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中東情勢緊迫化で乱高下の仮想通貨
●イスラエル・イランの攻撃応酬でビットコインなど急落
6月13日にイスラエルがイランの核施設を空爆したことで緊張感が高まり、ビットコインなどの仮想通貨(暗号資産)が急落した。イーサリアムも約10%急落している。
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22日にはトランプ米大統領がイランの主要核施設3カ所への攻撃を発表したことを受けて、5月以来となる1BTC=10万ドル割れとなった。
その後、イスラエルとイランの停戦により、懸念されていたホルムズ海峡の封鎖のような事態には発展せず、中東の緊張が緩和されると約10%上昇し、10万ドルを回復した。
中東情勢で大きく動いた仮想通貨だが、地政学リスクで今後も仮想通貨は大きく動くのか?
●これまでと違う急落?
これまでは仮想通貨に対する取引規制に関するニュースで急落することが多かった。
2020年のコロナショック時には、ビットコインが急落したが金よりも早く回復し、ビットコインが今後デジタル・ゴールドとしての価値があるとまで言われた。
2020年以降は株式相場の急落時と同じように下落することが多く、有事のビットコインの役割は果たしていない。しかし、ロシアのウクライナ侵攻時のように一時的な急落の後に急上昇するパターンが多い。
●中東情勢とは違う思惑も?
Coinglassによると、6月13日の急落では、過去24時間で11億5000万ドル以上のロングオーダーが市場全体で消滅した。混乱に乗じた売り仕掛けの可能性も否定できない。
停戦報道で回復したが、これも緊張緩和だけが原因ではないという指摘もある。
同じ週にFRB(米連邦準備理事会)が将来的な利下げを示唆したことで、リスクオフに向かったことも上昇の原因と考えられる。
FRBが仮想通貨の銀行業務についても柔軟な姿勢を見せ、ステーブルコインに関する規制を整備するGENIUS法案が米上院で可決されるといったニュースも、追い風になっている。
ビットコインETFへの機関投資家の流入も強く、依然としてビットコインへの需要は強いと見られている。
今回のような地政学リスクは、仮想通貨には絶好の買い場となる状態がしばらく続きそうだ。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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