パナソニック産機、マンションで「冷凍・冷蔵品」無人受け取りの実証実験

2022年10月2日 07:43

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受け取り用冷凍・冷蔵ロッカー(画像: パナソニック産機システムズの発表資料より)

受け取り用冷凍・冷蔵ロッカー(画像: パナソニック産機システムズの発表資料より)[写真拡大]

 パナソニック産機システムズ(東京都墨田区)は9月30日、マンションや住宅団地で「冷凍・冷蔵品」無人受け取りサービスの実証実験を開始したと発表した。神奈川県の一次産業事業者と全国の小売店49社も協力する。宅配の再配達を減らすとともに、新たな販売の機会も創出する考えた。

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 神奈川県の既築マンションと住宅団地で10月3日から実験を行う。実証実験では2つのサービスを展開する。一つは、運送会社が再配達時にロッカーに届けるというもの。

 居住者は、再配達時にロッカーを利用することで24時間自分の都合にあわせて冷凍・冷蔵品を受け取ることができる。実験では、利用者の満足度や、ロッカー設置後の再配達率の推移などを調べて、受け取りサービスの利便性をはかる。

 もう一つは一次産業事業者と小売店が扱う地場の海産物や農作物をロッカーへ届けるというもの。商品の魅力を伝えるために参加事業者の商品を購入できるマルシェの開催も計画している。

 国交省の2021年10月期の調査によると、再配達は減少傾向にあるものの、今だ配達率は11.9%を示している。ECによる商品購入が急拡大し、宅配便の取扱個数は増加している。再配達を行うと、ドライバーの人材不足やCO2排出量の増加などに深刻な影響が生じる。

 特に生鮮食品や冷凍・冷蔵品は宅配ボックスで受け取れないため、在宅で受け取る必要がある。同社はこれまで小売店や商業施設で「受け取り用冷凍・冷蔵ロッカー」を展開してきた。それをマンションや住宅団地にも設置することで、再配達率を下げる。

 また、居住者に小売店や地場の一次産業事業者の商品を冷凍・冷蔵ロッカーで受け取れるとして紹介も行う。事業者にとってははロッカーが新たな販売機会になる。食品廃棄ロスの低減にもつながる可能性がある。

 実証実験で設置するロッカーは、冷凍・冷蔵・常温に対応するユニット式ロッカー。自由にユニットを組み合わせることができ、タッチパネルで簡単に操作できる。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る

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