よりそうが加速させる、葬儀社のDX化とは!?

2022年7月29日 08:01

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(画像: よりそうの発表資料より)

(画像: よりそうの発表資料より)[写真拡大]

 葬儀社にもDX化が進み始めている。加速させようという仕掛け人?は、(株)よりそう。2009年に現代表の芹沢雅治氏により設立された。ネットを介して全国約4000の斎場と提携し、一律プランの葬式のサービスを提供している。

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 日本では、周知の通り世界でも類のないスピードで少子・高齢化が進んでいる。内閣府の「2021年版高齢社会白書」では、年間の死亡者は2040年には約168万人に達すると見込まれている。

 いま、葬儀の多様化が指摘されている。とりわけ「家族葬」に象徴される葬儀の「簡素化」は、葬儀業を営んでいく葬儀社にとり「効率化」が必須の条件になってきている。また簡素化云々の流れの中でも、遺族側も葬儀前後の諸々の処置に関して「効率化」を求める。

 そうした時代に寄り沿い、よりそうでは7月1日『「よりそうお葬式」が、葬儀社様向けクラウドサービス「よりそうクラウド」の提供を開始』と題するリリースを配信した。葬儀社の売り上げ・生産性を上げるためのITツールをクラウド方式で提供するDX支援サービスの開始、というのがその主たる内容。広報担当者の説明も踏まえながら、どんなモノなのかを記してみる。

★名称は「よりそうクラウド訃報案内」。これまでは、よりそうのパートナー関係の葬儀社だけが受けられたサービス。それを今後は、全ての葬儀社が受けられる「訃報案内」とする。

★訃報案内の簡素化: 遺族はLINEやメールなど簡単な連絡手段で、訃報を伝えることが出来る。

★転送も容易: 訃報を受け取った人はそれを、故人と仕事や趣味などの関係で共通した人たちに転送することが出来る。葬儀場や葬儀開始時間をミスなく伝えられる。

★葬儀形式の伝達も可能: 一般葬・家族葬・火葬式など、葬儀プランに合わせた訃報を案内できる。

 この枠組みで遺族・葬儀社にどんな効率化(メリット)がもたらされるのか。遺族は簡便に故人の訃報を関係者に伝えられ、情報を受け取った人は訃報ページから手間なく「弔電・供花・供物」等が手配でき故人への「感謝・偲ぶ気持ち」を伝えられる。遺族は故人との別れにとる時間が増える。ちなみに供花や弔電はオンラインでクレジット決済が可能。

 一方の葬儀社側は本来遺族のケアに割くべき時間をアナログな事務作業や業務管理に割くことなく、対応するための手間を合理的に創出できる。かつ「供花・供物・弔電」の販売で新たな収益源を得ることが可能になる。

 私も生まれてこのかた、祖母・母の葬儀を体験した。その都度感じたのは失礼だが「葬儀社の社員にはなりたくない」だった。遺族に諸々気遣いながら、身を粉にして葬儀の準備を・・・というのは言葉に出来ないくらいの難業だと思ったからである。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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