ローソンがアバターストアの実証実験、生産者がオペレーターになり遠隔販売

2023年2月25日 08:59

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グリーンローソンのアバター(ローソン発表資料より)

グリーンローソンのアバター(ローソン発表資料より)[写真拡大]

  • ローソンアバターストアのアバター(ローソン発表資料より)

 コンビニエンスストア大手のローソンは、アバターになった生産者らが来店客とコミュニケーションしながら、リモートで商品をPRするアバターストアの実証実験を、東京都豊島区北大塚のグリーンローソン(ローソン北大塚一丁目店)で2月27日から始める。初回は三重県明和町が出店し、伝統工芸品の擬革紙(ぎかくし)、御糸織(みいとおり)を販売する。

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 実証実験はアバター事業を展開するアビータと共同で進める。アバターとなった商品の生産者らが来店客と双方向のコミュニケーションを取りながら、商品の魅力や生産者の想いをPRする。来店客は店頭に置かれた商品で使用を確認し、商品を購入する。販売は宅配のみで、代金は生産者らが指定したECサイト上で行う。

 生産者らが対応できない時間帯は、ローソンのアバターオペレーターがリモート接客するほか、商品説明などの動画をループ再生する。

 初回の出店者である明和町は、3月12日まで2週間の期間限定で販売する。リモート接客には商品の生産者と観光協会の職員らが当たる。擬革紙は革の風合いを紙で表現し、御糸織は古くから受け継がれた製法で染色した松阪もめんを使った工芸品。それぞれブレスレットやストラップ、名刺入れなどになり、500~2,200円(税込、送料別)で販売される。

 経済産業省の調査によると、コロナ禍の巣ごもり需要の増大などから、オンラインでの商品販売額は2021年度で13兆円超に達し、急増を続けている。オンラインの活用により、生産者らは店舗を持たずに商品を販売できるようになったが、商品の価値や魅力を直接、利用客に伝えるのが難しい。

 今回の実証実験はこうした現状を打開するために企画されたもので、生産者らの販路拡大やブランド認知の拡大方法、ローソンにとっての新たな広告事業の可能性を探る。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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