7月の百貨店とSC売上、2カ月ぶりにプラス コロナ前の水準には届かず

2021年8月27日 15:56

印刷

 日本百貨店協会と日本ショッピングセンター協会が7月度の売上高を発表し、ともに2カ月ぶりに前年同月比プラスとなった。ただし新型コロウイルスの感染拡大前と比較するとマイナス幅は縮小しているものの、ふた桁マイナスの水準が続いている。

【前月は】6月の百貨店とSC売上、4カ月ぶりのマイナスに 緊急事態宣言が影響

■百貨店は2カ月ぶりにプラス

 23日、日本百貨店協会が2021年7月度の全国百貨店売上高概況を発表した。売上高は前年同月比(店舗数調整後)4.2%増の4,020億3,531万8,000円となり、2カ月ぶりにプラスとなった。ただし新型コロナウイルスの影響がない前々年比は17.4%減で、5月の同43.1%減、6月の同20.6%減からやや縮小しているものの、ふた桁割合のマイナスが継続中だ。

 引き続き高級品が好調だったほか、食料品では総菜、弁当、ウナギ、菓子、酒類、土産関連が堅調。ネット通販では食料品、お中元、ランドセルなどを中心に増勢だった。

■美術・宝飾・貴金属や家電が好調

 都市別では10都市中7都市がプラスで、特に東京(前年同月比:8.0%増、以下同じ)、名古屋(12.4%増)、神戸(9.3%増)、福岡(8.0%増)などが好調。一方、札幌(6.6%減)、横浜(0.1%減)、広島(3.5%減)の3都市がマイナス。都市以外の地区は北海道(9.0%減)や東北(6.7%減)など全体的に低調ながら、中部(0.3%増)、近畿(0.2%増)、四国(1.9%増)の3地区がプラスを確保した。

 商品別売上高では身の回り品(7.8%増)、美術・宝飾・貴金属(30.0%増)、菓子(10.1%増)、総菜(9.5%増)、食堂・喫茶(6.0%増)などが好調だった。反対にその他雑貨(6.8%減)、家電(19.4%減)、商品券(5.4%減)などが不振だった。

■ショッピングセンターも2カ月ぶりにプラス

 25日、日本ショッピングセンター協会が7月度のSC販売統計調査報告を発表した。売上高は前年同月比1.1%増の4,611億9,704万円となり、百貨店同様に2カ月ぶりにプラスとなった。

 ただし前々年比は16.3%減となっており、6月の同23.5%減から7.2ポイント改善しているが、百貨店同様にマイナスが続いている。

 新型コロナウイルスの変異株の影響が拡大し、夏のセールに盛り上がりが見られなかった。また東北では台風8号の上陸にも影響を受けた。業種別ではシネマやアミューズメントが好調で、感染防止対策などへ消費者の理解が進んだ影響も考えられる。

■北海道は34.3%減

 売上のうち、テナントが前年同月比3.4%増の3,610億3,621万円。キーテナントが同0.7%増の1,001億6,083万円となり、どちらも全体同様に2カ月ぶりにプラスとなった。

 大都市やその他の地域では明暗が分かれている。好調だった大都市は東京区部(前年同月比:6.1%増、以下同じ)、名古屋市(6.1%増)、福岡市(4.2%増)などで、その他の地域は中国(2.2%増)や九州・沖縄(2.7%増)など。不振だったのは大都市では札幌市(7.8%減)、横浜市(2.7%減)などで、その他の地域では北海道(7.8%減)、中部(1.5%減)などがある。(記事:県田勢・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事