高島屋立川店、2023年1月末で閉店 全館専門店にリニューアルへ

2022年4月12日 10:10

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 高島屋は11日、取締役会を開き、東京都立川市の立川高島屋SC(立川市曙町)で核店舗となっている百貨店「高島屋立川店」を2023年1月末で閉店し、全館を2023年秋に専門店へリニューアルすることを決めた。高島屋が進める百貨店事業構造改革の一環で、地方や郊外の百貨店事業の行き詰まりをあらためて示す格好になった。

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 立川高島屋SCは地下3階、地上9階建て延べ約3万1,000平方メートル。約1万1,000平方メートルを占める核店舗の高島屋立川店と、約2万平方メートルの専門店50店で構成する。高島屋立川店が1970年に立川駅前にオープンし、1995年に現在地へ移転。その後、連結子会社の東神開発が施設運営に当たり、2018年の改装に合わせて高島屋立川店を核店舗とする立川高島屋SCに施設の名称を変更していた。

 長く立川市を代表する商業拠点となってきたが、4、5階に入居する家具・インテリアの「ニトリ」、6階のジュンク堂書店・カフェなど専門店が好調な一方、高島屋立川店の業績が低迷していた。

 高島屋は改装の際、百貨店と専門店の融合を目指していたが、インターネット通販の普及や若者の百貨店離れなどから、実際の需要とのずれが生じたとみている。コロナ禍の長期化も事業に深刻なダメージを与えたもよう。

 高島屋立川店の閉店後も施設名称は引き続き、立川高島屋SCとする。高島屋立川店の跡に新たな専門店を誘致して2023年秋にリニューアルオープンし、次の世代の顧客となる若者や子育て世代に魅力あるショッピングセンターとする方針。

 百貨店冬の時代といわれる中、地方都市や大都市圏の郊外に位置する百貨店の閉店ラッシュが続いている。百貨店業界は若者らをつなぎ留めようとあの手この手の戦術を繰り出しているが、存続の危機を逃れるすべは見つかっていない。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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