四季報の楽しみ方?:【独自増額】のABホテル/東祥とどう向き合う

2025年12月16日 17:06

印刷

 会社四季報最新号:2026年新春号が間もなく発売される。楽しみ。手元にある25年秋号(9月18日発売)は、まさに旧盆の時期に取材されたもの。取材する側もされる側も余り働きたくないタイミング。外部ライターとして10年余り携わった者の、実感。と同時に四季報編集部のスタッフにとっては、時間の経過に伴い:新春号の作成のタイミングでは冷や汗ものだったのではないか・・・?

【こちらも】小野社長は強気姿勢崩さず、中計も上方修正 信越ポリマーとどう向き合うか

 四季報の「売り」のひとつは「独自予想」。当該期・翌期について会社予想に対し、独自の予想をし「もっと収益は上がる」と判断すれば【独自増額】と銘打つ。やはり私は性悪であるようで・・・

 その意味で新年号が届いたら、なにを差し置いても覗いて見たいのが秋号で【独自増額】とされたABホテル(6565、東証スタンダード)であり、東祥(8920、東証スタンダード)の業績欄の記事&予想収益動向。周知の通りABホテルは、東祥のホテル事業部門から2014年に分社化して生まれた。

 実は2社とも今期について「修正予想」を発表している。ABホテルは10月31日に今3月期の通期予想を期初の「売上高114億円、営業利益41億円、20円配」から、「120億円(四季報秋号予想118億円)、46億9000万円(47億5000万円)、24円配(20~24配)」に上方修正した。

 対して東祥は今3月期の中間期予想を引き上げたが通期予想は、「エネルギーコストの更なる上昇懸念や各国の通商政策の影響等、不透明状況のため」と据え置いた。通期予想は「267億9000万円、58億8000万円(四季報秋号273億円、65億円)」。

 四季報との楽しい付き合い方だと思うがどうだろう・・・

 本稿作成時点で東祥の株価は700円台半ば。予想税引き後配当利回り1.06%水準。9月22日高値(834円)から1割弱下値にある。ABホテルは1500円台終盤。予想税引き後配当利回り1.2%余り。2月7日高値(1812円)から13%近く下値水準。どちらかをジャッジするのは難しい・・・

 こんな時に私の頭に浮かぶのは、実体験。住まい処から遠からぬ埼玉県深谷市のABホテルに泊まったことがある。安価だった。改めて「今」を調べ直してみると「無料朝食バイキング付き、1泊2食5800円也」。深谷駅から徒歩10分余。ビジネスホテルとしては足の便・価格とも「〇」。インバウンダー需要を勘案すると、収益動向は今後とも引き続き・・・とも言えるが・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

関連記事