順調な収益街道歩む:デクセリアルズ導入の、ジョブ型人事制度の枠組み

2023年4月10日 16:52

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本社・栃木事業所に新設された「レセプション棟」にある展示スペース(画像: デクセリアルズの発表資料より)

本社・栃木事業所に新設された「レセプション棟」にある展示スペース(画像: デクセリアルズの発表資料より)[写真拡大]

 デクセリアルズ(東証プライム)。スマートフォンや自動車など向けに最先端技術・材料・デバイスを提供している。日本経済の立ち直りを反映する収益動向を示している。

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 前2022年3月期の「45.4%増収、135.0%営業増益、212.8%最終増益、16円増配60円配」に続き今3月期も、「14.9%増収、16.4%営業増益、20.0%最終増益、創業10周年記念配5円を含む65円配」計画で立ち上がった。

 そして第2四半期開示と同時に利益を上方修正。が、第3四半期決算発表時に、「中国のゼロコロナ政策やサプライチェーンの混乱、最終製品の需要の減速に伴う在庫調整などリスクに備え」下方修正。しかし現時点の通期予想は「9.7%増収(1050億円)、16.4%営業増益(310億円)20.0%最終増益(200億円)」と順調な歩みぶり。

 そんなデクセリアルズが3月29日付けで、『ジョブ型人事制度導入のお知らせ』と題するリリースを配信した。

 ジョブ型雇用制度の導入は富士通や日立など、大手電機メーカーの先行が指摘される。既に22年度で全従業員の9割まで拡大した富士通では、「24年には全世界の37万人に広げる方針」としている。

 だがその一方でジョブ型の全面的な採用は、年功序列型の賃金制度や終身雇用制の大転換につながる可能性がある。従い導入企業を見渡しても「日本型ジョブ風制度」が主流となっている。年功色の強い賃金制度を維持したジョブ制度だ。

 ではデクセリアルズが4月1日から導入するというジョブ型人事制度は、どう認識すればよいのか。広報担当者に噛み砕いてもらった。

 「新しい人事制度であり、まずは国内の管理職が対象。組織を作ってからメンバーに仕事を割り当てるのではなく、成長戦略を実現する仕事を作ることが大前提。そこに人を割り当てる」

 「収入は役割に応じて増減があるが、平均すれば上がる。一方で労務管理の方法に変更はないので、業務時間が大幅に増減することはない」

 「経営陣を中心に1年以上前から検討を開始し、今回の導入対象者である管理職者には事前に具体的な説明を行っている」

 デクセリアルズは「技術力」が命の会社。例えばマイクロLED向けに自社技術:形状加工ACFを用いた新規プロセス技術を、信越化学と開発している。そうした際にも適用されて然るべき制度と、捉えられる・・・

 果たして導入のジョブ型人事制度、今後の同社の収益動向にどう貢献するのか!? (記事:千葉明・記事一覧を見る

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