企業の取り組みから読み解く「SDGs」の次のフェーズ

2022年3月20日 17:37

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記事提供元:エコノミックニュース

「3月17日は何の日?」と聞かれて、「みんなで考えるSDGsの日」と答えられる人は少ないだろう

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 「3月17日は何の日?」と聞かれて、「みんなで考えるSDGsの日」と答えられる人は少ないだろう。2015年の国連サミットにおいて、全会一致で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)には、2030年までに達成すべき17のゴールが設定されている。「みんな=3」で「17」のゴールを達成しようという意気込みから、2020年に制定されたそうだ。SDGsという言葉の認知度が高まりつつある今、次は「みんなで考える」という段階に入っていると言えるだろう。

 SDGsの目標を達成するには、如何に課題を身近に感じるかが重要になってくる。国や人種や民族に関わらず、地球に対して一個人に何が出来るか?というイメージを持ちやすい環境作りが、目標達成のカギになるだろう。老若男女問わず、より多くの人にSDGsを考えるキッカケを提供する企業の取り組みが、にわかに注目を集めている。

 国内大手のハチミツメーカー・山田養蜂場では、2022年3月8日から、第10回「ミツバチの一枚画コンクール」の作品募集を開始した。「自然環境の大切さ」「助け合うことの大切さ」「いのちの大切さ」など、ミツバチを通して見えてくる大切なことについて考え、より良い世界をつくる目標であるSDGsの意識を深めることが、コンクールのテーマとなっている。中高生から幼児の部まで設定されており、親子でSDGsを意識する良い機会になるだろう。

 また、このコンクールでは作品1点の応募につき、1本の植樹が行われている。未来を担う子供たちに豊かな自然環境を受け渡すため、国内外で地道な植樹活動を継続している山田養蜂場らしい発想だ。今年は前回(第9回)の応募作品数と同数の20,416本の植樹を行う予定だ。作品を応募すること自体が、森づくりの貢献に直結している。これまでの応募総数は19万4,329点に上り、「日本で最もミツバチの絵が集まるコンクール」として注目を集めている。

 三菱地所株式会社の子会社である株式会社サンシャインシティでは、2021年に豊島区の後援で「ごみを正しく・楽しく分別できる」をテーマに、「ECOアイデアコンテスト」を開催した。小中学生から集まった約500件のアイデアの中から、受賞したアイデアをメインにした、オリジナルのECOステーション(資源回収BOX)を開発し、3月17日から9月30日まで、サンシャインシティ館内に設置されるそうだ。自分のアイデアが実際に形となり、資源回収に役立てられるのは、良い経験に繋がるだろう。

 企業相手のコンテストも活発化している。株式会社NTTドコモと株式会社NTTドコモ・ベンチャーズは、社会課題に対する新たなソリューションの創出を目的に、5Gソリューション創出コンテスト「docomo 5G DX AWARDSR 2022」を開催しており、今回のテーマは「SDGs」だ。5Gのモバイル通信を活用し、様々な産業でSDGsの達成に貢献するソリューション創出に向けた取り組みが加速する事を目指している。2018年から始まった

 パートナー企業の加入数は5000社に上っており、企業の垣根を越えたSDGsの目標達成に向けた取り組みが期待できる。

 SDGsに関する取り組みは、企業だけではなく、地域や学校でも活発化して来ている。2030年の目標達成に向けた土壌は、着実に整いつつある。感染症や争いごとが取り沙汰され、地球の環境が疎かになりつつある今だからこそ、身近な問題を大切にして行きたいものだ。(編集担当:今井慎太郎)

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