婚活事業展開:IBJの今期収益回復を株価も期待しているようだが、さて!?

2022年4月27日 16:52

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 IBJ(プライム市場、12月期)の収益回復:今期計画の達成は、新型コロナ状況と景況感動向の今後を占う指標となろう。IBJは婚活のプラットフォーム事業や、直営結婚相談所・相談所連盟事業を展開している。

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 俗に言われる「適齢期」を過ぎても独身という割合が、男性・女性とも増えている。内閣府ではこんな推計を示している。『1970年の50歳超の未婚率は男性1.7%、女性3.3%。これがこの間男女とも率が上昇。2040年には男性で29.5%、女性で18.7%に達すると推定できる』。

 是非論はともかく、未婚化率の上昇は「女性の社会進出」と「少子化」を表裏一体に現す。人の生き方をとやかく言う権利は、誰にもない。だが例えば少子化の進捗が昨今進んでいる「年金体制の見直し」に象徴されるように、老後資金の逼迫に繋がっていくことは事実である。

 さてそこでIBJの収益動向だが19年12月期までは、順調な増収増益基調で推移してきた。それが20年12月期は「14.5%減収、30.7%営業減益」、21年12月期は7.7%増収も「6.4%営業減益」に落ち込んだ。が、今12月期は「13.7%の増収(160億400万円)、12.2%の営業増益(17億100万円)」と回復基調に転じる期待を持たせている。

 改めるまでもない一面を有するだろうが、前期決算の状況を振り返ってみる。

<婚活事業>-プラットフォーム事業: データベースに7万5000人を超える会員情報が登録されており、21年は1万402組が成婚。結婚相談所事業は、自社運営と組織化した結婚相談所ネットワークが両輪。加盟店数は約3000社(日本最大級)。会員数は約7万5000人、月間見合い件数約4万5000件。両事業は表裏一体でシナジー効果を生み出している。IBJでは「当社の両事業は単なるマッチングでなく、専任のコンシェルジェのアドバイスにもとづき真に出会うまでをサポートする」としている。期後半からコロナ禍の影響が徐々に薄れ始め前年同期比14.3%の増収も、営業利益は6.7%減。

<ライフデザイン事業>-ウェディング事業を中心に結婚希望者の趣味・コミュニティ事業や成婚後の旅行事業、不動産・住宅ローン事業や保険事業と多岐にわたる。一口に言えば、コロナ禍に晒されたが「30.3%の減収、4200万円(前年は6950万円近い損失)」で着地。

 そして今期の積算に際しては「コロナウイルスの感染拡大による経済への影響は徐々に回復」を前提にしたことを明らかにし、「今後はAIを活用したマッチング精度の高さを武器に、よりシェアの向上を図る」とした。

 さて株価は「回復計画」をどう捉えているのか。大発会の年初来高値:920円から同安値636円(3月9日)まで整理され、時価は800円台入り口にまで戻している。IFIS目標平均株価は2人の算出アナリストが共に「割安・強気」の姿勢で1300円。株価は「期待十分」を示しているように捉えられるが・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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