとして採用されたことを公表した。製薬・医療現場の衛生性と作業効率の向上の両立に貢献する。高度な衛生環境が求められる製薬・医療分野において「非接触操作」を実装した一例である。
■写真加工技術、XR技術、空中映像技術を融合した新サービス
22年8月に、仮想空間で活動するメタバースユーザーの「おもい」を表現していくソーシャルVR向けサービスとして「かえでラボ」を設立し、仮想空間上で撮影された写真を現実空間でカタチにするテストマーケティングを開始した。子会社BETと連携し、Vライバーとの商品企画・開発・制作、リアル×バーチャルのコミュニケーション企画、メディミックスなどバーチャルライバー事業を通じてXR領域への事業展開を強化する。
25年9月にはASKA3D技術を活用した「浮空(うくう)ライブステージシリーズ」の販売を開始した。空中映像で新たな推し活体験を実現する個人向けの空中ディスプレイ「浮空ライブステージHome」は卓上サイズの空中ディスプレイで、背景にスマートフォンを設置することにより、誰でも簡単に空中映像を楽しむことができる。IP関連企業やライバー・VTuberとのコラボレーションなど、キャラクターアイテムとしてのビジネス展開を目指す。イベント会場・商業施設・博物館・美術館・自治体関連等向けの「浮空ライブステージ匠(たくみ)」は、大型サイズの施設向け空中ディスプレイ筐体である。等身大のバーチャルキャラクターやリアルヒューマンが現実空間に現れ、会話やハイタッチなど双方向のインタラクティブなコミュニケーションが可能であり、イベント等の集客力向上を実現する。
26年5月にはAIソリューションを提供するエボルブと共同で、空中ディスプレイ「浮空ライブステージ」を活用したAI接客ソリューションの提供を開始した。
■中期経営計画
26年6月に「思いを、カタチに」をミッションとした中期経営計画(2026~2028)を策定した。目標値としては最終年度29年4月期の売上高100億円、営業利益8億円、ROE8%を掲げている。配当については1株当たり7円の配当を最低限維持し、配当性向30%以上とする。
基本方針は成長の実現、効率向上の実現、強固な経営基盤の実現とした。成長の実現では4つの成長戦略とM&Aの活用により持続的な成長を実現し、企業規模拡大を追求する。そしてオーガニック成長とM&Aの活用により29年4月期売上高100億円を目指す。効率向上の実現では営業・生産/開発・資本の効率化を実現し、事業部間連携によって筋肉質な企業体質を構築するとともに、次のステージのための先行投資も進め、29年4月期営業利益率8%を達成する。強固な経営基盤の実現では人的資本投資を軸に、攻めの面ではイノベーション推進・情報発信・成長基盤投資を強化し、守りの面ではコンプライアンス・情報セキュリティ・知財活用を強化することにより、経営の足腰を強化する。
事業別の重点戦略として、フューネラル事業では家族葬の一般化に伴って葬儀規模が縮小傾向だが、圧倒的な顧客基盤と品質・開発力を活かし、安定成長・事業領域拡大・BtoC強化の3つの戦略で成長を目指す。安定成長では遺影加工シェア拡大、事業領域拡大・BtoC強化では「tsunagoo」サービスによる葬儀社DX支援や葬儀周辺市場への展開、さらにペット葬祭市場への展開を推進する。フォトブック事業では写真アウトプット市場が進む中、業界再編の受け皿として顧客基盤を拡大することで既存事業の収益基盤を強化するほか、周辺領域への事業拡大、BtoCの未開拓領域へのマイブックを軸とした顧客接点拡大を推進する。空中ディスプレイ事業では戦略パートナーとの連携により、顧客基盤拡大と深耕、ライセンスビジネスの本格展開、推し活市場への展開、地方企業の強みを活かした地域活性化や社会課題解決への貢献を推進する。また未来投資戦略として、既存ビジネスの深耕・拡大を目的としたM&Aを推進し、シェア拡大と収益基盤強化を図る。
事業別の29年4月期主要KPI目標として、フューネラル事業では売上高43億円(26年4月期実績33.0億円)、遺影写真新規加工枚数60万枚(同47.8万枚)、DXサービス契約件数1500件(同824件)、新規サービス・ビジネス立ち上げ件数6件を目指す。フォトブック事業では売上高39億円(同34.3億円)、アスカブック契約数2.2万件・稼働率40.0%(同1.9万件・35.3%)、アウトソーシングサービス契約件数200件(同90件)、マイブック会員数50万人(同42万人)を目指す。空中ディスプレイ事業では子会社BETを含めて売上高8億円(同3.7億円)パッケージ製品販売件数30件(同6件)、ライセンス契約4件(同1件)、新技術関連の特許申請15件(同6件)を目指す。また未来投資戦略としてM&Aの活用(累計M&A実施件数3~5件、累計M&A投資金額10億円)により、グループ全体で売上高10億円(事業シナジー案件は各事業部売上に計上)規模以上の増加を目指す、
■サステナビリティ経営
サステナビリティ経営への取り組みとしては、23年7月に女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を更新し、目標に女性管理職比率13%以上、正規雇用労働者の男女賃金差異78%以上、有給休暇取得率85%以上維持を掲げている。25年6月には奨学金返還支援制度の創設を発表した。25年11月には、新たな価値創造やより働きやすい環境づくりに貢献することを目的として、つながりコミュニケーション補助制度(通称:つなコミ)を導入した。26年4月には、従業員の育児時短勤務の可能な期間について、育児・介護休業法で定められた「3歳未満まで」を超える「小学校卒業まで」に延長した。
環境問題への取り組みとしては、スタッフが葬儀社を定期的に訪問し、使用済みインクカートリッジ回収に取り組んでいる。23年の回収個数は4015個、回収率は13%だった。
26年5月には新たなMVVC(ミッション・ビジョン・バリュー・カルチャー)を策定した。ミッションは「『思いをカタチに。』~受け取る想い、創る思い。~」、ビジョンは「業界と社会を、一歩進める存在になる。」とした。またプロ野球球団阪神タイガースの女性ファン向けイベント「TORACO DAY 2026」に合わせ、推し活グッズ「TORACO飾れる収納ボックス」をOEM製造した。今後もスポーツ・エンターテインメント領域におけるファン体験価値向上を目的に、OEM製造を通じた商品開発を推進する。
■27年4月期2桁営業・経常増益予想
27年4月期の連結業績予想は売上高が前期比10.7%増の78億60百万円、営業利益が17.4%増の4億60百万円、経常利益が10.8%増の4億75百万円、親会社株主帰属当期純利益が7.6%増の3億15百万円としている。配当予想は前期と同額の7円(期末一括)としている。予想配当性向は33.1%となる。
2桁増収、2桁営業・経常増益予想としている。事業別売上高の計画はフューネラル事業が12.4%増の37億10百万円、フォトブック事業が4.4%増の35億90百万円、空中ディスプレイ事業が54.5%増の5億70百万円としている。
売上面は、フューネラル事業では市場の回復と新規顧客の積み上げを中心に増収を見込む。フォトブック事業では事業環境を楽観視できないものの、BPO型サービスの拡大、値上げ効果、コミュニティマーケティングなどの施策による増収を見込む。空中ディスプレイ事業ではパッケージ製品の販売強化、ライセンス収入の実現、XRチームと子会社の融合などにより売上増の実現を図る。利益面では、フューネラル事業では増収効果に加え、オペレーションセンターの効率的運営により増益を見込む。フォトブック事業については原材料費の増加、人員拡充による人件費の増加、東京拠点統合に伴う諸費用発生の影響で減益を見込む。空中ディスプレイ事業は、東京拠点統合によって一過性の諸費用が発生するが、増収効果、粗利率改善、技術開発センター閉鎖によるコスト減少などにより営業損失縮小を図る。なお東京で分散している3事業所の集約化を計画しており、移転費用、重複家賃、中途解約金、備品費など合計約50百万円を費用として予算計上している。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株主優待制度は毎年4月末の株主対象
株主優待制度(詳細は会社HP参照)は毎年4月30日現在の株主に対して、所有株式数に応じて自社サービス(マイブック)割引利用券を贈呈している。
■株価は下値切り上げ
株価は6月の安値圏から反発して下値を切り下げている。調整一巡して出直りを期待したい。7月23日の終値は334円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS21円13銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の7円で算出)は約2.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS355円82銭で算出)は約0.9倍、そして時価総額は約58億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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