「健康経営」を後押しする:メンタルヘルステクノロジーズと産業医

2022年9月26日 16:07

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 私のかかりつけの医者(内科)は、認定「産業医」。「産業医とは」、と聞いた。「私の場合は非常勤だが、要は企業のお抱え医みたいなもので社員の健康維持の一環を担っている」(所沢第一病院、M医師)。

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 「健康経営」の認識が広がっている。日本健康会議が定める基準に沿って選定される、一口で言えば「社員の健康を考慮した施策を執っている企業」へのお墨付き。

 2014年度から「長らく、そのための施策を続けている」企業を、経産省と東証が「健康優良企業」と認定し公表するようになった。「認定」は企業のステイタスになり、株式市場でも銘柄物色の上でかっこうな材料となっている。

 そんな時の流れを象徴する様な上場企業も、出現している。

 メンタルヘルステクノロジーズ(東証グロース)。2011年3月に設立され、2022年3月に上場した。産業医及び保健師等による「役務提供サービス」と、企業のワーカーの心身の健康管理に関する各種の「クラウド型サービス(ELPIS)」をパッケージ化し、『産業医クラウド』の名称で提供している。

 要するに「社員の健康を促そう」という企業と、「産業医」のプラットフォーム。企業への医師の紹介も手掛けている。

 創業者社長:刀彌(とね)慎之介氏は、こう発信している。「・・・日進月歩で進化する医療健康分野、その進歩に追いつこうとしている医師とそうでない医師、どちらに診てもらいたいか。毎日、医療に前向きで幸せを感じている医師と、そうでない医師のどちらに相談したいか・・・誰にも最期という瞬間はある。最期は素晴らしい方々に見守らて欲しいと思うはず」。

 メンタルヘルステクノロジーズは主に「心のケア」に軸足を置き、企業と働き手の「健康の架け橋」を目指している。上場大手企業等の契約(現在100社弱)や公的機関に照準を絞っている。いかに求められている存在であるかは、収益動向にも見て取れる。

 上場初決算となる2022年12月期の「39.5%の増収(20億2700万人)、151.4%の営業増益(3億4700万円)、59.0%の最終増益(2億5600万円)」計画に対し、中間期時点で既に「11億7900万円、3億1500万円、2億2500万円」の実績に達している。

 産業医は「労働安全規則」で「厚労省令で定める一定の要件を満たした者」「労働衛生コンサルタント試験に合格した者」が認定される。そして社員数50~499人の企業には1人(非常勤可)、3001人以上の企業には常勤化が課せられている。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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