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銀座:白鶴ビルの屋上は農園 独特な白鶴を生み出している
私は麦焼酎党。従い日本酒を口にすることは、滅多にない。が、「灘の銘酒」と称される「白鶴」だけは別。寛保3年と言うから徳川時代の8代目将軍:吉宗の時代、1743年に材木屋治兵衛なる人物により創業された「白鶴」だけには、妙に愛着を覚えている。
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白鶴酒造には「なんだ」と言われるかもしれないが、アンチ巨人だが個人的に丸佳浩選手の大ファン。丸選手を白鶴酒造は応援している、というのが第1の理由。そしてもう1つの理由は独特な形でビルの屋上の「緑化」を進めている点。
東京支社(兼関信越支店・横浜支店)が、メトロ日比谷線の東銀座から徒歩数分のところにある。自社ビル(白鶴銀座ビルディング)。このビルの屋上で(2007年から)稲作を行っている、と最近耳にした。だが一見の者が田圃を覗くことはできない。「見たい。何故、稲作なのかを知りたい。苦労はないのか聞きたい」が、そのためだけに出かけていくには、老いた足が二の足を踏んでしまう。
そこで最近頭角を現している、フットワークの軽い若手女性ライターに電話をかけた。「貴女のところの媒体なら、ビルの屋上緑化の一手、という角度から取材しても面白いのではないか」と。二つ返事で「分かりました」とした翌々日には、以下の様な情報を伝えてくれた。
★都会の環境を勘案し、屋上部分の緑化を考えた。「だが同じ緑化なら、日本酒メーカーにふさわしい緑化を」と、06年に屋上部分を全面改装して稲作(田圃)に乗り出した。
★農園の広さは、約110坪。収穫量は年によりばらつきがあるが、平均「籾殻つき」で50~55kg。収穫した「白鶴錦」は、大吟醸酒「白鶴 銀座 天空農園の酒」に使用される。近場の某デパートで、期間限定で販売されており「好評」。
★難しさはまず、苗を植えるための土を敷く上の制限。通常の稲作では約60cmの深さが必要。だが屋上ゆえに重さを勘案すると15cmが限界。それをカバーするための工夫が不可欠。
★また屋上は、直射日光が強い。水温調整が容易ではない。一度水を抜いて水温の上昇を抑えるなどなど、細やかな管理が不可欠になる。
★災害対策も大きな課題。稲にとっては風が難敵。風の強い日には、ネットやロープで風から稲を守らなくてはならない。
★が、そうした困難をクリアしながらの米作には、それだけに大きな魅力ももたらしてくれる。1株1株を大切に育てるという意識が、満足感を与えてくれる。
ぜひ某百貨店に出かけ、期間限定で売られる1本を購入してみようと思う。そんな酒を買いに出かけるのなら、老いた足も喜々として動くに違いない。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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