外国語のスピーキング力向上 独り言学習の具体的な進め方

2022年10月4日 14:10

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 前回は、1人で手軽に進められる独り言外国語学習の効果やメリットについて紹介した。

【こちらも】外国語のスピーキング力、「独り言学習法」で着実に伸ばす!

 今回は、独り言学習法の具体的な進め方を、学習者のレベル別に紹介したい。

 独り言学習とは、日常の生活で見たこと考えたこと、時には願望や怒りなどを独り言のように外国語でつぶやく練習だ。独り言学習は自分のレベルにあった学習が可能で、比較的誰でも取り組みやすい。

 だが漠然と進めようとしても習慣化することが難しい。効果的に進めるためにはいくつかのルールに則って行う必要がある。下記に具体的な学習方法について紹介するので、参考にしてほしい。

■初心者:動画で基本フレーズを頭に入れる

 独り言学習は、ある程度の語彙数や基本会話がインプットされてから始めるほうが効果的だ。上手くつぶやけない場合、動画などを活用していくつかの基本的な語句を頭の中に入れよう。


■初級者~中級者

 初級者は、見たこと、聴いたこと、感じたことをつぶやく練習を重ね、これを習慣化してほしい。重要なのはタイミングを決めて行い、毎日のルーティンにすることだ。

 朝起きて、通勤電車の中で、オフィスで仕事を始める前、ランチから戻った後、退勤前、就寝前など自分の中で少し余裕があるタイミングを決める。そして、その時に見たこと、聴いたこと、感じたことを外国語でつぶやいてみよう。

 つぶやき例
 ・朝起きたタイミングで:「Oh no!!! I overslept.」(やばい!寝坊した。)
 ・地下鉄の中で「え、あの紺色のマフラー素敵」(Oh, I love that navy blue scarf!)
 ・通勤途中「コンビニに寄って行こう」(I'll stop by the convenience store)

 慣れてきたら感情など、より抽象的で複雑なフレーズについてもつぶやいてみよう

 ・希望:「彼女相変わらずきれいだなあ。私もダイエットしよう。」 She's as beautiful as ever. I'll go on a diet too.
 ・愚痴:「This party is boring. I’m dip.」(つまらないパーティーだな。帰ろ)

■ビジネスレベル

 ビジネスレベルの学習者は、様々な異なるビジネスシーンで独り言をつぶやいてみよう。

 1、つぶやき例
 ・I open my laptop, and I’ll go through my emails.(パソコンを開けて、メールに目を通そう。)
 ・Oh my god, my computer screen froze up again.(なんてこった、またパソコンの画面が固まった)
 ・I have to call the client back.(お客様に折り返しのお電話をしなくては)

 2、 チェック
 長いフレーズの独り言をつぶやいた後は、下記の方法で文法や発音のチェックをしよう。

 ・語彙・文法チェック
 英語であれば「Google」、中国語なら「百度」など検索サイトに確認したい文をそのまま入力する。これは翻訳・通訳者がよく行う確認手段でもあるが、文や語彙が一定数ヒットすれば、ネイティブが使う文法と合っていることが確認できる。

 ・発音チェック
 スマホやパソコンの翻訳・通訳アプリで、独り言でつぶやいた言葉や語彙が正しく認識されるかチェックしよう。認識されなければ発音が間違っているので、アプリに文を文字入力して正しい発音をチェックしよう。

■まとめ

 独り言学習は、習慣化することで効果が最大化する。想起・反復の回数が多ければ多いほど、大脳に神経回路が早期に形成されるからだ。

 しかし、精神的・時間的余裕がないビジネスパーソンにとって、独り言学習の習慣化は非常に難しい。通勤電車の中や夜寝る前など比較的余裕のあるタイミングで、確実に実施しよう。文型や語彙など自分のレベルで進め、無理せず楽しく実施すると自然と習慣化につながるだろう。(記事:薄井由・記事一覧を見る

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