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ispace株急落!? 期待先行の危うさ
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●ispaceが月面着陸失敗で急落
日本の民間企業として初の月面着陸を目指すispaceの株価が、2回目の月面着陸ミッション失敗により、連日ストップ安となった。
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ispaceは、着陸船が月面にハードランディングした可能性が高いと推測。月面着陸のミッションを終了したことも発表した。
ispaceは、2022年にも月面着陸船を打ち上げていたが、着陸直前で失敗しており、今回はそのリベンジとして期待されていた。
成功すれば業績も黒字化し、“テンバガー株”としての期待もあったが、期待が大きかった分、失望売りに繋がった。
ispaceのような期待先行株にはどう向き合うべきなのか?
●期待先行株の危うさ?過去にも宇宙関連株で失望売りも
期待先行株は、大きなリスクが潜むことは言うまでもない。
記憶に新しいのが、2020年の新型コロナウイルスのパンデミック時、大阪大学発の製薬ベンチャー企業・アンジェスによるコロナワクチンの例がある。
まだ世界でコロナワクチンが開発されていない中で、いち早く開発に乗り出し、期待が先行して株価が上昇したが、2022年に開発失敗が発表されると大幅に売られた。
2023年のH3ロケット打ち上げ失敗時も、三菱重工株が大幅下落した。2024年にはJAXAのロケット試験で爆発が起き、傘下の企業が開発にかかわるIHIの株価が急落したことがあった。
宇宙開発は裾野が広く、成功すれば、月調査に関する経済活動だけでも1700億ドル(約24兆円)の経済規模となる予測もある。
●再チャレンジも
ispaceは失敗により、先に月面着陸に成功している米国や、月面基地建設を目指す中国に大きく後れを取った。
ただ、ispaceの挑戦はこれで終わるわけではなく、2年後の27年により大型の着陸機による本格的な輸送を行うミッション3および4を計画している。
株価に関しては、急落した翌週には若干買われている。
今回の失敗が大きな失望を招いたことは避けられないが、月周回軌道への投入、運用に成功したことは、大きな収穫である。
投資としては、3回目の挑戦も“3度目の正直”を期待し、着陸寸前に先取りして株価が上昇する場面もあるだろう。
先取りして買われる分、反動で売られるスピードも速く、空売りも入るとさらに下落に歯止めがかからなくなる。
「成功すれば、儲けもの」くらいのスタンスでの投資が望ましい。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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