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12月のくりっく365、ドル・円はもみ合い、トルコリラ・円はじり安か
*17:39JST 12月のくりっく365、ドル・円はもみ合い、トルコリラ・円はじり安か
東京金融取引所(TFX)が手掛ける取引所為替証拠金取引「くりっく365」は、11月の取引数量が前月比20.0%減の159万2051枚、1日の平均取引数量は7万9604枚と前月比で減少した。11月末時点の証拠金預託額は5549.25億円と前月比で173.15億円増加した。取引通貨量では、米ドル、トルコリラ、メキシコペソ、南アフリカランド、豪ドルの順となった。一方、取引所株価指数証拠金取引「くりっく株365」は、11月の取引数量が前月比9.6%減の404万6629枚、1日の平均取引数量は20万2333枚と前月比で増加した。月末時点の証拠金預託額は1060.88億円となり、前月比で65.23億円の減少となった。
取引数量トップは米ドル・円で40万817枚(前月比33.8%減)であった。日米の金融政策見通しに関心が高まる中、じりじりと円安・ドル高が進行。11月19日に米労働統計局(BLS)が10月分の雇用統計発表中止を明らかにすると、米12月利下げ観測がさらに後退し、急速にドル高が進んだ。ただ、翌20日に発表された米9月雇用統計の結果がかろうじて12月利下げ期待を維持する内容だったため、ドル高の動きは失速。その後は、円安・ドル高のポジションをやや巻き戻す流れとなった。27日にハト派的ポジションで知られる野口日銀審議委員が利上げに含みを持たせる発言をしたことも、その後の日銀利上げ観測を強める材料のひとつとなったとみられるが、反応は限定的だった。ハンガリーフォリント・円は3万6328枚(前月比38.2%増)であった。11月18日にハンガリー国立銀行(中央銀行)は14回連続会合で政策金利の据え置きを決定。市場予想どおりの内容でサプライズはなかったものの、金利が下がりにくいという安心感が継続し、高金利通貨としてのフォリント需要は底堅く推移した。
12月のドル・円はもみ合いか。米政府機関閉鎖の影響で発表が遅れている11月米雇用統計は12月16日、消費者物価指数(CPI)は18日に発表予定であり、来年以降の米利下げ見通しを占ううえで注目材料となる。ただ、足元では連邦準備制度理事会(FRB)内での意見は割れており、利下げ路線継続については一定の弱いデータの蓄積が必要との見方もある。一方、国内でも長期的な利上げ姿勢継続へはまだ確信をもてない状況であり、日米いずれも金融政策の方向感が見えにくい。こうした環境下では大きくポジションを傾ける動きが抑制される可能性が高い。トルコリラ・円はじり安か。インフレが鈍化傾向を示していることを受け、トルコ中央銀行は断続的な利下げを実施しており、12月11日の政策金利決定会合でも利下げが実施されると予想されている。経済指標は底堅さを見せつつある一方、政治情勢は依然として不透明だ。先月には検察当局がエルドアン大統領の政敵であるイマモール・イスタンブール市長に対し禁錮2000年以上を求刑するなど、国内政治リスクが改めて意識されている。こうした状況下では海外投資家のリラへのリスクテイク意欲は高まりにくく、引き続きリラ・円は上値の重い推移が続くとみられる。《CN》
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