Meta株、一時最高値670ドルに急騰――AI構築コスト「半減」の予測が追い風も欧州での巨額罰金リスクも浮上

2026年7月13日 15:47

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記事提供元:Tech Times

Meta Platformsの株価が一時670ドル(約10万8,540円)の最高値を記録した。背景には、同社のAIインフラ構築コストが従来予測の半分に抑えられるとのアナリスト分析がある。一方で、欧州連合(EU)からデジタルサービス法(DSA)違反による巨額の罰金リスクも指摘されており、投資家は成長性と規制リスクの双方を注視している。

■株価最高値の背景とコスト予測の半減

2026年7月9日、Bank of America(BofA)がMetaを最優先推奨リスト「US 1 List」に追加した。ロイターが報じた内部メモに基づき、BofAのジャスティン・ポスト(Justin Post)アナリストは、Metaが1ギガワット(GW)のAI計算容量を導入するコストの見積もりを、従来の約450億ドル(約7兆2,900億円)から約220億ドル(約3兆5,640億円)へと半減させた。同氏は買い(Buy)レーティングを維持し、目標株価を835ドル(約13万5,270円)に設定している。

一方、同日に欧州委員会(EC)は、InstagramとFacebookがデジタルサービス法(DSA)に違反しているとの予備的見解を発表した。最大120億ドル(約1兆9,440億円、2025年売上高約2010億ドルの6%超)の罰金が科される可能性があるが、市場はこれを長期的な裁判リスクとして捉えている。

■1ギガワットあたり220億ドルがもたらすクラウドの経済学

ロイターのメモによると、Metaは2026年上半期に1GWのAIインフラを導入し、下半期にさらに5.5GWを追加して年末までに7GW、2027年末までに14GWを目指す計画である。1GWあたり220億ドルというコストであれば、BofAの試算によると、Metaが予測される19GWの容量の半分を市場価格でマネタイズした場合、950億〜1,420億ドル(約15兆3,900億〜23兆40億円)の増収をもたらす可能性がある。

コスト削減の要因として、テント型の「急速展開構造(rapid deployment structures)」の採用や、Samsung、SanDisk、住友電気工業との長期供給契約が挙げられる。これにより、半導体価格の上昇(チップフレーション)の影響を抑えつつ、迅速なインフラ展開を可能にしている。

■自社開発シリコン「MTIA」がもたらす優位性

MetaのAIワークロードの79%以上は、ディープラーニング推薦モデル(DLRM)が占めている。Metaはこれに特化した自社開発チップ「MTIA(Meta Training and Inference Accelerator)」を導入している。MTIA 300は2026年3月時点で稼働しており、GPUと比較して総所有コスト(TCO)を44%削減できるとされる。

次世代チップ「Iris」(MTIA v3)は2026年9月に量産開始予定であり、設計パートナーはBroadcomである。自社チップへの移行により、余剰となったGPUを他社へレンタルする「Meta Compute」の展開が可能になる。

■CoreWeaveとの競合関係と構造的リスク

Metaは現在、AIクラウドプロバイダーであるCoreWeaveの最大顧客であり、2026年4月に2032年12月まで総額約350億ドル(約5兆6,700億円)規模の契約を結んでいる。しかし、Metaが自社で14GWのインフラを構築すれば、外部からのGPUレンタルへの依存度は下がり、CoreWeaveにとっては競合となる。

2026年7月1日、Meta株が上昇した一方で、CoreWeave株は約14%下落、別のサプライヤーであるNebius株も約17%下落した。CoreWeaveはGPUを担保にした融資で資金調達を行っており、大口顧客であるMetaの自社インフラ移行は、同社のビジネスモデルに深刻な影響を与える可能性がある。

■EUによる120億ドルの罰金リスク

欧州委員会は、無限スクロールや自動再生などの機能がユーザー(特に子供)に依存症を引き起こすリスクがあると指摘している。違反が確定すれば、世界売上高の6%に相当する120億ドル(約1兆9,440億円)以上の罰金が科される可能性がある。これはXやTemuへの罰金規模を大きく上回る。

Metaは「Teen Accounts(ティーンアカウント)」などの対策を導入していると反論しているが、最終的な判断は欧州委員会の正式決定に委ねられる。投資家は、近く発表される2026年第2四半期決算において、クラウド事業の進捗とEU規制への対応に注目している。

■注目ポイントQ&A

●MetaのAI構築コストが1GWあたり220億ドルに半減することは、投資家にとって何を意味しますか?

MetaのAIインフラ構築コストが従来予測の約半分に抑えられる可能性を示しています。これにより、計画中のクラウド事業の収益性が大幅に向上する可能性があります。ただし、この数値はロイターが報じた内部メモに基づくものであり、Metaが公式に発表したものではありません。

●Meta Computeはすでに実際のクラウド事業として稼働していますか?

現時点では内部組織の段階であり、正式な価格設定や提供開始日、顧客リストなどは発表されていません。マーク・ザッカーバーグCEOは2026年5月の株主総会でクラウド事業の選択肢を認めていますが、具体的な商業展開の時期は未定です。

●EUによる最大120億ドルの罰金リスクは、Metaの成長シナリオにどう影響しますか?

欧州委員会の予備的見解は最終決定ではなく、Metaには反論の機会が与えられています。決定までには数年かかる可能性があるため、市場は直近のキャッシュアウトとしては捉えていません。しかし、確定すれば過去最大の罰金となり、広告収入の源泉である製品デザインの変更を余儀なくされるリスクがあります。

●CoreWeaveとの契約はMetaにとってリスクになりますか?

MetaはCoreWeaveと2032年までの長期契約を結んでおり、利用の有無にかかわらず支払う義務(テイク・オア・ペイ)があります。自社インフラの構築が進むと、不要な外部容量に対して支払い続ける「埋没コスト」となるリスクが指摘されています。

元記事: Meta Stock Hits Record $670 as AI Build Cost Undercuts Wall Street Model by Half

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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