三菱、新型「アウトランダー」発表 4月に3カ国で発売 新開発プラットフォーム採用

2021年2月18日 17:21

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新型「アウトランダー」(画像: 三菱自動車工業の発表資料より)

新型「アウトランダー」(画像: 三菱自動車工業の発表資料より)[写真拡大]

  • 新型「アウトランダー」フロント(画像: 三菱自動車工業の発表資料より)
  • 新型「アウトランダー」リア(画像: 三菱自動車工業の発表資料より)
  • 新型「アウトランダー」インストルメントパネル(画像: 三菱自動車工業の発表資料より)
  • 新型「アウトランダー」シート構成(画像: 三菱自動車工業の発表資料より)
  • 新型「アウトランダー」インテリア(画像: 三菱自動車工業の発表資料より)
  • 新型「アウトランダー」シフト周り(画像: 三菱自動車工業の発表資料より)

 三菱自動車工業は17日、同社の代表モデルであるクロスオーバーSUV「アウトランダー」をフルモデルチェンジし、4月から米国、カナダ、プエルトリコで発売すると発表した。現行モデル登場から約9年ぶりのフルモデルチェンジとなる。

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 常々、モデルチェンジのうわさはあった。東京モーターショー2019で日本初公開された「MITSUBISHI ENGELBERG TOURER」が、後継モデルになるとささやかれた。アライアンスを組んだ日産からは、一部パーツの共有が行われているとうわさの「ローグ」が発表されていた。このような話を聞き、楽しみに待っていたユーザーも多いことだろう。筆者もその1人である。今回は、そんな新型「アウトランダー」を紹介する。

■4代目は「威風堂々」を商品コンセプトに

 4代目となる新型「アウトランダー」は、「威風堂々」をコンセプトに大きく3点を特徴として、全方位進化を遂げた。

 1つ目は力強く存在感のあるスタイリング、2つ目は安心・安全な走行性能、3つ目は上質な室内空間である。加藤隆雄CEOは新型「アウトランダー」について、「これらを進化させることで、行動範囲の拡大や、様々なことへの挑戦をしたいユーザーの想いに答えたSUVとなった」と答えている。さらには「北米市場の活性化、今後のグローバル展開を軌道につなげる」とも話している。

■力強く存在感のあるスタイリング

 デザインコンセプトは、「BOLD STRIDE(ボールドストライド)」。パッケージを見直すことで、フロントからリヤへと伸びる水平基調で力強くスタンスの良いプロポーションを表現した。

 また三菱の特徴でもある「ダイナミックシールド」を次世代化したことで、力強さを高めている。ランプの構成は、上部にはシャープな形状を配置し、デイタイムランニングランプとターンランプ、ヘッドランプはその下のバンパーサイドとしたことで、ワイドボディを強調している。

 リヤのテールゲートは、三菱の名車「パジェロ」からインスピレーションを受けた造形をしており、安定感と機動性の高さを表現している。テールランプはTシェイプテールランプと呼ばれるもので、ワイドにすることでさらに安定感を増して見える表現をしている。

 ボディカラーは、三菱特有のダイヤモンドシリーズから従来のレッドダイヤモンド、ホワイトダイヤモンドに加え、ブラックダイヤモンドを新たに仲間入りさせた。これらの3色に、通常カラーの6色を加えた全9色展開となる。

■安心・安全な走行性能

 新型「アウトランダー」は、新開発のプラットフォームを採用している。特徴は衝突安全性の大幅な向上と、高次元の操縦安定性をもたらしたことだ。

 キャビン周りに三菱初のホットスタンプ式超高張力鋼板を採用することで、軽量化を実現しつつ変形の少ない高耐力キャビン構造とした。サスペンションはマルチリンク式、デュアルピニオン式の電動パワステを採用し、上質な乗り心地とダイレクト感のある操作性を実現している。

 エンジンは新開発の2.5Lエンジンを採用し、燃料消費率(WLTCモード)で約2.6%向上している。トランスミッションは8速スポーツモードCVTを搭載、メリハリのある変速を行うステップシフト制御を採用した。4WD車は電子制御4WDと三菱おなじみのS-AWCを搭載している。

 今回はブレーキAYCを後輪にも採用したことで、 前後輪の分散制御に発展させたという。2WD車にもブレーキAYCを採用することで、様々な路面での走行安定性を実現した。

 ドライブモードは2WD車には「ECO」モードをはじめとする5種類、4WDにはその5種類に加え、ぬかるんだ道や深雪などで走破性を高める「MUD」を追加した全6種類により、ユーザーの走行シーンに合わせたモードを展開する。これらのモードは選択した際にメーター内に走行シーンがイメージできる画像を表示する仕様となっている。

■上質な室内空間

 インテリアの顔ともいえるインストルメントパネルは、以前の丸みを帯びたスタイルから力強い水平基調のインストルメントパネルに変わり、シャープな印象となった。ドアトリムのカラーもインストルメントパネルに合わせることで広く見える仕組みになっている。

 メーターは三菱初の全画面フルカラー液晶「フルデジタルドライバーディスプレイ(12.3インチ)」を採用。もう1つのメーターであるハイコントラストメーターは、7インチの液晶を搭載し、アナログ表示ながらも立体的な文字盤と加飾付き指針で高級感を演出した。これら2つのメーターはグレード別に設定されている。

 センターディスプレイもグレード別で9インチのスマートフォン連携ナビゲーションを設定。最近の流行に合わせ、AndroidスマートフォンやiPhoneをつなげることで、Android AutoやApple CarPlayにも対応する。さらに最新の交通情報、ソフト更新などがオンラインで行える機能にも対応する予定。

 これらに加え、三菱初のウインドシールドタイプを採用した10.8インチのヘッドアップディスプレイ(HUD)や、BOSEプレミアムサウンドシステムを採用している。

■先進安全機能

 新型「アウトランダー」は、高速道路同一車線運転支援技術「MI-PILOT(マイ・パイロット)」を搭載している。レーダークルーズコントロールシステム[ACC]と、レーンキープアシスト[LKA]により、統合制御を行うことで、車間距離と車線中央をキープしながらの走行をサポートする。ナビリンク機能を搭載しているグレードもあり、こちらは日産のノートなどにも搭載されているものと同様のものだろう。

 様々なアクシデントからドライバーを守るために「三菱コネクト」を搭載。緊急時にボタン1つでコールセンターに救助依頼が可能となっている。また、エアバッグが展開した際には自動的に通報する。

 これらは各市場によって装備が異なる場合がある。今後日本国内での発売日と仕様が別途発表されるだろう。(記事:キーパー・記事一覧を見る

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