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コマツのスマートファクトリー (5) スマートファクトリーで何を「見える化」?
■何を「見える化」?
このような改革を進める中で私の会社でも必要だったのが、「工程と工数」など「作業の見える化」だった。それを、当時は「紙の伝票」で工程ごとに「手記入」するのだから、現場では「余計な仕事を増やしやがって」と抵抗していたのが現実だった。
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最近は、ファクトリーコンピュータが実用になるレベルとなり、作業を指図するトヨタで「かんばん」と呼ばれた伝票が、「電子かんばん」となって大幅に集計しやすくなっている。私の会社では「工程原票」と呼んでいた。これは「部品展開」と、その時点で作業するロットでの製作数などを指示する帳票であった。
しかし、自動車と違って建設車両の生産台数程度では、工作機械の台数や特殊作業のため「工程が複雑に交差」しているので、作業員の作業時間と工程が絡んで、一律の作業指示が出来ず、実際の作業指示は現場の管理職が担っていた。これは、現在の少数生産製造業で今でも続いている。
ドイツのBMWなどが先行している「インダストリー4.0(第4次産業革命)」の考えを実践すると、自動車の生産量でもオプション部品100ほどの多くの組み合わせになるため、かつての建設車両程度の量産数で起きる、“工程の交差”を避けることが出来ず、AIで交通整理する方法が実験されている。AIで工程管理し、自律ロボットで運搬させるなどの手段だ。
電子かんばんはデジタル化であり、IoTの利用である。さらに現在では、ロボットなど自動化機器で作業が行われるようになり、ネットなどでオンライン化が進んで「スマートファクトリー」となった。そのため、部品の工程ごとの工数など、データが正確に取れるようになってきた。
だがこの「見える化」が、「何を見える化」にしているのかを、よく理解できていないのが現状のようだ。これを理解するには、「ロット生産」での「少量生産の工程の組み方」を理解していなければならない。
すると、生産工程管理が「混流生産」であるので、オプション部品100ほどの組み合わせになるため、人手ではさばききれないほど「多種類」となってしまう。これを解消するにはAIによる「工程管理」と「自律型ロボットによる部品の自動供給」が必要となるのは目に見えている。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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