月探査機EQUULEUSは通信途絶、OMOTENASHIも通信回復せず

2023年6月30日 11:46

印刷

記事提供元:スラド

AC0x01 曰く、 JAXAは6月27日に開催された文部科学省の有識者会議で、昨年11月にSLSにより打ち上げられた小型衛星「EQUULEUS」と「OMOTENASHI」の近況を報告した。両探査機とも通信が行えない状態にあるという(JAXA資料, 読売新聞)。

EQUULEUSはラグランジュ点から観測を行う小型探査機で、打ち上げ後は2023年末のラグランジュ点到達を目指し順調に飛行を続けていたが、5月18日より探査機からの電波が確認できなくなっているという。5月23~25日にかけて地球に接近した際に大型望遠鏡により観測が行われた結果、探査機が回転していることが示唆されたため、電源が枯渇して無制御で回転している状態と推測されている。原因については解析中。今後は太陽電池に光が当たって充電されるタイミングを待ちながら探索運用を継続するが、今のところ通信は復帰していないとのこと。

一方のOMOTENASHIは、打ち上げ直後に異常回転が発生して制御を失ったが、その後も2023年3月頃から太陽電池に光が当たって充電される可能性があるとして、一部可能な実験を行うことが検討されていた。しかしこちらも現時点で通信は復帰していないという。OMOTENASHIの探索運用は9月末まで続けるとしている。

 スラドのコメントを読む | サイエンスセクション | JAXA | サイエンス | 宇宙 |

 関連ストーリー:
JAXAが月探査機「OMOTENASHI」不具合の調査結果を報告 2022年12月29日
NASA、超大型ロケットSLSによるArtemis I ミッションが打ち上げ成功 2022年11月21日

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連キーワード

関連記事