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SKハイニックス米上場で急増するレバレッジETF 上昇相場での爆発力の影にボラティリティー・ドラッグの罠

Photo by Austin Hervias on Unsplash[写真拡大]
韓国の半導体大手SKハイニックスのナスダック上場を受け、米国の運用会社は同社株を対象とするレバレッジ型・インバース型ETFを相次いで投入した。AI関連株の上昇を背景に商品数が急増する一方、日次の運用目標に伴う損失リスクや市場変動を増幅する可能性への懸念も強まっている。
SKハイニックスが7月10日にナスダック市場で取引を開始すると、プロシェアーズ、グラナイトシェアーズ、ディレクションなどの上場投資信託(ETF)運用会社は、同社株の日々の値動きの2倍に連動する方向、または逆方向に投資できるレバレッジ型・インバース型ファンドを速やかに立ち上げた。
一連の届け出の速さは、かつて保守的な長期のパッシブ運用手段として知られていたETFが、レバレッジと高い価格変動を特徴とする短期の投機手段へと転用されている実態を浮き彫りにする。こうした動きはSKハイニックスに限らない。AI関連株が急上昇するなか、ETF運用会社は市場で人気を集める多数の銘柄を、短期売買を行う投資家向けのレバレッジ商品に組み入れようと競っている。
グラナイトシェアーズのポートフォリオ・コンサルタント、マット・ラム氏はマーケットウォッチに対し、「この分野の顧客は値動きの大きさを求めている」と述べた。
ロイター通信が引用したディレクション、バンダ・リサーチ、ザ・コンパウンド・インサイツの調査によると、個別株を対象とするレバレッジETFの取引の約90%を個人投資家が占める。
ETFという仕組みは、複雑な投資戦略を簡便に利用できるようにし、幅広い投資家に門戸を開いた。長期投資家にとっては、分散されたポートフォリオを容易に構築でき、手数料が低く、比較的高い流動性も得られる。短期投資家にとっては、証拠金規制への対応や複雑なオプション戦略を必要とせず、株価の勢いに乗った取引がしやすくなる。
米証券取引委員会(SEC)によると、ETF業界の規模が12兆ドルに成長したのも不思議ではない。
特にレバレッジETFへの需要は、AIブームで利益を得ようとする個人投資家に支えられ、近年急増している。モーニングスターによると、2026年上半期に米国で新たに設定されたETFのうち、約31%をレバレッジ型とインバース型が占めた。前年同期の約22%から上昇した。
米国には現在、運用資産総額が2000億ドルに上るレバレッジETFが約700本ある。このうち80本を除く全てが過去2年間に設定され、400本は単一銘柄を対象としている。ベアード・ストラテガスのETF担当チーフストラテジスト、トッド・ソーン氏は最近の調査リポートで、これらの商品はETF業界全体の資産のわずか2%にすぎないにもかかわらず、「日によっては取引高の15〜20%に達する」と指摘した。
日々の上昇率を2倍にできる魅力は否定しがたいが、レバレッジETFの構造には、ボラティリティー・ドラッグという形で、個人投資家に深刻かつ誤解されやすい危険が伴う。相場が安定的に上昇し続ける局面ではレバレッジが効果的に働くが、値動きが荒い相場や横ばい相場では、投資比率を毎日調整するためファンドの価値が目減りする。
プロシェアーズ・ウルトラ・スペースX ETFの運用成績は、この落とし穴を端的に示している。スペースX株の日次収益率の2倍を目指す同ファンドは、数週間にわたる期間に、原資産であるスペースX株が10%の下落にとどまった一方、48%急落した。投資家が積極的にデイトレードを行い、1時間単位で保有状況を監視しない限り、こうした商品を保有し続けることで投資資金を短期間に失う可能性がある。
個々の投資家の損失に加え、レバレッジETFの急増は相場調整や価格変動を増幅する恐れがある。SECは潜在的な損害を抑えるため、現行の2倍という上限を超えるレバレッジETFの設定申請を繰り返し認めていない。一方、新たなETF投資戦略については一般から意見を募っている。
ETFアクションの創業パートナー、マイク・エイキンズ氏はCNBCに対し、レバレッジETFは「やや行き過ぎている」と述べ、場合によっては「市場のエコシステム全体にとって好ましくない」と指摘した。
韓国金融監督院(FSS)のイ・チャンジン院長は、サムスン電子とSKハイニックスに連動する12本のレバレッジETFが5月下旬に価値の半分を失ったことを受け、個別株ETFを承認したことへの後悔を公に表明した。ブルームバーグのデータによると、このうち最大のETFは設定以来45%下落し、6月の高値からは60%以上下落した。
ゴールドマン・サックスは、市場がわずか5%変動するだけで、47億ドルのリバランス資金が動く可能性があると試算する。これは韓国株式市場の通常の1日当たり売買高の約13%に相当する。
※この記事はInternational Business Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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