今期24年連続増配予定:リンナイに興味を覚える理由

2025年12月24日 15:04

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 米国の代表的な株価指数に、S&P500がある。かの国の代表企業が構成銘柄。構成銘柄のうち25年以上連続で増配を続ける企業を対象にし、均等過重で算出される株価指数が「配当貴族株指数」と呼ばれる。

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 米国株を投資対象とするファンドマネージャーは年率で、配当貴族株指数を上回る運用を目指しているとされる。

 この指数の構成銘柄は原則、25年以上増配を続ける企業。毎年見直しが行われ「陥落組」「新規採用組」が決められる。銘柄の組み入れ比率上位10社を覗くと日本でも馴染みの深い「アフラック」「ジョンソンエンドジョンソン」「ウォルマート」が目に飛び込んでくる。

 連続増配企業は投資対象をセレクトする時、価値を持つ。大和証券はこんな試算を公にしている。「当初の投資元本:1000万円/当初配当利回り:2.00%/増配率5.00%/投資期間:30年」の場合、「30年目の配当利回り8.23%、年間配当金額82万3227円」。対して連続増配なしでは30年目の「配当利回り2.00%、年間配当金20万円」。

 確かに連続増配企業は興味深い。『連続増配企業ランキング』で検索すると「1位:35年連続/花王(4452、東証プライム)」以下が、浮かび上がってくる。

 言わば連続配当を「社是」としている花王で印象的だったのは2012年12月期。傘下のカネボウ化粧品の「白斑」問題に揺さぶられ期初計画を下方修正したが、通期増収増益をクリア「2円増配:24期連続増配」とした。

 その折、花王を取材し増配に関しこんな姿勢を聞いた。「こだわりを持っている。期末の現金収支(FCF)の使い方に優先順位をつけている。1番が成長の為の投資、2番目が安定かつ継続した配当原資だ」。感じ入った。花王の年初来高値は12月17日の6314円。過去10年近くの修正済み株価パフォーマンスは0.2%と、僅かながらもプラス。

 が私は臍曲がり。どことは言わないが連続増配企業ランキングを眺めていくと私的には「×」企業と出くわす。大手資本が上位株主に腰を据え、「親方企業の為の連続増配ではないか」と「木で鼻を括りたい」という思いが優先してしまうのだ。

 ではどんな企業なら満足かと言うと、例えばリンナイ(5947、東証プライム)。生活密着型のガス器具を取り扱う安定企業。今3月期計画:20円増配100円配計画を含め24年間の連続増配。時価4000円出入り水準。10年近くの修正済み株価パフォーマンス11%半ば。IFIS目標平均株価は算出者の7人中5人が「強気」の4545円。好収益動向を背景に上値余地をうかがわせている・・・。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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