furasucoと三井住友海上、個人間での中古車売買でローンの与信をAIにより審査

2023年6月28日 08:55

印刷

ローン審査モデルの概要(画像: furasucoの発表資料より)

ローン審査モデルの概要(画像: furasucoの発表資料より)[写真拡大]

 個人間取引に特化した中古車ローン仲介サービス「UcarNext」を運営するfurasucoは26日、三井住友海上火災保険と、中古車の購入意欲がある個人に対してAI技術を用いて与信評価を行う、ローン審査モデルの開発を行うと発表した。

【こちらも】輸入名車がネット注文で自宅に届くサービス カレントが開始

 近年、スマホアプリからも容易に個人間での中古車売買が可能となったが、支払いという大きな課題がある。特に高額なクルマは、現金が用意できないとローンを考えるが、個人売買ではローンでの購入ができないことが一般的だ。

 そのため、中古車購入をローンで考える場合は、販売店を介して購入することが一般的だ。一方で販売店では探すことが難しいクルマが、個人売買で出品されていることもあり、ローンが利用できれば選択肢が広がるだろう。

 自工会(日本自動車工業会)によれば、クルマを購入する層の約40%がローンを利用しているという。

 クルマのローンは、購入者が金融機関の審査に通ったとしても、その支払い先は、ローン契約者ではなく、クルマの購入先になる。ここが1つの問題で、金融機関は契約者が借り入れた金額を販売する個人には支払わない。そのため、個人間売買ではローンが使えなかった。 

 加えて、個人売買市場でローンが使えない理由には、未払いによるトラブルといったネガティブな部分もあり、金融業界でも対応が遅れている。そこで円滑な個人売買のローンを提供するには、個人売買取引の特性や個人属性、市場のニーズを適正に判断する必要があった。

 furasucoは今回、所有するデータを匿名加工し、それを三井住友海上が保有するAIエンジンを利用することで、適正な個人取引を支援する審査モデルを構築する。これにより、個人売買で懸念される取引リスクを軽減し、市場拡大を目指す。

 今後は、地方銀行や信用金庫が持つマイカーローンと連携し、サービス拡大を目指すという。(記事:小泉嘉史・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事